CRF250Lでオフビレへ

レッドバロン葛飾で購入したホンダCRF250L。今回は全日本モトクロスを観戦しに、オフロードビレッジ(埼玉県川越市)へ行きました。

▲レッドバロン葛飾で購入したホンダCRF250L。今回は全日本モトクロスを観戦しに、オフロードビレッジ(埼玉県川越市)へ行きました。

 こんにちは、青木タカオです。レッドバロンで購入したホンダ『CRF250L』でいろいろなところへ行っているボク。先日は「全日本モトクロス選手権シリーズ2023 第8戦」を観戦しに、オフロードビレッジ(埼玉県川越市)へ参りました。

Team HRC(ホンダ・レーシング)の電動モトクロッサー『CRエレクトリック・プロト』が、全日本モトクロス選手権2023第8戦埼玉トヨペットCUPにエントリー。最高峰クラス『IA-1』に挑みました。

▲Team HRC(ホンダ・レーシング)の電動モトクロッサー『CRエレクトリック・プロト』が、全日本モトクロス選手権2023第8戦埼玉トヨペットCUPにエントリー。最高峰クラス『IA-1』に挑みました。

 注目は『Team HRC(ホンダ・レーシング)』の電動モトクロッサー『CRエレクトリック・プロト』です。なんと国際A級ライダーが4スト450ccマシンで競う国内最高峰クラス『IA-1』に参戦します。

10月28日に一般公開が始まり、11月5日に閉幕する「ジャパンモビリティショー2023」(東京ビッグサイト)でも展示されている『CRエレクトリック・プロト』。

▲10月28日に一般公開が始まり、11月5日に閉幕する「ジャパンモビリティショー2023」(東京ビッグサイト)でも展示されている『CRエレクトリック・プロト』。

『CRエレクトリック・プロト』は、2019年4月に全日本モトクロス選手権第1戦がおこなわれたHSR九州にてデモ走行を披露。2022年12月に東京・青山のホンダ本社で開いた『2023年 Honda モータースポーツ活動計画発表会』(報道関係者向け)で、2023年のメジャーレース参戦を示唆していました。

2019年4月、全日本モトクロス開幕戦HSR九州大会で走行シーンを披露したホンダの電動モトクロッサー「CRエレクトリック プロトタイプ」。画像提供:ホンダモーターサイクルジャパン

▲2019年4月、全日本モトクロス開幕戦HSR九州大会で走行シーンを披露したホンダの電動モトクロッサー「CRエレクトリック プロトタイプ」。画像提供:ホンダモーターサイクルジャパン

 HSR九州(2019年4月)のデモランでは、2018年式の『CRF250R』をベースにしつつ、M-TEC(無限)と共同開発した電動パワーユニットを搭載していました。これはマン島TTに参戦した無限のEVロードレーサー『神電』のテクノロジーも投入され、元HRCライダーの増田一将さんが乗りました。

2022年12月、ホンダ青山本社での報道向け「モータースポーツ活動計画発表会」にて展示された「CRエレクトリック プロト」。

▲2022年12月、ホンダ青山本社での報道向け「モータースポーツ活動計画発表会」にて展示された「CRエレクトリック プロト」。

 モータースポーツ活動計画発表会(2022年12月)に展示された車両では、市販車ベースのカラーリングに様変わりし、パワーユニットのカバーにあった『無限』の文字は見当たりませんでした。いよいよ『Team HRC(ホンダ・レーシング)』としてのレース活動がおこなわれていく。そんな期待が寄せられるのでした。

ついに電動モトクロッサーがレースデビュー

 そして今年4月に開幕した「全日本モトクロス選手権シリーズ2023』。全9戦が組まれており、2019年の初披露(デモラン)がそうだったように、本田技研工業熊本製作所内にあるHSR九州でのレースデビューを果たすのなら、会場をHSR九州とする第1戦=4月9日決勝、あるいは第7戦=10月8日決勝が最適です。

「モータースポーツ活動計画発表会」(2022年12月)で披露された「CRエレクトリック プロト」。

▲「モータースポーツ活動計画発表会」(2022年12月)で披露された「CRエレクトリック プロト」。

 しかしどちらにも姿は現さず、10月29日決勝の第8戦埼玉トヨペットCUPでの参戦となったのでした。都心から1時間半ほどのオフロードビレッジ、首都圏でおこなわれるとあって、ボクたちメディア関係者も集まりやすい。ド派手にデビューを飾ろうというわけで、実際にレース速報は国内のみならず、海外サイトでも扱われることになりました。

 EVクラスがつくられるのを待たずして、熟成されたガソリンエンジン搭載マシンたちと混走でガチンコレース。しかも、全日本選手権の頂点となる最高峰クラスへのエントリーがどれほどスゴイことか。ヨイショするわけではありませんが、これはもう創業者・本田宗一郎から受け継がれたホンダスピリットを感じずにはいられません!!

