テント、シュラフなどをはじめとしたキャンプグッズに本格参入だ! 溶接用の作業着が焚き火の際に使えるとSNSで話題となり、アウトドアウエアにも注力するようになったワークマン。今年に入ってからアルミテーブルやコンパクトローチェア、メスティンなどを販売してきたが、ついに来春、本格的にオリジナルのキャンプグッズを大量リリースする。価格や詳細が発表されたのでここに紹介しよう。

●REPORT&PHOTO: 大屋雄一(OYA Yuichi) ●取材協力: ワークマン(https://www.workman.co.jp/)

テントはSG基準に準拠、ウエアで培った加工技術を惜しみなく盛り込む

ライダーの間では、特にレインスーツや防寒ウエアの評価が高いワークマン。最近では作業服よりもアウトドアウエアメーカーとしての認知度が高まっている印象だ。そんなワークマン、今年の春ごろからキャンプ向けのアルミテーブルやコンパクトローチェア、メスティンなどを販売しており、コロナ禍によるアウトドアグッズ需要の追い風もあって、入荷してもすぐに売り切れるという品薄状態が続いている。

そんな中、同社は9月30日に東京プリンスホテルで開催された過酷ファッションショーにおいて、来春からキャンプグッズを本格的にリリースすることを表明した。その数なんと100種類以上! しかも、我々ライダーにとってうれしいのは、その中にバイクで運びやすいサイズのキャンプツーリング向けテントが含まれていたことだ。第1弾として発表されたテントのバリエーションは5種類で、最も安価なモデルはなんと4900円。しかも、ヘルメットなどの安全基準でお馴染みのSG基準に準拠しており、初めて買う人にとっては安心感が高い。

【テント】FTE01 BASICドームテント[4900円]

テントのラインナップで最も買いやすい値段に設定されているのがこのBASICドームテントだ。設営しやすいダブルウォールのドーム型で、カラーバリエーションはなんと6種類。長辺側に出入り口があり、うれしいことにキャノピー用のポールまで付属する。格安のテントではフロアにブルーシートのようなPEが使われることが多いが、こちらは上位モデルと同等の210Dポリエステルオックス(PU防水)を採用。ベンチレーションや2WAYメッシュゲート、収納ポケット、天井フック、天井メッシュシートなど、基本的な装備はほぼ全て揃っており、他の格安テントとは一線を画す。

エントリーモデルに位置付けられるが、生地に妥協しないところにワークマンらしさが。

天井には収納メッシュシートやベンチレーション、フックなどを装備して利便性を追求。

カラー■コヨーテ×ブラウン、キャメル、グリーン、レッド、ネイビー、迷彩 素材■フライシート:75Dポリエステルタフタ(PU防水) インナー:75Dポリエステルタフタ フロアシート:210Dポリエステルオックス(PU防水) メインポール:グラスファイバー約φ7.9mm 商品特徴■付属品:キャノピーポール(グラスファイバー約φ16mm×長さ約86cm)、ペグ、ロープ、収納袋 耐水圧:フライシート(約3000mm)、フロアシート(約3000mm) 使用時サイズ:約210×101×90(h)cm 収納時サイズ:約φ13×56cm 重量:約2.45kg SG基準対応

【テント】FTE02 ミシックドームテントAG[7800円]/FTE03 ミシックドームテントFT[8800円]

同じくダブルウォールのドーム型で、短辺側に出入り口があるミシックドームテント。バリエーションは2種類で、AGの方はワークマンがアウトドアウエアで実績を積んだディアマジックダイレクトという耐久撥水加工をフライシートに施すほか、さらに出入り口のメッシュ部分には防蚊効果のあるディアガードを加工するなど、ウエアで培った技術を惜しみなく投入している。

ミシックドームテントFTは、ディアマジックダイレクトに加えて焚き火の火の粉が飛んできても穴が開きにくい防融加工のディアフレイムテクトをフライシートに加工。生地そのものもAGとは異なるなど、形状は同一ながら機能面でしっかりと差別化を図っている。

画像はミシックドームテントFTで、フライシートには防融加工と耐久撥水加工が施される。

FTE02 ミシックドームテントAG[7800円]

カラー■カーキ、バーガンディ、カフェオレ 素材■フライシート:20Dナイロンリップ(裏コーディング、PU防水、DMD) インナー:190T 75D×75Dポリエステルタフタ (インナーテントメッシュ部分のみにDIAGUARD加工) フロアシート:150Dオックスフォード(PU防水) メインポール:φ7.9mmグラスファイバー 商品特徴■付属品:クロスポール(φ7.9mmグラスファイバー)、スチールペグ×13本(φ3.7×180mm)、収納ケース、自在ロープ×4本(2.5m) 耐水圧:フライシート(約2000mm) フロアシート(約3000mm) 使用時サイズ:約(550+2150)×950×1000mm インナーサイズ:約2150×950×950mm 収納時サイズ:約φ16×52cm 重量:約1.9kg SG基準対応

