見た目だけではない超実力派!

『YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー)2024』で注目を集めたカスタムバイク。その名は「SAMURAI (サムライ)」です。

SURESHOT 相川拓也氏が製作したSAMURAI (サムライ)。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

▲SURESHOT 相川拓也氏が製作したSAMURAI (サムライ)。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

 コンパクト・パフォーマンス・チョッパーをコンセプトに「SURESHOT(シュアショット)」の相川拓也氏が製作しました。独創的なスタイル、斬新すぎる見た目から、脚光を浴びるためだけのショーバイクだと認識してはいけません。

ドラッグレースで実力を証明したSAMURAI (サムライ)。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

▲ドラッグレースで実力を証明したSAMURAI (サムライ)。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

 なんと、サムライ。ドラッグレース選手権JD-STAR第5戦(2024年11月4日/茨城県JARI城里テストセンター)のオープントーナメント・クラスに出場し、組み上げたばかりの車体とエンジンで十分にセッティングを煮詰めることができないままにも関わらず、ベストタイム12秒804を記録したのですから、その実力たるやおそるべし!

 こんにちは青木タカオです。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024(12月1日/パシフィコ横浜=入場者数2万4000人)のレポート第3弾は、5年前にはBest of Show Motorcycle(ベスト・オブ・ショー・モーターサイクル)も獲得した実力の持ち主。シュアショットのマシンをまずはご紹介いたしましょう!!

パラツインは865ccに拡大!

 ロイヤルエンフィールドの「SHOTGUN 650(ショットガン・ロクゴーマル)」をベースに、メインフレームは相川氏によるハンドメイド。リアのループフレームは、パイプ径や幅、弧を描くアールの角度など、仕上げが非常に繊細です。

ドラッグレーサーとしての実力も高い「SAMURAI (サムライ)」。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

▲ドラッグレーサーとしての実力も高い「SAMURAI (サムライ)」。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

 フロントフォークやトリプルツリーなどはショットガン650のスタンダードを加工。前後ホイールやスイングアームはアルミ削り出しでワンオフ製作され、フロント21/リア16インチの足まわりとしています。

 フロントはホイール中央のハブ内にディスクブレーキを内蔵したインボードディスク構造としているのも見逃せません。

 シート下にリンク式モノショックを配置し、リヤにはドラッグレース用のスリックタイヤを履きます。

 心臓部は排気量648ccの空油冷4ストローク並列2気筒SOHCエンジンをベースに、S&S製ビッグボアキットを用いて865ccにスケールアップ。DYNOJET製のパワーコンマンダーをセットし、フューエルインジェクションのセッティングおよび点火系チューニングもシャーシダイナモによって施されています。

空油冷4スト並列2気筒エンジンを865ccにしたSAMURAI (サムライ)。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

▲空油冷4スト並列2気筒エンジンを865ccにしたSAMURAI (サムライ)。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

 レーシングバイクの製作もサポートする相川氏の高い技術力と豊富なノウハウによって、パワーアップとともに耐久性や快適性の向上を実現しています。

ハンドメイドによるオールアルミボディ

オールアルミの美しい外装が異彩を放つ「PHOENIX(フェニックス)」は、インドネシアのAMS GARAGE (エーエムエス ガレージ)が手がけた。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

▲オールアルミの美しい外装が異彩を放つ「PHOENIX(フェニックス)」は、インドネシアのAMS GARAGE (エーエムエス ガレージ)が手がけた。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

 ギリシャ神話に登場する再生のシンボル「PHOENIX(フェニックス)」をカスタムバイクに名付けたのは、インドネシアのAMS GARAGEです。

AMS GARAGE (エーエムエス ガレージ/インドネシア)の「PHOENIX(フェニックス)」。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

▲AMS GARAGE (エーエムエス ガレージ/インドネシア)の「PHOENIX(フェニックス)」。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

 ハンドメイドによって仕上げられたアルミ製のフューエルタンクとリアカウルが美しくつながり、そのラインがフェニックスのようであることから命名されました。

リジッドフレームをはじめ、エアサスをセットしたガーターフォークなど、芸術の域に達するボディワークに舌を巻く。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

▲リジッドフレームをはじめ、エアサスをセットしたガーターフォークなど、芸術の域に達するボディワークに舌を巻く。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

 ベース車両は「SUPER METEOR 650(スーパーメテオ・ロクゴーマル)」。リジッドフレームが美しいシルエットを魅せ、フロントエンドにセットしたガーターフォークにはエアサスペンションが組み込まれています。

パラレルツインエンジンも美しいインドネシア/AMS GARAGEの「PHOENIX(フェニックス)。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

▲パラレルツインエンジンも美しいインドネシア/AMS GARAGEの「PHOENIX(フェニックス)。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

 細部に至るまでハンドメイドによる装飾が施されていて、目が離せません!

