ホンダCT125、ハンターカブが納車されて1ヶ月が過ぎた。(「南房総生活に、ハンターカブがやってくる!?」参照)
ガマンしきれないので先に言ってしまうが……。
めちゃめちゃ気に入っています!
日本の誇るカブ、世界に誇るカブ、誰もが「いい」というカブ。もちろんいいだろうとは思っていたが、ここまでハマるとは正直、思っていなかった。
というぐらい、好きです(笑)。
レッドバロン袖ヶ浦で納車され、家に帰るまでの約40kmの道のりで、すでにニッコ二コでした。とにかくその開放感たるや! 高めのシートに腰かけて、高めのハンドルを握ると、なんというかバイクに乗っているというより、おうちのイスに座ってそのまま走り出してしまったよう。目の前に遮るものがなんにもない。アクセルを開けると風とともに風景がブワーッっと近づいてきて、そして後方へと流れていく。これまでいろんなバイクに乗ってきたけど、こういう感覚は初めて。
ギアはもちろんロータリー式。爪先で踏み込み、踏み込み、シフトアップしていく。ダウンのときはカカトでカツン、カツンと後ろに踏む。これまで何度も運転したことはあるけど、やはり慣れないと少し戸惑う。アップは簡単だけど、ダウンのときにエンブレ効かせ過ぎでリアタイヤをキュッ!っと言わせたりしてしまう(ギアは4速)。でもスクーターと違ってギアがあるのは楽しいし、クラッチレスなので楽ちんだ。まさにMTとATのいいとこ取りだと思う。
あ、ひとつだけ言いたいことが。できればギアポジションのインジケーターがあるとよかったな。ロータリーに慣れてないこともあって、何速に入っているかわからなくなる。まあ、何速に入ってても走るからいいっちゃいいんだけど。これからロータリーシフトに慣れていくのも、楽しみのひとつ。
さっき圧倒的な開放感と書いたけど、その理由はポジションだけじゃない。エンジンのキャラクターによるものでもある。ハンターのエンジンは、とにかく超“縁の下の力持ち”キャラなのだ。どの回転域からもストトトト〜と、じつに飄々と、必要なだけのパワーと粘り強いトルクを提供してくれる。そのまろやかで穏やかなエンジン特性が、ふわ〜っと浮遊するような加速感を味わわせてくれる。
ちなみにレッドバロン袖ヶ浦からの帰り道はしばらく大きなバイパス道路を走るのだが、走行性能はまったく不足なく、むしろ交通の流れをリードすることができるほどだ。
走っていてちょっと違和感があったのはブレーキのフィーリング。効きが緩くレバーを握っても「あれ、あんまり効かないな」という感じだった。とはいえ車体の軽さ、125ccエンジンのパワーに対しての制動力は十分で、慣れれば問題ないレベルである。もちろんまだアタリもついていないド新車だということもあるし、そしてハンターのキャラクターを考えるなら、オフロードでの走りを考慮しての味つけでもあるのだろう。未舗装路ではブレーキがキュッと効いたらすぐロックしてしまう。なのでレバーを握り込んでいくほどジワーッと効いてくれるほうが扱いやすい。ちなみに前後ともディスクブレーキを採用し、前輪のみABSも備わる。このあたりはほかのカブに比べ値段がぐっと高いだけのことはある充実装備だ。
そうこうするうちに家に到着。南房総にあるわが家の周辺は道が空いていて、コンスタントに40〜60km/hぐらいで走れるのだが(信号待ち頻度は都内の1/10ほど←筆者体感レベル)、これがまたハンターカブにとってはちょうど気持ちいい速度域なんである。
そして家に近づくほどに確信したことが。
赤いボディカラーを選んでよかった!
じつは赤とブラウンで超迷った。オシャレ感でいえば断然ブラウンだな、と思ったからだ。赤は確かにハンターカブのイメージカラーなんだけど、そのぶん“ベタ”である。しかしそのときイメージしたのが南房総の風景。どこを見ても山!木!草! 都会ではオシャレなブラウンも、田舎では単なる“保護色”になってしまうだろう(笑)。田園風景だからこそ、映えるのは赤!ではないか、と。
はたして、そのイメージは間違っていなかった。田舎グリーンに、ハンターレッドの対比が眩しい。ちなみに庭で愛車のジムニーと並べてみると、グレーの車体色との組み合わせもいいナ、と、もはやなんでもよく見えるのだが、でもじっさい、いいですよね?
ちなみにハンターカブとジムニーは、とてもよく似た乗りものだと思う。そのあたりは、また別の機会に書かせてもらいますが。とにかく組み合わせとしても最高だ。
納車から1ヶ月ほどが経ち、まだ近所をチョコチョコ走ってるぐらいだし、カスタムも一切していないのだが、今のところ乗るのが楽しくて仕方ない。バイクというよりは、これは「カブ」という乗りものなんだな、という気がする。農家のおばあちゃんが乗ってるのも、郵便屋さんが乗ってるのも、みんな同じ「音」がして、それがなんだか心地いい。
もっと大きいの、もっと速いの、もっとカッコいいの、と思っていたときもあったが、そのすべてから解放され、いまカブに乗っている瞬間がとても幸せだ。
そしてこれから、もっと遠くに出かけたり、林道に分け入ったり、キャンプをしたり、そんなふうに付き合っていけばきっと、ここをあーしたい、あそこをこーしたいという気持ちも湧くだろう。それがまた楽しみだし、みんなが言っている“沼”ってやつなんだろうな、と思う。
うちにはもう一台、1973年式のカワサキRS650(W3)があるのだけど、こういう古いバイクを持っていると、ハンターのように、いつ何時、どんなことがあっても走れる!という圧倒的信頼感のもてる1台があるというのが、とても心強いのである。
ということでハンターカブのおかげで、僕の南房総ライフはますます楽しく、充実しそうだ。今後もご報告していきますので、乞うご期待!