秋のツーリングのお楽しみのひとつ、紅葉狩り。バイクで走るにはちょっと寒いけど、赤や黄色に染められた野山は燃え上がるような美しさで、「見に来た甲斐があったな」と誰もが納得するはず。気になるのは「いつ行くか」というタイミングですが、八ヶ岳のふもと、清里(きよさと)や野辺山(のべやま)であれば、11月第一週あたりかな? というのが筆者の予想です。

八ヶ岳高原ライン

 まずは中央道・小淵沢ICを降り、すぐに始まる八ヶ岳高原ライン(県道11号、北杜富士見線)を走りましょう。清里高原へと向かうこの県道は、かつて有料の観光道路でした。春は新緑、秋は紅葉が美しい高原ワインディングロード。

 全線、紅葉が楽しめますが、道の途中に現れる赤いアーチ橋「東沢大橋」(通称:赤い橋)は人気の絶景ポイント。橋を渡ってすぐのところに展望のいい駐車場がありますので、立ち寄ってみましょう。

八ヶ岳高原ライン

 川俣川渓谷にかかる長さ90m、高さ48.9mの東沢大橋の背景には八ヶ岳がそびえます。
 この写真を撮影したのは、とある年の11月8日。駐車場のモミジは真っ赤に染まっていましたが、橋の向こう側は葉が落ちてしまっていますね。紅葉狩りにはちょっと遅かった? ここの標高は1,470mぐらいですから、里よりも寒く、紅葉が早いのです。

清里を代表する施設「清泉寮」

 清里高原に入ったら、清泉寮へ向かいます。清泉寮は現在、ロッジ、レストラン、カフェ、八ヶ岳自然ふれあいセンター、ギフトショップなどを有する巨大な宿泊研修施設ですが、そもそもは「清里の父」と呼ばれるアメリカ人のポール・ラッシュ博士によって創立されたキリスト教指導者研修施設。戦後の日本に新しい農村コミュニティを建設し、民主主義を普及させることを目的としてスタートしたようです。

清泉寮

 原野だった清里を開拓していったポール・ラッシュ博士。清里の今の賑わいを知ったら、きっと喜ばれることでしょう。
 ちなみに清泉寮は昔からソフトクリームが有名。広大で牧歌的な風景を眺めながら、味わってみてください。

八ヶ岳のふもとを走り回る!

八ヶ岳

 山梨県側の清里高原から、国道141号線で県境を越えて長野県側に入れば、そこは野辺山高原。
 野辺山高原に入ったら国道を離れ、西にそびえたつ八ヶ岳へ向かって農道をとにかく走り回ります。「どこかにいい景色はないか?」と、絶景ハンティングを楽しみましょう。八ヶ岳のふもとは、広い大地と大きな空が魅力。ナビも使わず、ただただ走り回る。ツーリングしていて気持ちがいいなと感じられるのは、たいていこんな時です。

野辺山の人気観光牧場「滝沢牧場」

滝沢牧場

 野辺山高原にある滝沢牧場は、子供から大人まで楽しめる観光牧場です。八ヶ岳をバックにした広い敷地には、キャンプ場、放牧地、動物ミニランド、馬場、馬小屋、四輪バギーコース、バーベキューハウスなどがあり、一日いても飽きない場所。秋の牧場風景というのも、メルヘンチックでいいものです。
 バーベキューは肉、野菜、ライス、漬物、牛乳がセットになって1,800円~。カレーやピラフ(どちらもサラダ・牛乳付き)なら900円。
 乗馬は引き馬(コース)で1人(4歳以上)1,200円。四輪バギーは1人1,200円。

滝沢牧場

 滝沢牧場の魅力は、もうひとつあります。馬小屋の二階に泊まることができるのです。料金は1人1泊2,500円。
 部屋の中には二段ベッドがあるのみで、あとは何もなし。馬小屋の匂いに包まれながらベッドに横たわると、時おり、階下から「ヒヒ~ン」と馬の鳴き声が。
 こんな経験、ここ以外にできるところがあるでしょうか? 筆者はこれが好きで、八ヶ岳ツーリングの際には過去3度も馬小屋に泊まっています。

八ヶ岳高原大橋で紅葉に包まれる

 八ヶ岳高原大橋

 八ヶ岳で紅葉を愛でる、といえば、八ヶ岳高原大橋も外せません。県道28号線、川俣川に架かる高さ100m、全長490mの橋(通称:黄色い橋)。
 この画像を撮影したのは、同じ年の11月9日。今年ももうすでに、同じぐらい染まっているかも知れません。
 川を渡るというよりも、まさに色とりどりに染まった森を渡るといった印象。橋の北側にある北詰展望駐車場にバイクを停め、秋の八ヶ岳高原をご堪能ください。

 

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