センバが入手したイーブル・クニーブルのスポスタ

 バイクに乗るアメリカの国民的英雄といえば、大ヒット中の映画『トップガン マーヴェリック』で主演を務めるトム・クルーズもそうですが、もう少し昔の、ほらっ!


 えっ、エルヴィス・プレスリーほど昔ではなく、もう少しだけ年代を戻して……。伝説的バイクスタントマンのイーブル・クニーブルですよ!!

 1977年公開の『VIVA KNIEVEL!』は、『トップガン』(1986年)や『監獄ロック』(1957年)ほどではありませんが、世界中で大ヒットした映画。いまでもバイクファンらの間で語り継がれています。


 そんな自伝映画『VIVA KNIEVEL!』で、自ら主演を演じたイーブル・クニーブルが乗ったスポーツスターが、日本に上陸したことを前回報告させていただきました。

 その立役者が、創業1947年/昭和22年の老舗『センバモータース』(大阪府東大阪市)です。価値あるヴィンテージハーレーが所狭しと並びますが、75周年の節目に、イーブル・クニーブルが乗ったスポーツスターもそこに加わったのでした。

ビンテージバイクの博物館

 全国に名高い『センバモータース』に取材へ訪れました。ハーレーダビッドソンは創業1903年と歴史のあるメーカーで、本社を構え続けるアメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーには『ハーレーダビッドソンミュージアム』がありますが、『センバモータース』も負けてはいません。


 ハーレーダビッドソンは1909年にV型2気筒モデルを市販化させていますが、その後も単気筒モデルを継続させています。写真はシングルエンジンを積むファクトリーレーサー『PEASHOOTER/ピーシューター』で、前後28インチホイールの足回りにはブレーキが備わっていません。エキパイも超ショート管になっています。


 1938年式『WLDR』もレーシングバージョンで、4カム・サイドバルブ45キュービックインチ=排気量750ccのVツインエンジンを心臓部とします。


 コチラは1948年式の『WR』。同じサイドバルブながら、最高出力29PSだった『WLDR』に対して、40PSを発揮するなど性能を飛躍的に向上。この頃のAMA(アメリカン・モーターサイクリスト・アソシエーション)のレギュレーションでは、OHVエンジンを搭載する外国車(主に英国車)では排気量の上限を500ccに設定するのに対してサイドバルブは750ccとしていました。

垂涎のナックルも目の当たりに!


 現代に続くOHVエンジンは、1936年に排気量988cc、40PS/4,500rpmというスペックで登場します。『ナックルヘッド』です。ロッカーアームカバーが“握り拳”に見えることから「ナックル」という愛称で呼ばれ、1947年までの約11年間つくられます。上の写真は1942年式『EL』。

 1940年から1200ccモデルの『F』や『FL』もラインナップされました。上の写真は1946年式の『FL』です。

泣く子も黙る“ヨンパチ”


 希少価値の高いヴィンテージハーレーの中でも、1948年式はまた別格。スプリンガーフォーク最終年とパンヘッドエンジンの初採用が重なる、奇跡の1年となったからです! 写真はその1948年式。世界中にファンがいる超貴重モデルと言えます。これを拝めるなんて、感涙モノ!!


 とまぁ、ヴィンテージ・ハーレーダビッドソンの殿堂『センバモーターサイクル』は、見応えたっぷり。オールドハーレーにもし興味があるなら、東京からも足を運ぶ価値ありです。

 今回は前編として、まずはここまで。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。動画も撮影させていただき、なんと岡田学代表の解説も収録することができました。たいへん貴重なものとなりましたので、ぜひご覧ください!

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