愛車スーパーカブ110(JA44)とのバイクライフをダラダラと綴る当記事。今回はフロントフロアバッグのレビューをお届けしたい。
アンダーボーンフレームのカブは一般的なバイクで言うタンクバッグの位置に収納スペースを設置しにくいが、探してみるとちょうどイイ感じのバッグを発見! ツーリングのお供に活躍中なのだ。

意外と見当たらないカブ用のフロントフロアバッグ

スーパーカブは、スカートを履いた女性の乗り降りしやすさを考えたステップスルー形状としている……というのは一部で有名な話。ただ、またがりやすいのはいいのだけど、一般的なバイクにおける燃料タンクの位置に収納スペースが欲しいと常々思っていた。

というのも取材を伴うツーリングでは、頻繁にカメラを取り出す必要があるからだ。アクセスしやすい位置に一眼レフカメラ(大きくて重い)を収納できれば、取材がはかどるに違いない。それにタンデムする場合、例のホムセン箱を外す必要があるので、少しでも積載性を確保したい思惑もあったのだ。

さっそくネットで物色してみると「カブ フロアバッグ」「スクーター用 タンクバック」「スクータートンネルバッグ」などの商品が出てきた。

ただし、PCXのようなセンタートンネルにフィットするバッグはあるのだけど、カブのような曲面に合うバッグが見当たらない。しかしよく探してみると、カブを考慮した製品としてラフ&ロードの「RR9227 フロントフロアバッグ」を発見した。

↑ラフ&ロードの「RR9227 フロントフロアバッグ」。カブ用でめぼしい製品を見つけられなかったが、これはよさそう。※画像はラフ&ロード公式HPより ●価格1万4850円●サイズW20/28×D25×H28cm(最大)●容量 14L(最大)


タンクバッグのようにスマホや地図などを天面のクリアスペースに収納できるのもいい。カブ用のスマホマウントを持っていなかったので、これがあれば一石二鳥だ。

ちょっと気がかりなのはブランドだ。もちろん悪い意味ではない。ラフ&ロードと言えばツーリングギアの老舗で愛好家も多い国内ブランド。ライダー目線の使い勝手にこだわったモノづくりに定評がある。ただし知人が広報担当なのだ(笑)。レビューでは逆に気を遣ってしまうし、業界の人には“タイアップ”と思われるかもしれない。

でも他に適切な製品が見当たらないし、忖度なしで書かせてもらおう(笑)。もちろん自腹で購入しており、タイアップ記事ではないので念のため(笑)。

付属のベルトでカンタンに取り付けられた

購入したサイトはヤフーショッピングで、購入時の価格は1万3500円(原稿執筆時点の2023年5月下旬、amazonで1万3000円だった)。

数日後、無事に商品が着弾! さっそく箱から取り出してみると、さすがのクオリティだ。他社のスクーター用フロアバッグが4000~6000円なので割高に感じたが、素材、縫製、質感とも素晴らしい。インナーフレームが入っているため型崩れせず、他社製ではあまり例がない防水カバーが付いているのもありがたい。

↑天面のクリアスペースは手前側がバックルで固定されている。これを解除して跳ね上げるとメイン荷室が。Wファスナーになっており、左右両側から開く。

↑クリアケース前側はベルクロで固定されており、角度調整が可能。乗車時に見えやすい位置に設定できる。


さっそく取り付けてみる。他社製品はセンタートンネルに載せるだけのものしか見当たらず、カブに載せると脱落してしまいそう。その点、この製品はストラップが付属して、しっかり固定できる。

前述のラフ&ロード公式サイトには装着方法も動画で解説されているので安心。カブでフロントキャリアを装着している場合、付属のベルト2本をキャリアに巻き付けるだけで固定できる。

私の愛車にフロントキャリアはないので、付属の車体用Dリングを、レッグシールドを留めているボルトで共締めする。これで両サイドから下方向にテンションをかけることでバッグを固定できるというわけだ。

なるべくノーマルのまま乗りたい私にとって、穴を空けたりせず固定できるのはすごくイイ。

↑まず載せてみると股下のスペースにピッタリはまる。

↑付属のDリングを車体のボルトで共締め。このボルトがなかなか回らず、ナメそうになったので皆様ご注意を!

