食後の食器洗いにいつも使う食器洗い洗剤。とても使いやすいので、車やバイクの洗車もこれでいいじゃん?なんて思ったことがある人は多いはず。でも効果が弱そう?イヤイヤ、ひょっとしたら強すぎるなんてこともあるかもよ?・・・じつは筆者は長年「使っちゃえ派」なので、ここでひとつちゃんと考えてみたいと思います!

●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ

食器洗い洗剤で洗車をしてもいいの?

食器洗い洗剤、多くの方が使っていると思います。いい香りがするし、汚れ落ちも強力。泡切れも良くてとても使いやすいので「そのまま車やバイクを洗ったらいいんじゃないか?」と思ったことがある人は少なくないのではないでしょうか?

いやいや、用途違うし。やっぱダメでしょう」いや、ごもっとも。その通りです。

食器は洗えても、車やバイクを洗うには弱すぎるんじゃない?」それもごもっともな疑問です。

いきなり結論になってしまいますが、じつは筆者は長年、この「食器洗い洗剤」でバイクも車も洗っています。一見優しそうで弱そうに思える食器洗い洗剤ですが、そのじつはかなり強力な洗浄力がありまして、表面の汚れや油汚れを落とすのは当たり前、塗装前の脱脂作業の代用にも使えてしまうほどなのです。

あくまでも個人的な感想ではありますが、じつはめちゃくちゃ強いんですよ、食器洗い洗剤。むしろ強すぎると感じることが多々あります。いや、ホントに。

食器洗い洗剤とカーシャンプー、具体的に何が違うの?

でもこうして記事に書くので、せっかくだから成分についてちょっと調べてみました。

食器洗い洗剤の成分

まずは食器洗い洗剤から調べてみました。成分表から抜き出してみるとざっとこんな感じ

●界面活性剤
(アルキルヒドロキシスルホベタイン)
(アルキルアミンオキシド)
(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
(アルキルグリコシド)
酵素
●安定剤
●除菌剤
●金属封鎖材
●溶剤

界面活性剤を筆頭として、何やら舌を噛みそうな名前の成分がいっぱい並んでます。あとは酵素や安定化剤、除菌剤あたりは食器洗い洗剤らしい成分ですが「溶剤」にはちょっとビビりました。そして、成分それぞれの効能を別途調べてみると以下のようになりました(※個人的なインターネット調べです)。

界面活性剤:油汚れや汚れを水に溶かしやすくするために使用される化学物質。水と油の間の表面張力を低下させ、汚れを浮かせて除去しやすくします。

アルキルヒドロキシスルホベタイン:陽イオンと陰イオンの特性を持つ両性界面活性剤で、洗浄力と泡立ちが良いのが特徴です。肌にも比較的優しいため、ボディーソープやシャンプーにも使用されます。

アルキルアミンオキシド:泡の安定性を高める非イオン界面活性剤。洗浄剤に添加されることで、洗浄力を高めるとともに、泡立ちを良くします。

アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム:強力な洗浄力を持つ陰イオン界面活性剤で、洗濯洗剤や食器用洗剤によく使用されます。

ポリオキシエチレンアルキルエーテル:非イオン界面活性剤の一種で、洗浄力を向上させるとともに、水の硬度による影響を受けにくいのが特徴です。

アルキルグリコシド:環境に優しい非イオン界面活性剤。肌に優しく、自然分解されやすいため、エコ製品に使用されることが多いです。

酵素:洗剤に添加され、タンパク質や脂質など特定の汚れを分解し、洗浄力を高めます。

安定化剤:製品の品質や性能を保持するために使用され、成分が分離したり劣化したりするのを防ぎます。

除菌剤:菌の成長を抑制または殺菌することで、製品の衛生を保つために使用されます。

金属封鎖材:水に含まれる金属イオンを封じ込めることで、洗剤の効果を低下させることなく洗浄力を保持します。

溶剤:他の成分が均一に混ざるようにするために使用される化学物質。製品の一貫性と性能を向上させます。

初めて知ったのですが、カタカナの成分は要は界面活性剤の一種。つまりは洗剤ごとに得意とする汚れがあって、それに対応した高度な界面活性剤を配合している、といったところでしょうか。

肌に優しかったり、泡立ち優先だったり、洗浄力に特化していたり自然分解しやすかったり・・・。なるほど、これはとても興味深い情報です。

考えてみれば当たり前なのですが、食器洗いといえども、ご飯粒がついただけのものから、ソースや醤油やケチャップや、植物性油、動物性油・・・

しまいには焦げ付いたものや焼けた油まで落とさなければならないのですから、車やバイクの洗車と比べるまでもなく洗う対象が根本的に酷い汚れなので、強力な洗浄力を持っていて当たり前ですよね。つまり、食器洗い洗剤だから弱いなんてことはありえないということです。

では、改めて疑問ですが、なぜ車やバイクにはカーシャンプーという専用品があるか?についてですね。カーシャンプーの成分を調べてみると・・・

カーシャンプーの成分

●界面活性剤
●両性界面活性剤
●陰イオン系界面活性剤
●防錆剤
●香料
●洗浄助剤
●シリコーンレジン

なんか・・・食器洗い洗剤を見たあとだとすごくシンプル。目立つのは防錆剤やシリコーンレジンが入っていることぐらいでしょうか。

比べてわかった! 食器洗い洗剤とカーシャンプーの成分の違い

まず、食器洗い洗剤とカーシャンプー、共通しているのは界面活性剤です。これは間違いない。

それ以外の成分を比べてみて分かったことは、それぞれの得手不得手こそありますが、食器洗い洗剤はとにかく汚れ落とし能力に特化しています。どんな汚れでも落としてやろうという気合すら感じます。

それに対してカーシャンプーは汚れ落としの強力さとは別に、ワックスやコーティングを「落とさない」配慮を感じます。

汚れを「根こそぎ落とす」食器洗い洗剤、汚れを「ほどよく洗い流す」カーシャンプー・・・と、いったところでしょうか。

結論:カーシャンプーを選ぶべき場合もある!

※ここからの結論はあくまで個人的な意見になるのでご了承ください。

車のボディーや、バイクのタンク・シート・カウルは、水垢汚れがせいぜいだけど・・・

車の洗車に関しては「食器洗い洗剤でも十分洗車は可能だが、車の塗装を大事にしたい、ワックス効果を期待したいという方は、カーシャンプーを選ぶべき」というものです。逆に、ワックスごと落としたいときや、とにかくバキッ!と汚れを落としたい時などには食器洗い洗剤が良いということですね。

つまり、車の日常的な洗車ではカーシャンプーを使うようにしたほうがよさそうな印象です。

バイクは食器以上に汚れていることもザラ

だけど、バイクを洗う時には、ボディーよりもエンジンやブレーキ、足まわり、ホイールなどの油分を多分に含む汚れが多いので、筆者はこれからも食器洗い洗剤を使っていこうかなと思いました。

結論として・・・コストパフォーマンス、洗浄力、保護能力、求める仕上がりなどの「付加価値」を考えたうえで、ユーザーが求める結果によって選択肢は変わってくるということでひとつ。

この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!

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