見た目だけではない超実力派!
『YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー)2024』で注目を集めたカスタムバイク。その名は「SAMURAI (サムライ)」です。
コンパクト・パフォーマンス・チョッパーをコンセプトに「SURESHOT(シュアショット)」の相川拓也氏が製作しました。独創的なスタイル、斬新すぎる見た目から、脚光を浴びるためだけのショーバイクだと認識してはいけません。
なんと、サムライ。ドラッグレース選手権JD-STAR第5戦(2024年11月4日/茨城県JARI城里テストセンター)のオープントーナメント・クラスに出場し、組み上げたばかりの車体とエンジンで十分にセッティングを煮詰めることができないままにも関わらず、ベストタイム12秒804を記録したのですから、その実力たるやおそるべし!
こんにちは青木タカオです。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024(12月1日/パシフィコ横浜=入場者数2万4000人)のレポート第3弾は、5年前にはBest of Show Motorcycle(ベスト・オブ・ショー・モーターサイクル)も獲得した実力の持ち主。シュアショットのマシンをまずはご紹介いたしましょう!!
パラツインは865ccに拡大!
ロイヤルエンフィールドの「SHOTGUN 650(ショットガン・ロクゴーマル)」をベースに、メインフレームは相川氏によるハンドメイド。リアのループフレームは、パイプ径や幅、弧を描くアールの角度など、仕上げが非常に繊細です。
フロントフォークやトリプルツリーなどはショットガン650のスタンダードを加工。前後ホイールやスイングアームはアルミ削り出しでワンオフ製作され、フロント21/リア16インチの足まわりとしています。
フロントはホイール中央のハブ内にディスクブレーキを内蔵したインボードディスク構造としているのも見逃せません。
シート下にリンク式モノショックを配置し、リヤにはドラッグレース用のスリックタイヤを履きます。
心臓部は排気量648ccの空油冷4ストローク並列2気筒SOHCエンジンをベースに、S&S製ビッグボアキットを用いて865ccにスケールアップ。DYNOJET製のパワーコンマンダーをセットし、フューエルインジェクションのセッティングおよび点火系チューニングもシャーシダイナモによって施されています。
レーシングバイクの製作もサポートする相川氏の高い技術力と豊富なノウハウによって、パワーアップとともに耐久性や快適性の向上を実現しています。
ハンドメイドによるオールアルミボディ
ギリシャ神話に登場する再生のシンボル「PHOENIX(フェニックス)」をカスタムバイクに名付けたのは、インドネシアのAMS GARAGEです。
ハンドメイドによって仕上げられたアルミ製のフューエルタンクとリアカウルが美しくつながり、そのラインがフェニックスのようであることから命名されました。
ベース車両は「SUPER METEOR 650(スーパーメテオ・ロクゴーマル)」。リジッドフレームが美しいシルエットを魅せ、フロントエンドにセットしたガーターフォークにはエアサスペンションが組み込まれています。
細部に至るまでハンドメイドによる装飾が施されていて、目が離せません!
まるで80'S耐久マシン!
チョッパーなどが主流のカスタムショーの中で、また異なるジャンルを提唱しつつ、バイクファンらから熱視線を浴びていたのが、コチラ!
ICON MOTORSPORTS(アイコン・モータースポーツ)はアメリカ生まれのヘルメットおよびモーターサイクルギアのブランドです。ストリートをテーマにカッティングエッジなデザインのアイテムを数多く発表しつつ、同時に高い安全性も確保し人気を博しています。
その世界観をさらに拡大するためのカスタムバイクが、ショットガン650をベースにした「Always Something」です。アイコン・モータースポーツとロイヤルエンフィールド、両ブランドのユニークな美学が融合した最新作を見て、1980年代の耐久レーサーを想起せずにはいられません。
角目のヘッドライトをビルトインしたハーフカウルにロングタイプのフューエルタンク、シングルシート。白、赤、ブルーの明るいカラーリングや、前後16インチという時代感もたまらなく好きです!
卓越した職人技で完成へ至ったサイドカー
前回のヨコハマホットロッド・カスタムショー2023で世界初公開したカスタムサイドカーが、再び脚光を浴びていました。チェリーズカンパニー黒須嘉一郎氏によって製作された「CHALLENGER」です。SUPER METEOR 650をベース車両としています。
エンジンとフレームの一部を残し、前後サスペンションシステム(スチール鋼管を使って製作したアールズフォークを採用)やホイール、外装、サイドカーのフレームやサイドカーボディは、すべてハンドメイドとしています。
フロント21/リヤ18インチのホイールは、前後とも60本のスポークを採用。美しいボディラインが伸び上がるシルエットを足もとから演出しています。
2024年の春に海を渡って、イギリス、フランス、ドイツなどのカスタムバイクイベントにて展示されたほか、イギリス南部ウェスト・サセックス州グッドウッドで開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(ヒルクライムイベント)」にも参加しました。
サイドカーを取り外してもバイク単体で走行できるよう、アクスルシャフト部分をエキセントリック式にしているのも見逃せません。
というわけで、今回はヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024でファンらを魅了したロイヤルエンフィールドのカスタム車両をご紹介いたしました。みなさんは、どれに惹かれますでしょうか? 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!