昨年からバイクがよく売れているそうだ。コロナのせいもあるかも知れない。「密を避けて移動ができる」「ストレス解消」など、理由はいろいろだろう。中古車も売れに売れ、需要の拡大によって価格相場が上がったとも聞くが、だからといって買うのを我慢するなんて! 相場なんていつ下がるか誰にもわからないのだし(しばらく上がりっぱなしの可能性も)、ましてやそれが「絶版名車」だったら、この先カンタンに入手できるとは限らないのだ。そこで今回は筆者の独断と偏見による「欲しいなあ、この絶版名車」5台をご紹介。まあ早い話が、ただ単に個人的な好みの発表、でもあるんだけども(笑)。

YAMAHA セロー250

セロー250

 2020年でついに生産終了となってしまった、ヤマハを代表、いや日本を代表する「マウンテン・トレール」。1985年に誕生して以降、これだけ長きにわたって支持されてきた理由は、そのフレンドリーさだろう。二輪二足で道なき道にも分け入ることができ、軽さと扱いやすさで市街地での使い勝手もいい。普段使いの街乗りからツーリングまで、オンオフ問わず〈気軽に使える万能性〉が魅力。性別も年齢も関係なく楽しめる、守備範囲の広い名車。写真は2015年モデルの「30th Anniversary Special Edition」。
 ベテランライダー同士でよく語られがちな「ライダー人生、最後に乗るのはカブだよな」ってお話があるけれど、僕はこっち、セローなんじゃないかと思っています。

KAWASAKI W650

W650

 今年発売された、話題のメグロK3。そのベースとなったW800の系譜は、このW650、そして650W1(ダブワン)へとさかのぼることができる。1966年に発売された650W1はさすがに古すぎるからアレだけれど、W650は1999~2008年の発売だから、程度のいい中古車があるはず。実は僕も当時、愛車として毎日のように乗っていた(画像のモデルがそれで、バグスターのタンクカバーとタンクバッグを装着)。普遍的かつ美しい造形、他を威圧しない存在感は、ツーリング先の風景によく馴染む。W伝統のバーチカルツインエンジンの鼓動感も心地よかった。

SUZUKI Vストローム1000XT

Vストローム1000XT

 Vストローム1000XTは、2017年にVストローム1000がモデルチェンジした際に発売された、オフロードテイストを高めた派生モデル。フロント19インチ・リア17インチのタイヤの組み合わせ、上体の起きた乗車姿勢、整風効果の高いスクリーンは長時間走行がラク。荷物の積載性はバツグンで、ロングツーリングやキャンプツーリングに最適。絶版名車と呼ぶにはまだまだ早いかも知れないが、2020 年に後継モデル「Vストローム1050XT」が出たため、中古車価格がこなれたのでは!?  と期待。

HONDA CRF1000L アフリカツイン

CRF1000L アフリカツイン

 BMWのGSシリーズが引き金となった2000年代のBIGアドベンチャー・ブーム。〈アドベンチャー〉を名乗るぐらいだからオフロード性能も高いかといえば、GSは別格として他社製のはそこまで高くなかったような……。でも2016年に発売されたCRF1000Lアフリカツインは違ってた。タイヤさえ変えれば「ガチ」でオフロードを走ることが可能に。ま、僕はノーマルのままで普通にツーリングに使いますけど。新しいモデルなので説明は割愛、ホンダの公式サイトがまだ公開中ですから詳細はそちらで。2020 年型から排気量をアップさせ、「CRF1100L アフリカツイン」となり、メーカー希望小売価格が高くなった。なので、旧モデルの中古ならば相対的に安くて狙い目かな、と。CRF1000Lアフリカツインは2020年12月と2021年7月にリコールが出ているので、中古を買う際には対策済みかどうかをチェック!

HONDA XR100 モタード

XR100 モタード

 ここまで紹介した4台のバイクは、どれもツーリング向きのものばかり。しかも250ccトレール以外は2気筒エンジン。個人の好みが如実に表れるもんですな。なので最後は毛色を変えて、街乗り用の原付二種を。
 僕の「今欲しい絶版原付二種」は、XR100モタード。今欲しい、というよりも、正しくは「また欲しい」でして、二年前までは手元に置いていたのです。手放さずにいれば良かった、ああ、後悔先に立たず。
 発売は2005~2008年。エイプをベースとしつつも、ブレーキはディスク化され、スイングアームは40ミリ延長、そのおかげでミニながらも〈走り〉も楽しめる原2でした。中古を20万ちょいで購入して、10年ほど所有し、下取りで出したときは10万の値がついたっけ。ということは1年で1万円しか価値が下がっていない計算に! 原Ⅱクラスって値崩れしにくく(車種や、ヤレ具合にも寄りますが)、リセールバリューが高いんですよね。維持費も安いので、あなたも興味があれば、ぜひ。

 ということで、以上が僕の「今欲しい絶版名車」5台です。中古車価格の相場を気にして、仮に買うのを3年も躊躇してしまっては、その3年分は乗る時間が失われるわけで、だとすれば人生もったいない。惜しむべきは、〈おカネ〉より〈時間〉かも? やっぱり買い直そうかな、XR100モタード。ではまた!

 

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