FTE03 ミシックドームテントFT[8800円]

カラー■ブラウン、イエロー 素材■フライシート:50D×50D ポリタフタ(裏コーティング、DMD×DIAFLAMETECT) インナー:190T 75×75Dポリエステルタフタ フロアシート:150Dオックスフォード(PU防水) メインポール:φ7.9mmグラスファイバー 商品特徴■付属品:クロスポール(φ7.9mmグラスファイバー)、スチールペグ×13本(φ3.7×180mm)、収納ケース、自在ロープ×4本(2.5m) 耐水圧:フライシート(約2000mm) フロアシート(約3000mm) 本体サイズ:約(550+2150)×950×1000mm インナーサイズ:約2150×950×950mm 収納サイズ:約φ16×52cm 重量:約2.3kg SG基準対応

【テント】FTE04 ミシックツーリングテントAG[9800円]

ライダーにとって大本命と言えるのが、その名もミシックツーリングテントAGだ。短辺側に出入り口があるという点では上に紹介したミシックドームテントAG&FTに準じるが、ポールやベンチレーションの形状が異なる。フライシートには耐久撥水加工のディアマジックダイレクト、インナーのメッシュ部分には防蚊加工のディアガードを施している。フライの出入り口部分をキャノピーとして使えるのも、荷物を少しでも減らしたいライダーにとってうれしい要素だ。

バイクに積みやすいようにコンパクトな収納サイズを実現。フライは耐久撥水加工済み。

前後が分かりやすいようにポールやベルトを色分けしている。メッシュは防蚊加工済み。

カラー■ブラック、ブルー 素材■フライシート:20Dナイロンリップ(裏コーディング、PU防水、DMD) インナー:190T 75Dポリタフタ(インナーテントメッシュ部分のみにDIAGUARD加工) フロアシート:150Dオックスフォード(PU防水) メインポール:φ7.9mmグラスファイバー 商品特徴■付属品:スチールペグ×13本(φ3.7×170mm)、収納ケース、自在ロープ×3本(2.5m×3本) 耐水圧:フライシート(約2000mm) フロアシート(約3000mm) 本体サイズ:約(550+2150)×950×1000mm インナーサイズ:約2150×950×950mm  収納サイズ:約φ16×52cm 重量:約2.4kg

【テント】FTE05 ワイドミシックドームテントAG[1万7800円]

ここまでに紹介した4種類のテントがソロ用だったのに対し、このワイドミシックドームテントAGは4人用というのがポイント。フライシートにディアマジックダイレクト、インナーのメッシュ部分にディアガードを施しているのは上のミシックツーリングテントAGと同様で、ディアマジックダイレクトは防汚効果もあるため白い生地でも汚れにくいというのがうれしい。重量が約9.8kgと重いのでツーリング向きではないが、仲間のうち一人がこれをクルマで運ぶなど、さまざまな使い道が考えられる。

アースカラーのブラウン。フライシートには耐久撥水加工と防蚊加工が施されている。

使っているうちに汚れが目立ちそうな白だが、耐久撥水加工は防汚効果も期待できる。

カラー■カーキ、ホワイト 素材■フライシート:230T 63D×150D ポリエステルタフタカチオン(裏コーディング、 PU防水、DMD) インナー:68Dポリエステル(インナーテントメッシュ部分のみにDIAGUARD加工) フロアシート:150Dオックスフォード(PU防水) メインポール:φ12.7mm×5.5mグラスファイバー(11本継=1本約53cm)×2本 商品特徴■付属品:スチールペグ×25本(φ4.7×180mm)、収納ケース、自在ロープ×8本(2.5m×6本=本体用、3.5m×2本=キャノピー用) 耐水圧:フライシート(2000mm) フロアシート(3000mm) 本体サイズ:約420(100+270+50)×290×180cm インナーサイズ:約270×270×170cm 収納サイズ:約66×22×22cm 重量:約9.8kg

【シュラフ】FCS01 BASICスリーピングバッグ[1500円]

シュラフは3種類をラインナップ。最もベーシックかつ買いやすい価格に設定されているのが封筒型のBASICスリーピングバッグで、お値段なんと1500円! 表地の190Tポリエステルタフタには火の粉が飛んできても燃え広がりにくい加工および撥水加工が施されており、他の格安シュラフとは一線を画す。

封筒型のベーシックなシュラフ。コンプレッションベルト付きの収納袋が付属する。

表地には燃え広がりにくい加工と撥水加工が施される。快適温度は約10℃とされる。

カラー■コヨーテ、ブラウン、キャメル 素材■表地:190Tポリエステルタフタ 裏地:190Tポリエステルタフタ 中綿:ポリエステル(850g) 商品特徴■本体サイズ:約190cm×約73cm 収納サイズ:約φ20cm×約37cm 重量:約1.2kg 快適温度:約10℃