↑左右のベルトを均等に引いて、バッグが傾かないようにすれば完成。


レッグシールドのボルトが固くて困ったが、そこさえクリアできれば後はカンタンだった。

しっかり収納できて、ニーグリップまで可能に!

メイン荷室は、手持ちのカメラバッグがちょうど入る大きさ。振動を考慮してウエスや緩衝材を下に入れてもまだ余裕がある。そして左右のポケットも使いやすい。

実際にツーリングで使った結果、便利さを実感した。やはり、この位置に荷物が収納できるのは素晴らしい。サッとカメラを取り出せるのが自分にとって何よりポイントが高く、大満足だ。

↑「昭和レトロ紀行 親子栃木編」で初使用。その後の茨城編(現在執筆中)でも活躍したのだ!

↑トップのクリアケースは、スマホのタッチパネルに対応している。10mm厚のスポンジ製スペーサーが付属していて、手持ちのスマホに合わせてカット可能。筆者は切らずにそのままスポンジの上に載せて使っている。

↑左右ポケットは500mlのペットボトルが各2本ずつギリギリ入る大きさ。この状態でも前側にはまだ余裕がある。また、右側のネットに小物を突っ込んでおけるのが便利。

↑クリアケースの角度調整もしてみた。写真は平坦な状態。

↑これが最大まで角度をつけた状態。確かに見えやすくなる。

↑付属のレインカバーを取り付けた状態。こちらも天面がクリアになっており、タッチパネルを操作可能だ。サイドポケットにカバーを入れておけば、雨が降ってもすぐ取り出せる。


オモシロイのが、ニーグリップができるようになったことだ。当然カブは太ももで車体をホールドできないけど、このバッグを装着すればニーグリップが可能になり、加減速やコーナリングで一段と体が安定する。思いもよらない効果だけに、とても得した気分だ(!?)。

↑こんな感じでニーグリップできる。メイン荷室に物が入っていないと潰れて挟みにくい。

↑ベルトはワンタッチで取り外せるため、バッグの着脱はカンタン。ハンドグリップが付いており、運搬もしやすい。


使用時のコツも挙げておきたい。給油の際、バッグがあるためシートが完全に跳ね上げられない。そのため、シートを持ち上げながら給油する必要がある。セルフスタンドの場合、片手でシート、片手で給油ノズルを持つ感じだ。

不満はほぼナシ、まさにツーリングのお供だ

実に優秀な製品ながら、少しだけ気になったのがトップクリアケース入口の向き。車体前側にファスナーが付いており、車体に装着した状態だとスマホなどの内容物がやや取り出しにくい。自分の場合、頻繁にスマホを取り出すので手前側にファスナーがあった方が嬉しいと思った。

ただし手前側に入口があった場合、ファスナーが開けっ放しの状態だと加速時に内容物が脱落する恐れがある。そのため現在の設計になっているのでは、と思われる(今度聞いておきます笑)。

↑クリアケース入口がハンドル側(車体前方)向き。クリアランスがないため、横から取り出すイメージ。


また、過去記事で書いたけど、車体に直接載せるとレッグシールドが擦れてしまう。だが、養生テープを貼っておけば防げるし、ラフ&ロードから別売で「CR1002プロテクションフィルム」という製品も用意されている。

――結論としては、さすがの使い勝手。少々値は張るけど、その分のクオリティはしっかり確保されており、カブユーザーが欲しいモノをしっかりカタチにしてくれたと思う。自分にとってもはやツーリングの必需品になったので、いい買い物をしたゾ!

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