去年の秋ごろの話。精神的ダメージがそこそこ大きく、正直しばらくは触れたくない出来事だったが、ようやく気持ちの整理もついた。今回は、バイク移動中の大雨でMacBook Airを水没させてしまった、あの悲惨な事故を振り返ってみたい。笑い話として昇華できる今だからこそ、同じ失敗を誰かが繰り返さないための、ちょっとした注意喚起として読んでもらえれば幸いである。

このパソコン、何がダメか分かりますか?

これは僕が長年使ってきたMacBook Airだ。自宅での原稿作業はもちろん、取材や打ち合わせ、カフェでの軽作業まで、ほぼ常に一緒に行動してきた相棒的存在である。

モデルは2017年式。決して新しくはないが、動作に大きな不満はなく、「まだまだ現役だな」と思いながら使い続けていた。ところが、ある日を境に突然使えなくなってしまった。

一見すると普通に起動しているようにも見えるこの画面。だが、よく見ると明らかにおかしい部分がある。

みなさんは、どこに不具合があるか分かりますか?

正解は、画面内部への浸水である。液晶の内側に水が入り込み、表示が完全におかしくなってしまっている。

では、なぜこんな状態になったのか。MacBookを水に沈めた覚えなど、もちろんない。

今回は、当時の状況を思い出しながら、再現写真とともに「なぜ水没したのか」を順を追って説明していこうと思う。

バイク移動でも雨対策は万全……のはずだった

基本的に、移動手段がバイクでも電車でも、僕はリュック派だ。両手が空くし、荷物もそれなりに入る。MacBook Airを持ち歩くライターにとって、リュックは実に都合がいい。

もちろん、バイク移動時は雨対策も意識している。ノートPCを持ち歩く以上、「濡らさない」ことは最優先事項だ。少なくとも、そのつもりで装備は整えていた。

問題の日、この日は走行中に雨が降ってきた。ただ、事前に天気予報をチェックしていたため、完全に想定内。慌てることなく、愛用している「ROM ライディングレインスーツ」を着用した。

このレインスーツは、レッドバロンが展開するオリジナルブランドで、防水性と動きやすさのバランスがよく、ツーリングでも街乗りでも重宝している一着だ。

ちなみに、写真では晴れているが、これは当時を振り返るために後日撮影した再現カット。“事故”当日は、わりと本気で「視界が白い」レベルの雨だったことを付け加えておきたい。

雨に降られて困るのは、ライダー本人だけではない。リュックの中には、大切なMacBook Airが入っている。

いくら自分が濡れなくても、パソコンがやられてしまってはアウトだ。それなら僕がズブ濡れになったほうが100倍もマシである!

そう考えて、僕は常に「リュックの防水」も意識してきた。少なくとも、この時点では完璧な対策をしているつもりだった。

その対策というのが、リュックカバーである。使わないときはコンパクトに畳めて、いざという時にはサッと被せられる。

「リュック+レインカバー」。バイク乗りなら、かなり定番の雨対策ではないだろうか。僕自身、これで何度も雨をやり過ごしてきた経験があり、信頼しきっていた。

この状態で愛車・XR Bajaに跨ったとき、正直こう思った。「よし、これで完璧だ」と。

しかし結果から言えば、この安心感こそが最大の落とし穴だった。この状態で走行を続けた結果、リュックの中に入っていたMacBook Airは、見事に水没してしまったのである。

犯人はどこだ? 雨水侵入の謎を追う

まず注目したいのが、上から見た状態だ。リュックと背中の間に、わずかな隙間ができているのが分かるだろう。

普段なら、ほとんど気にも留めない部分だ。しかし、大雨の中でのバイク走行では、この隙間が重要な意味を持ってくる。

次に横から見てみると、さらに状況がよくわかる。リュックは体に密着しているようで、実は完全にはフィットしていない。

ここに風と雨が加わることで、思わぬ方向に雨水が流れていくことになる。

大雨の日、雨水は背中を伝って下へ流れる。普通の雨量であれば問題にならないが、この日はゲリラ豪雨のような激しい雨だった。

結果、背中とリュックの隙間から大量の雨水が流れ込み、リュックカバーの内側へと侵入してしまったのである。

皮肉なことに、防水性の高さがここで裏目に出た。リュックカバーは水を通さないため、内側に入り込んだ雨水が逃げ場を失い、カバー内部が“水溜り”状態になってしまったのだ。

そして、その水溜りからリュック内部へと浸水。結果、MacBook Airも一緒に水没した。

改めて写真を見ると、なかなかにショッキングな状態である。防水対策をしていたつもりが、まさかこんな形で裏切られるとは思ってもいなかった。

みんなも本当に気をつけてほしい

今回の教訓はシンプルだ。「リュックカバー=完全防水」ではない、ということ。

特に大雨時のバイク移動では、背中を伝う雨水の流れまで考えないと、本当の意味での防水対策にはならない。

リュックの中に精密機器を入れている人は、インナーバッグを併用する、完全防水のバッグを使うなど、もう一段階上の対策を考えたほうがいいだろう。

これは決して大げさな話ではなく、実体験からの切実なアドバイスである。

後日談

当然、このままでは仕事にならない。というわけで、事故後すぐに新型MacBook Airを購入した。

電源自体は入ったため、データ移行がスムーズにできたのは不幸中の幸いだった。

2017年式でバッテリーもだいぶ弱っていたことを考えると、「いいタイミングだった」と思えなくもない。……が、やはり出費は痛い。これは素直にきつかった。

とはいえ、新しいMacBook Airを開いた瞬間、テンションが上がってしまったのも事実である(笑)。

結局のところ、人は新しいガジェットに弱い。

今回の出来事は、まさに「雨降って地固まる」だったのかもしれない……いや、そう思わないとやってられない、というのが本音である。みなさんも、どうか同じ失敗をしないように……(祈)。

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