【シュラフ】FCS02 TCフランネルシュラフ[3900円]

上のBASICスリーピングバッグと同じ封筒型だが、表地には耐久撥水加工のディアマジックダイレクトを施したTCリップを、裏地には肌触りに優れるフランネルチェックの生地を採用しているのがポイント。注目は内側の足元で、体温を反射して保温性を高めるブラックアルミがプリントされている。これも作業着やアウトドアウエアで実績のある技術であり、ワークマンならではの発想と言えるだろう。

表地にディアマジックダイレクト加工を施したTCリップを採用。見た目にも質感が高い。

裏地は肌触りのいいフランネル生地で、足元は保温効果のあるブラックアルミを採用。

カラー■カーキ、ブラウン、キャメル、バーガンディ 素材■表生地:TCリップ(DMD) 裏生地:フランネル(チェック柄プリント) 足元:ブラックアルミ 中綿:フォロファイバー(900g) 商品特徴■本体サイズ:約190cm×75cm 収納サイズ:約φ23×39cm 重量:約1.5kg

【シュラフ】FCS03 フュージョンダウンシュラフ[7800円]

キャンパーにとって驚きのシュラフが登場した。中わたは天然ダウン45%+フェザー5%+吸湿発熱中わた50%のフュージョンダウンで、これはすでにジャケットやインナーベストなどで実績のある素材だ。最大のポイントは気軽に洗濯できることで、ヘビーユーザーにとってうれしい要素だ。形状はマミー型で、表地はディアマジックダイレクト加工済み。なお、対応温度域についてはEN13537というEU統一規格があり、これについて海外の第三機関に検査を依頼しているという。分かり次第お伝えする予定だ。

カラーは写真のグリーンのほかにブラックを用意。対応温度域は現在テスト中とのこと。

コンプレッションベルト付きの収納袋を付属。圧縮するとこんなにコンパクトになる。

カラー■ブラック、グリーン 素材■表生地:20Dナイロンリップ(DMD) 裏生地:20Dナイロンリップ 中綿:Fusion down100%(600g) 商品特徴■本体サイズ:約(200+30)×80×50cm 収納サイズ:約φ14×30cm フード:(200+30)×80×50cm 重量:約645g

【マット】FCM01 セパレートインフレーターマット[2900円]

内部にスポンジ状のフォームが挿入されており、エアバルブを開くと自動的に膨らんでクッション性を確保するスリーピングマット。一般的にはワンピースだが、これはセンターで2分割となっている。それぞれにエアバルブがあるので膨張時間を短縮できるほか、分割して車中泊で使うなど、さまざまな利用方法が考えられる。

エアバルブを開くと自動的に膨らむフォーム入りのマット。カラーはカーキとブラウン。

2分割式とすることで膨張時間を短縮。また車中泊などでの使い勝手も考慮したという。

カラー■カーキ、ブラウン 素材■表生地:190Tポリエステル(PVC加工) 内材:ポリウレタンフォーム バルブ:ABS樹脂 商品特徴■本体サイズ:(約)95×60×h3cm×2 収納サイズ:(約)φ15×64cm 付属品:収納ケース

【簡易ベッド】FLC01 BASICアルミローコット[5800円]

簡易ベッドであるコットは、キャンプサイトが多少でこぼこしていても極上の寝心地が得られることから人気が高い。このBASICアルミローコットは収納サイズがコンパクトなのでバイクに積むことができ、しかも本体生地にはディアマジックダイレクトが加工されているので、雨の中で設営していても水分が染み込みにくいことが期待できる。5800円と格安なので、コットを試してみたかった人にはもってこいだ。

マットよりも圧倒的に寝心地がいいコット。これが5800円で登場したことに驚きだ。

BASICドームテント以外であればコットが置けることを確認。この寝心地は体験されたし。

カラー■カーキ 素材■生地:900Dポリエステル オックスフォード生地 フレーム:A7075 超々ジュラルミン(サイドフレーム×2本)(レッグフレーム×5本) 商品特徴■本体サイズ:(約)190×65×16cm 収納サイズ:(約)45×16×16cm 商品重量:約2.2kg 耐荷重:(約)120kg

                 ◆

取り急ぎキャンプ三種の神器と言われるテント、シュラフ、マットを紹介した。日本において正規で買えるアウトドアブランドは200を超えると言われ、さらに大手通販サイトには格安のノーブランド品がそれこそ星の数ほど並んでいる。ワークマンがターゲットとしているのはあくまでもキャンプに興味を持ち始めたエントリーユーザーであり、買いやすい価格に設定しつつ、これまで培ってきた技術を惜しみなく盛り込んで差別化を図っている。

なお、入手方法については、今回紹介したアイテムに関してはWEB限定販売(店頭受け取り)になる模様。開始時期などが分かり次第、お伝えしたい。

※2021年10月時点での情報のため、商品の仕様・売価・発売時期などが変更になる場合があります。

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