バイク売れています!
バイクブームと世間では言われていますが、根拠になる数字も日本自動車工業会二輪車委員会(自工会)によって発表されました。
2021年の年間販売台数は41万5892台で、6年連続の前年比増。6年ぶりの40万台の大台突破となり、新規免許取得者も2018年以降増加し続けています。
教習所の予約も取りづらいと耳にしますが、嬉しいことに10代、20代の若年層、そして女性の伸び率が大きいというではありませんか。ブームに終わらせることなく、バイクの人気が将来もずっと長く続くよう願ってやみません。
外国車はどうか!?
そんななか、外国車はどうなのでしょうか。ハーレーダビッドソンジャパンが速報を出し、好調であることを発表しました。
2022年11月末日までの年間累計登録台数の速報値で、前年同月時点比で約35%アップとなる新規登録台数が記録され、22年通年での新規登録台数が輸入二輪車ブランドとしては唯一、5年ぶりに1万台を超える見通しであることがわかりました。
ハーレー好調の要因のひとつに新型
同社によれば、21年に登場したハーレー初のアドベンチャーモデル「パンアメリカ1250/スペシャル」を皮切りに、「スポーツスター S」「ナイトスター」と、水冷Vツインエンジンを搭載するニューモデルたちが次々とヒットしたことが、大きな要因のひとつにあるといいます。
これらのモデルは「ハーレーの新型!」と目を引くものばかり。一目瞭然に新しさを感じるのは、やはりエンジンでしょう。
空冷45度VツインOHVという伝統を継承した“Milwaukee-Eight”(ミルウォーキーエイト)エンジンを搭載するモデルが、ラインナップに欠かせないモデルたちとして中核にどっしりと存在する一方で、新型は水冷60度VツインDOHC4バルブの“Revolution Max”(レボリューションマックス)を心臓部とします。
20年前にまいた種
ルーツは2002年にデビューした「Vロッド」にあり、エンジンはやはり水冷60度VツインDOHC4バルブ。ダウンドラフト吸気などが受け継がれ、「パンアメリカ1250/スペシャル」や「スポーツスター S」では105×72.3mmのボア・ストロークもほぼ変わりません。
登場当初の「Vロッド」はボア100×ストローク72mmで、排気量を1131ccとしていましたが、2008年式でボアを5mm拡大し、1246ccにスケールアップ。このとき、スリッパークラッチとABSブレーキも獲得しています。
このパワーユニットは“Revolution”(レボリューション)エンジンとネーミングされ、現行の水冷エンジンが“レボリューションマックス”と呼ばれていることからもわかる通り、直系の先祖であることは間違いありません。
オールニューの水冷60度Vツイン
ただし、レボリューションマックスは完全なる新作で、ボアを0.3mm広くして排気量が1252ccとなっただけでなく、現代的なコンパクトな3軸配置で鍛造アルミピストンやデュアルスパーク、可変バルブタイミング(VVT)機構も新たに採用されています。
そして「Vロッド」では、水圧を利用してスチールパイプを曲げる「ハイドロフォーミング」という技法が用いられたフレームにレボリューションエンジンを積んでいましたが、レボリューションマックスはパワーユニット自体がシャシーの剛性メンバーとなり、3分割フレームの一部に組み込まれているのも大きなポイントと言えるでしょう。
「パンアメリカ1250/スペシャル」では最高出力150PS/8750rpmを発揮。電子制御によるライダーモードも搭載し、一気に近代化しているのです。
マニアックすぎる純レーサー
ちなみに知る人ぞ知るのが、2004年式に発売された市販ドラッグレーサー「VRXSEスクリーミンイーグル デストロイヤー」です。日本でも360万円で販売されました。
鍛造高圧縮ピストンと高強度シリンダースリーブ、ハイリフトカム、エアーシフトレーシングミッション、セラミックコート2in1エキゾーストパイプなどを採用し、ボア105×75mmで排気量は1300ccを誇ります。
直線だけでスピードを競うドラッグレーサーですからリアはリジッドで、フロントと同じ18インチのスリックタイヤを鍛造削り出しホイールに履きます。
マニアの多いハーレーですが、さすがにこれを所有するオーナーは日本中を探しても数えるだけしかいません。
今回も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。