レッドバロンのオリジナル用品ブランドROMに加わった始動用バッテリー充電器『ROM-オプティメート4クアッド』。その特徴は、鉛バッテリーである開放バッテリーやMFバッテリーはもちろん、より長寿命で軽量なリチウムイオンバッテリーにも対応していること。

MFバッテリーとの適正は前回のテストで試してみたが、今回はいよいよリチウムバッテリーへの適正を試してみよう。テストにあたり用意したのは、エリーパワーの「HY93-C」。2017年モデルのCBR1000RRからホンダのバイクに純正採用された国産リチウムバッテリーであり、僕自身、何度もこのバッテリーが搭載されたCBR1000RRやCRF1100Lアフリカツインの広報車に乗っている。その通常のMFバッテリーと全く遜色ない使い勝手はすでに体感済みであり、自分のバイクにも積んでみたいと思っていた。

そんなところで一般的な鉛バッテリーも、軽量なリチウムバッテリーにも使えるバッテリー充電器『ROM-オプティメート4クアッド』が出てしまったものだから、ますますリチウムバッテリーに興味が出てしまったというわけだ。

色々なバイクイベントへ出店しているエリーパワーでは会場特価でリチウムバッテリーを販売中。カード決済にも対応しているぞ!

色々なバイクイベントへ出店しているエリーパワーでは会場特価でリチウムバッテリーを販売中。なんとカード決済にも対応しているぞ!

 

しかも、先日訪れたウェビックフェスティバルにエリーパワーがブース出展しており、“イベント会場限定の特別価格で提供中!”なんて値札を見てしまったのだからたまらない。会場特価といっても2.5渋沢栄一(旧単位:諭吉)なので安い買い物ではないが、スタッフの方にいろいろお話を聞いていたらどうしても試したくなってしまった。

エリーパワーの「HY93-C」。安心のメイドインジャパンだ。

エリーパワーの「HY93-C」。安心のメイドインジャパンだ。

『ROM-オプティメート4クアッド』でエリーパワー「HY93-C」を充電してみる

エリーパワーの「HY93-C」の重さは実測1065g。WR250Rの「YTZ7S」が約2.1kgで、テネレ700の「YTZ10S」が約3.2kgなので相当な軽量化が見込める。

エリーパワーの「HY93-C」の重さは実測1065g。WR250Rの純正バッテリー「YTZ7S」が約2.1kgで、テネレ700の「YTZ10S」が約3.2kgなので相当な軽量化が見込める。しかも、放置に強く10年近く使えるというからちょっと試してみたくなったのだ。

 

ハイッ! というわけで購入決定したのはいいのだが、ブースでスタッフの方に色々お話を聞いてみるといくつか注意点があるらしい。まずはバッテリー端子の向き。エリーパワー「HY93-C」は右がプラスで左がマイナス。

ちなみにエリーパワー「HY93-C」に換装予定なのはヤマハのWR250Rとテネレ700。ヤマハのWR250Rの純正バッテリーは「YTZ7S」で端子の向きが一緒なので問題なさそうだが、テネレ700の方は「YTZ10S」で+−端子の配置が逆だった。

ただ「HY93-C」のサイズはW112×D70× H93mmとコンパクトでテネレ700純正の「YTZ10S」より随分小さい。また横倒しだろうと逆さまだろうとバッテリーボックスに収まりさえすれば、どの向きでも設置OKらしいのでこのあたりは色々試してみることにしよう。

バイクの搭載前にまずは『ROM-オプティメート4クアッド』でエリーパワーの「HY93-C」を保充電。リチウムイオンバッテリー対応の『ROM-オプティメート4クアッド』なら問題なく充電できた。

バイクの搭載前にまずは『ROM-オプティメート4クアッド』でエリーパワーの「HY93-C」を補充電。リチウムイオンバッテリー対応の『ROM-オプティメート4クアッド』なら問題なく充電できることが確認できた。

『ROM-オプティメート4クアッド』には、鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの切り替えボタンが付いており両方のバッテリーに使えるのだ。

『ROM-オプティメート4クアッド』には、鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの切り替えボタンが付いており両方のバッテリーに使えるのだ。

 

またもう一つの懸念材料はエンジンの気筒数だ。エリーパワー「HY93-C」の取扱説明書をよく読むと、取り付け可能なオートバイについて、“エンジンの種類が3気筒以上のオートバイであること”なんてことが書いてある。

えっ? テネレ700は2気筒だし、WR250Rは単気筒だよ? なんて思いながらこちらもエリーパワーの方に聞いてみれば、どうやら「HY93-C」にはヒューズが内蔵されており、バッテリーの許容範囲を上回る電流や電圧が流れるとバッテリーを保護するためにヒューズが作動してしまうのだとか。このため「HY93-C」を正しく運用するためには充電電圧が13.8〜14.7Vの範囲に収まっていることが重要。単気筒や2気筒の車両の中には、ごくわずかな確率ではあるがエンジン始動時に一瞬、過電流が発生する場合があるらしく、エリーパワーのリチウムイオンバッテリーを純正採用しているCRF1100Lアフリカツインや単気筒のCRF系のレーサーには過電流の発生を車両側で制御しているとのこと。

ちなみに「HY93-C」のヒューズが作動した場合どうなるのかというと、そのバッテリーは回路が遮断され使用できなくなってしまう。まぁ、ヒューズ作動したらバイクが始動できなくなってしまうというわけだが、いきなり爆発したり燃え出したりするよりははるかにマシ(笑)。“保護機能は必要”という日本メーカーらしい安全重視の設計ならむしろとても安心感がある。

テネレ700とWR250Rの充電電圧などは測ったことがないのでわからないが、積んでみて始動時にヒューズが切れたらそれまでだし、しばらくはテストと考えて元のバッテリーを携行すれば最悪現場でのバッテリー交換で済む。この際、人身御供として色々な走行条件を試して信用できるようになる(失礼っ!)まで使い倒してみることにしよう。

さて、次回はいよいよエリーパワーの「HY93-C」をWR250Rとテネレ700に積んでエンジン始動をしてみよう。ヒューズは作動するのか? しないのか? ちなみにエリーパワーでは、「一般販売品で保証期間の購入後3年以内であれば、ヒューズ作動も1回に限り保証対応(保証適用はメーカー判断必要)」とのことなので、安心して試せるぞ!

エリーパワーの「HY93-C」に限らず、リチウムイオンバッテリーは市販のジャンプスターターやブースターケーブルを使っての始動はNG。バッテリーマネージメントシステムのヒューズが作動して一発で使えなくなってしまうので覚えておこう。

 

さて、次回はいよいよエリーパワーの「HY93-C」をWR250Rとテネレ700に積んでエンジン始動をしてみる。果たしてヒューズは作動するのか? しないのか? エリーパワーでは、「一般販売品で保証期間の購入後3年以内であれば、ヒューズ作動も1回に限り保証対応(保証適用はメーカー判断必要)」ということだから安心して試せるのだ!  乞う、ご期待!

 

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