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ついに発表会!

『R18B』そして『R18トランスコンチネンタル』の発表/試乗会に参加しに、ドイツ・フランクフルトにやってきたボク。その模様を全5回に渡ってレポートしております。
 ココまでのハナシをザッとすると、ワクチン接種証明書を用意し、PCR検査も済ませ、出発に向けて万全を期しましたが、出発直前に日本が“ハイリスク地域”に突如指定されてしまいます。
 ドイツ入国後に隔離措置が取られることから、発表/試乗会への参加はできなくなってしまうかもしれません。これは渡航断念かと肩を落としますが、わずか数時間の差で、ドイツ入国はOKに。不安をよそに、順調にBMW Motorradの報道発表会会場へたどり着いたのでした。

 さて、ようやく発表会に参加できます。

 
 こんどは発表/試乗会に参加するための抗体検査を受けます。
 すでに欧州では、これがスタンダードなのでしょう。ホテルのロビーに面するひとつの部屋が検査場になっていて、「COVID TEST」と書かれた立派なボードがたっています。
 今後もこういうふうに人が集まる公の場所では、その場で検査がおこなわれていくのでしょう。案内板が張り紙で急遽つくられたものではなく、立派なボードであることがそれを証明しています。

 結果は15分ほどで出るとのこと。
 検査ばかり受けているので不安はないはずですが、正直なところドキドキします。
 ここで万一、陽性でしたらすべて水の泡ですからね。
 
 異国の地でひとり隔離?
 期間は何日?
 帰国の方法は…?
 もしも重篤化したら……?
 
 またしてもアレコレ不安になりますが、すぐに陰性と結果が出て安心。晴れて受付が済み、ボクはBMW Motorradの発表試乗会にエントリーできたのです!

 さぁ、いよいよ発表会がスタートです!

狙うはナンバーワン!

 BMW Motorrad 代表マルクス・シュラム上級副社長が登壇。「プレミアムモーターサイクル市場で、世界ナンバーワンを目指す」と、世界各国から集まった報道陣の前で高らかに宣言しました。プレミアムモーターサイクルとは、クルーザーセグメントのことですね。BMWはR18シリーズでトップシェアを狙うのです。

 クルーザーセグメントは少し特殊です。
 車体は低く長く、サーキットを走るレーシングマシンの技術を踏襲しつつ生まれてくるスポーツバイクと比べれば設計思想そのものから異なります。

 そんななか確固たる地位を確立しているのが、アメリカンブランドであるハーレーダビッドソンです。ユーザーはパワーや軽さなどスペックではなく、フィーリングを大切にし、走るだけで心地良いと感じるエンジンの味わい深さや鼓動感、そして美しい車体であるかどうかなど、スポーツバイクとは異なる独特の評価軸を持ちます。

 どうすれば、クルーザーファンに受け入れられるかBMWは研究を重ねてきました。      

 そして新開発したのが、1923年にモーターサイクルの生産を開始して以来、史上最大となる1.8リッターのボクサーツインエンジンです。プッシュロッドを持つOHV方式で、空油冷というトラディショナルすぎるパワーユニットを誕生させたのには、いかに本気であるか同社の意気込みを感じます。  
 さらにロー&ロングな車体の骨格となる剛性の高いフレームもR18シリーズのために開発しました。
 ネックからリアアクスルに向かって一直線に伸びるバックボーンが、なんとも美しい。リヤショックのないリジッドフレームのシルエットを参考にしているのが、スケッチからも読み取れるではありませんか。 1936年の『R5』がモチーフにされています。

強力カルテットで挑む!

 クルーザーバイク用に開発したエンジンとシャシーで、まず昨年『R18(アール・エイティーン)』を発売。今春にはバリエーションモデル『R18CLASSIC(アール・エイティーン・クラシック)』も追加されました。

 
 今回発表の『R18B』と『R18トランスコンチネンタル』は「R18シリーズ」への第2弾となるのです。これでラインナップは4機種。新セグメントへ攻め込むのに、強力な布陣が整ったというわけです。

シリーズの旗艦がついに登場!

 今回は『R18B』に試乗。大陸横断を前提に開発されたグランドツアラー『R18トランスコンチネンタル』に乗ることはできませんでした。

 大型フェアリングやトールスクリーン、エアフラップ、フォグライト、レッグシールド、エンジンガード、フットボード、サイドパニアケース、トップケースを標準装備。R18シリーズのフラッグシップに相応しい堂々たる姿です。
 
 興味深いのは、このライディングポジション。ハーレーなどのクルーザーではフォワードコントロールやハイウェイペグなるものがあり、写真のように両足を投げ出した姿勢で走れるようカスタムが施されています。真っ直ぐにどこまでいつまでも続く広大なアメリカ大陸の道を走るために考えられたスタイルですね。

 水平対向2気筒エンジンはシリンダーが左右に大きく張り出していますから、フットボードやステップを前方に取り付けることはできません。そこでこの純正オプションパーツです。
 なんと、エンジンガードからステーが伸び、シリンダーの上に足を載せられるようになっているでありませんかっ!

 プロモーションビデオでもこれに足を載せて走る姿があり、ボクはひとり興奮しました。だってそうでしょう? ワイルドすぎて大好きです。

 というのも、ボクも『R80』を10年近く所有していたことがあり、あまり大きな声では言えませんが、巡航時によくシリンダーの上に足を載せていました。
 
ボクにとっては、まさにあの

禁断の姿勢

なのです!

「そんなことしちゃイケマセン! はしたない」
と、怒られていたことが認められたような気分で、ひとりニンマリ。

 こうしてボクは発表会が終わって、誰もいなくなった会場で『R18トランスコンチネンタル』を眺めていたのでした。

 あっ、そうそう。ライポジや足つき性は動画に収めておきましたので、もしご興味がございましたらご覧ください。発表会の様子もフルバージョンで見ることができます。

 では、今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 次回はいよいよ『R18B』に試乗します。お楽しみに!

続く。

ライポジ&足つきは動画で!

BMW R18B 海外【ドイツ】試乗記  Vol.01 なにがなんでも新型クルーザーに乗りたい

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