ジャパンモビリティショー(以降、JMS)の見どころを国内バイク4社(プラス1)の展示物に注目して紹介します。今回は、スズキ、カワサキ、そしてプラス1としてグラフィット×オープンストリートを取り上げます。

なお、ホンダ・ヤマハ編はコチラ

マルチパスウェイで見どころの多いスズキ

●東展示棟1F(東4・5・6ホール):スズキブースのテーマは「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」というもの。カーボンニュートラルへのアンサーは国や環境ごとにさまざま。でも、ワクワクする心はひとつ。このような想いでブースが構成されています。

電気だけでなく、水素や牛糞(うんこ!)まで活用するマルチパスウェイの取組みが見応えありです。うんこですよ、う・ん・こ!(ここ大事)。また、ハヤブサやVストロームシリーズ、GSX-8Sといった市販二輪車の展示もありますよ。

水素エンジンバーグマン(試験車両)

過去のモーターショーでは、燃料電池を用いたバーグマンフューエルセルが展示されてきましたが、今回は水素エンジンです。バーグマン400ABSに70Mpa(メガパスカル=圧力の単位)の水素タンクを搭載した試験車両で、カットモデルとなっているので車体構成がわかりやすいです。

二輪車に水素を積む場合、法令がとても厳しいそうで、法令とインフラが大きな課題とのことでした。政治家の皆さん、出番ですよ! ここをクリアしないと二輪の水素は市販できません! 重要なことなので特記しときました。

e-BURGMAN(イーバーグマン)

大阪府豊中市で、バッテリー交換ステーション「ガチャコ」の利用と共に実証実験中の原付二種相当の電動スクーターです。モバイルパワーパックを2個積んでいて航続距離はおよそ44km。ちなみに、後進(リバース機能)もできます。

「e-choinori (イーチョイノリ)」

二輪メディア内でも「こういうのでいいんだよ。こういうので」と絶賛する声が多いイーチョイノリ。パナソニックの電動アシスト自転車で広く使われているバッテリーをシート前部に設置。おかげでシート下トランクにはけっこう大きなスペースがあって、ハーフヘルメットも余裕で入ります。

ベースは2003年に発売されて大人気だった50ccスクーターのチョイノリです。外装パーツなども流用されていて、コストダウンにも期待です!

電動小型モビリティ

電動小型モビリティにもワールドプレミアが多数です。中でも注目なのは特定原付区分(最高速度20km/h)のSUZU-RIDE(スズライド・上写真)とSUZU-CARGO(スズカーゴ・下写真)。電動キックボードのような手軽さながら転倒しづらい四輪車となっています。
ハンドル先端のウインカーはオレンジ点滅だけでなく、緑色点灯や緑色点滅もしているので、特例特定原付として特例モード(最高速度6km/h)にすれば自転車歩行者道なども走行できます。

これぞバイクブランド!という展示のカワサキ

●東展示棟1F(東4・5・6ホール):ワールドプレミアモデルの5機種に加え、ジャパンプレミアとしてHEVとEVモデルも展示するカワサキブースは、まさにバイクのブースといった感じです。オフロード四輪車やBimotaブランド、さらには往年の名車である、カワサキ250メグロSG、Ninja (GPZ900R)、ZXR400Rも並べられています。

Ninja 7 Hybrid

欧州ではすでに発表されていましたが、やはり注目はHEV(Hybrid Electric Vehicle)のNinja 7 Hybridでしょう。ハイブリッドにはマイルドハイブリッド(加速時等のみにモーターを駆動)とストロングハイブリッド(エンジンを始動させなくてもモーターのみでも走行可能)がありますが、本モデルは見事に後者です。やっと、トヨタのプリウス(1997年~)のようなバイクが登場したわけですね。

プリウスも、燃費だけでなく、その加速と最高速にも注目が集まりましたが、本モデルのウリもストロングハイブリッドを活かしたスポーツ性能です。451cc水冷並列2気筒エンジン(6速ミッション)とトラクションモーター×大容量駆動用バッテリー(他に電装系用バッテリーも搭載)の走りは凄そうです。

SPORT-HYBRIDモード、ECO-HYBRIDモード、EVモード(モーターのみで走行)等を搭載し、クラッチレバーもシフトペダルもなく、ギヤチェンジは手元のボタンで行います。燃費もリッター30km程度は行くそうで、これは期待の1台ですね。

Ninja e-1

こちらは、原付二種区分(ピンク色ナンバー)となる電動バイクです。短時間であれば出力を向上できるe-boost機能を搭載し、優れた加速と軽快なハンドリングでスポーツ走行を楽しめます。航続距離は72kmほどで、取り外し式リチウムイオンバッテリーを採用しており家庭用のコンセントで充電できます。車体のベースはNinja400なので、車体剛性にも不安はなさそうです。

このほか、カワサキブースにはNinja40周年を記念したNinja 40th Anniversary Editionモデル(ZX-10RとZX-4RR)も置かれていました。往年のファンにはたまらない色使いですね。

パーソナルモビリティの覇権モデル・サービス!?

●東展示棟1F(東7・8ホール):最後に紹介するのは、国内バイク4社ではなく、ハイブリッドバイクのGFRシリーズ(電動バイク・電動アシスト自転車・自転車のモード切替が可能)でお馴染みのグラフィット社とハローサイクリングなどのシェアサイクル(シェアモビリティ)でお馴染みのオープンストリート社による共同展示です。
両社は共同で開発したモーターサイクルタイプ(バイク型)の特定原付を“電動サイクル”と呼び、2024年からハローサイクリング(シェアサイクル・会員数260万人!)に導入するそうです。一気にパーソナルモビリティの覇権を取る可能性も大です。

最高速度20km/hとは言え、ペダルをこがなくても走行でき、バイク気分を味わえる自走モビリティの登場は、既存の原付ユーザーや免許返納後の高齢者、免許を持っていない若年層にも大きな影響を与える可能性があります。

免許不要でバイクの楽しさを体感できるモビリティの登場とシェアサービスによる普及・拡大には、二輪メーカーも目が離せませんね。

以上、超かいつまんでお伝えしました。モビリティショーの一般公開は、2023年10月28日(土)から11月5日(日)まで。バイク好きのみならず、乗り物好き、モノ好きにはたまらない展示ですから、ぜひ東京ビッグサイトへ足を運んでみてください。

しつこいですけど、高校生以下は無料ですよ(学生証の提示でOK)!!!!

 

 

 

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