若者のバイク回帰と親世代の関係

「若者のバイク離れ」と言われて久しいが、個人的にはここ数年、若者が少しずつバイクに“戻ってきている”と感じている。街ではとくに250ccクラスのスポーツバイクに乗っている若者をよく見かけるようになった。理由はさまざまだと思うが、僕が思いあたる理由のひとつは「親の世代」だ。

ヤマハYZF-R25

ヤマハの最新250ccスポーツ、YZF-R25

スズキの最新250ccスポーツ、GSX250R

スズキの最新250ccスポーツ、GSX250R

 

たとえば僕の年齢は53歳、僕の子どもは22歳と18歳だ。つまりかつて80-90年代の“バイクブーム”の洗礼を受けた僕らの子どもたちが、バイクに乗れる歳になったということ。彼らはクルマやバイク好きな親を見て育っているし、もし彼らが「バイクに乗りたい」と言ったとしたら、僕らはきっと頭ごなしに反対はしないだろう。少なくとも“3ナイ運動”真っ盛りで、学生時代にバイクに乗りたくても許されなかった僕ら世代よりは、そうとう恵まれた環境にある。

RZ250は“僕らのニーゴー”だった

ここで昔話をすると、僕が初めて手に入れたオートバイは、高校2年生のときに中古で買った初代ホンダVT250Fだった。高1の冬からアルバイトをして貯めたお金で教習所に通い、中型免許が取れるとすぐにVTを買ったのだ。中古で15万円だったと記憶している。毎日、学校から帰るとまずはVTに乗りに行った。マフラーやタイヤを換えたり、近所のちょっとしたコーナーを“攻め”に行ったり、彼女を乗せて初めてツーリングに行ったのもこのシルバーのVTだった。

1982年に登場した初代ホンダVT250F

1982年に登場した初代ホンダVT250F

 

その少し前、当時の二輪マーケットの中心であり僕らの先輩たちに人気だったのはCBヨンフォアやCBX、カワサキのFXにヤマハのXJといった“ヨンヒャク”で、“ニーゴー”はそのお下がり版的なイメージが強かった。そこに彗星の如く現れ、僕らの青春時代を直撃した“250ブーム”の火付け役となったのがヤマハRZ250だった。当時のインパクト、製品としての革新性などは今さら説明するまでもないが、つまるところ「250でも400に負けない」というコンセプトが、僕らの気持ちを強く惹きつけたのだと思う。RZは決してお下がりや廉価版ではない“僕らのニーゴー”だったのだ。

1980年に登場したヤマハRZ250

1980年に登場したヤマハRZ250

 

やがて82年には4ストロークでRZと同じ35psを発するライバルVTが登場し、83年にはその後の“レプリカブーム”を示唆するスズキRG250ガンマがデビューした。ここにきて250ブームは一気に加速し始めたのだった。そうなれば財布の軽い僕らにとって、“あえて”車検など維持費のかかるヨンヒャクを選ぶ理由はなかった。

若いときに似合うバイクがある

そしていま、再び250ccスポーツバイクのジャンルが活況を呈している。きっかけとなったのは2008年に発売されたカワサキNinja250Rだろう。久々に登場したクォーター・スポーツは予想以上の大ヒットとなり、それ以降、ホンダCBR250R(2010 年)、スズキGSR250F(2014年)、ヤマハYZF-R25(2014年)などのライバルが後を追いかけた。

2008年に登場したカワサキNinja250R

2008年に登場したカワサキNinja250R

 

若いときに似合う服があるように、若いときに似合うバイクがある。カジュアルでスポーティーなウェアを颯爽と着こなすのは、やっぱり若者の特権なのだ。今どきの250ccスポーツバイクに乗っている彼らを見ると、やっぱりそう思う。

だからこれからも世のオヤジライダーを悔しがらせるような、カッコいい250がどんどん出てきてほしいなと思う。そうすればきっと、オートバイはまた若者の“憧れ”の乗りものになるだろうから。

カワサキNinja ZX-25R

カワサキNinja ZX-25R

 

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