SUPER METEOR 650をベースにインドネシアのAMS GARAGEがビルドアップ。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

▲SUPER METEOR 650をベースにインドネシアのAMS GARAGEがビルドアップ。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

まるで80'S耐久マシン!

ICON MOTORSPORTS from USA×ROYAL ENFIELD。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

▲ICON MOTORSPORTS from USA×ROYAL ENFIELD。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

 チョッパーなどが主流のカスタムショーの中で、また異なるジャンルを提唱しつつ、バイクファンらから熱視線を浴びていたのが、コチラ!

 ICON MOTORSPORTS(アイコン・モータースポーツ)はアメリカ生まれのヘルメットおよびモーターサイクルギアのブランドです。ストリートをテーマにカッティングエッジなデザインのアイテムを数多く発表しつつ、同時に高い安全性も確保し人気を博しています。

 その世界観をさらに拡大するためのカスタムバイクが、ショットガン650をベースにした「Always Something」です。アイコン・モータースポーツとロイヤルエンフィールド、両ブランドのユニークな美学が融合した最新作を見て、1980年代の耐久レーサーを想起せずにはいられません。

燃料タンクの給油口も耐久レーサー仕様に。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

▲燃料タンクの給油口も耐久レーサー仕様に。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

 角目のヘッドライトをビルトインしたハーフカウルにロングタイプのフューエルタンク、シングルシート。白、赤、ブルーの明るいカラーリングや、前後16インチという時代感もたまらなく好きです!

コムスターホイールを履く足まわりも80年代初頭を感じさせる「Always Something(オールウェイズ・サムシング)」。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

▲コムスターホイールを履く足まわりも80年代初頭を感じさせる「Always Something(オールウェイズ・サムシング)」。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

卓越した職人技で完成へ至ったサイドカー

チェリーズカンパニーが製作した「CHALLENGER」。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

▲チェリーズカンパニーが製作した「CHALLENGER」。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

 前回のヨコハマホットロッド・カスタムショー2023で世界初公開したカスタムサイドカーが、再び脚光を浴びていました。チェリーズカンパニー黒須嘉一郎氏によって製作された「CHALLENGER」です。SUPER METEOR 650をベース車両としています。

欧州のカスタムバイクイベントに展示されたチェリーズカンパニーの「CHALLENGER」。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

▲欧州のカスタムバイクイベントに展示されたチェリーズカンパニーの「CHALLENGER」。画像提供:ロイヤルエンフィールドジャパン

 エンジンとフレームの一部を残し、前後サスペンションシステム(スチール鋼管を使って製作したアールズフォークを採用)やホイール、外装、サイドカーのフレームやサイドカーボディは、すべてハンドメイドとしています。

 フロント21/リヤ18インチのホイールは、前後とも60本のスポークを採用。美しいボディラインが伸び上がるシルエットを足もとから演出しています。


 2024年の春に海を渡って、イギリス、フランス、ドイツなどのカスタムバイクイベントにて展示されたほか、イギリス南部ウェスト・サセックス州グッドウッドで開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(ヒルクライムイベント)」にも参加しました。

「CHALLENGER」はSUPER METEOR 650をベースに、チェリーズカンパニーが製作したサイドカー。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

▲「CHALLENGER」はSUPER METEOR 650をベースに、チェリーズカンパニーが製作したサイドカー。ヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024/撮影:青木タカオ

 サイドカーを取り外してもバイク単体で走行できるよう、アクスルシャフト部分をエキセントリック式にしているのも見逃せません。

 というわけで、今回はヨコハマ ホットロッド·カスタムショー2024でファンらを魅了したロイヤルエンフィールドのカスタム車両をご紹介いたしました。みなさんは、どれに惹かれますでしょうか? 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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