 と同時に、電動マシンでのエントリーを承諾したMFJ(一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会)の姿勢も将来を見据えたもので、まだEVマシンが1台しかない現状を考えれば称賛に値するものではないかと思います。

 今後、さらに電動マシンが増えてくれば、クラス分けを含め再検討などしていけば良いわけで、まずは世界に先駆けて電動モトクロッサーが正式な国内最高峰レースで走行したことは、大きな歴史的第一歩であったのではないでしょうか。

すごいぞ、いきなりの2位!

 ライダーはトレイ・カナード選手(1990年9月17日生まれ・米国オクラホマ州出身)。2008年のAMAスーパークロス250SXイーストチャンピオン、2010年AMAモトクロス250クラス王者という輝かしい実績を持つライダーで、現在『アメリカン・ホンダモーター』でチームアドバイザーを務めます。そんな輝かしい実績を持つ凄腕ライダーをアメリカから呼ぶあたりからも、ホンダの本気度が伝わってきます。

高い戦闘力を見せつけたホンダの『CR ELECTRIC PROTO』。画像提供:ホンダモーターサイクルジャパン

▲高い戦闘力を見せつけたホンダの『CR ELECTRIC PROTO』。画像提供:ホンダモーターサイクルジャパン

 トレイ・カナード選手が乗るゼッケン41をつけた『CRエレクトリック・プロト』は、土曜日の公式予選で5位のタイム。日曜日午前中のプラクティスセッション(練習走行)からハイペースをキープすると、高い戦闘力を証明する2番手タイムを記録したから驚きます。

 第8戦の決勝レースは3ヒート制でおこなわれ、15分+1周のレースが3回おこなわれます。1回ずつのレース時間が短いことも、電動マシンを最初に走らせる場所として相応しいと、ホンダは考えたのかもしれません。

 たとえば、シーズン最終戦MFJグランプリ・スポーツランドSUGO(宮城)では、25分+1周の2ヒート制であるなど、レース時間が各大会によって微妙に異なるのです。

全日本モトクロス選手権第8戦の決勝が10月29日オフロードヴィレッジで行われ、Team HRC(ホンダ・レーシング)は電動モトクロッサー『CR ELECTRIC PROTO』がトップレベルのペースで戦えることを証明してみせました。画像提供:ホンダモーターサイクルジャパン

▲全日本モトクロス選手権第8戦の決勝が10月29日オフロードヴィレッジで行われ、Team HRC(ホンダ・レーシング)は電動モトクロッサー『CR ELECTRIC PROTO』がトップレベルのペースで戦えることを証明してみせました。画像提供:ホンダモーターサイクルジャパン

 ボクたち観戦者(モトクロス大好き病感染者)たちは、ヒート1でいきなり度肝を抜かされます。ヤマハのファクトリーマシン『YZ450FM』を駆るジェイ・ウィルソン選手に続く、いきなりの2位に食い込みました。

 今シーズン、ジェイ・ウィルソン選手はここまで全レース優勝という圧倒的な強さを見せていますから、2位のポジションは上出来というか、スゴすぎる好成績。「ヒート2ではもしや……!?」という声まで、周囲から聞こえてきます。

全戦全勝の絶対王者を倒すかも!?

モトクロスの国内最高峰クラスで、レースデビューから表彰台に立ったホンダの『CR ELECTRIC PROTO』と元AMAチャンピオンであるトレイ・カナード選手(写真左)。画像提供:ホンダモーターサイクルジャパン

▲モトクロスの国内最高峰クラスで、レースデビューから表彰台に立ったホンダの『CR ELECTRIC PROTO』と元AMAチャンピオンであるトレイ・カナード選手(写真左)。画像提供:ホンダモーターサイクルジャパン

 これはものすごいものを目にしてしまった! と同時に、もっとスゴイ瞬間が見れるかもしれない!? と、オフロードビレッジにいたボクらはワクワク&ドキドキするのでした。

 さてさて、一体どうなるのでしょうか。続きを「早く言えよ」って感じですが、数年前に惜しまれながらも休刊してしまったモトクロス専門誌『DIRTCOOL(ダートクール)』(榎本塾塾生の青木タカオを覚えていますでしょうか?)で記事を書き、オフロード専門誌『GARRRR(ガルル)』で連載コーナーを持っていたボクとしては、土系の話題になるとハナシがなんせ長いのです。


 というわけで、今回も長文にお付き合いさせてしまったので、今回はココまで。次回は他のクラスの結果なども含め、電動モトクロッサー『CRエレクトリック・プロト』のヒート2およびヒート3の結果をお伝えいたします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

動画はコチラ

 洗車を済ませたら、すぐにピット内へ。『CRエレクトリック・プロト』が、他メーカーに先駆け鋭意開発中の重要機密事項(!?)であることがレーススタッフの動きからもわかるのでした。

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