既存のホンダ・CRF250LCRF250ラリーだけでなく、2024年末にはカワサキからKLX230KLX230シェルパが登場し、スズキからも久々の400ccクラストレールのDR-Z4Sが発表されるなど、にわかに盛り上がりつつあるバイクのジャンルがオフロードだ。ただこのオフロードバイク、いざ始めようとするとちょっとばかし特殊でエントリーユーザーにはわかりにくいことも多い。そこでオフロードバイク遊びをするためのハウツーを毎回少しずつ紹介していこうというのが本企画の趣旨。今回はオフロード遊びの代表格である「林道ツーリング」のための、ダート林道の探し方を伝授!

ダート林道を見つける作業自体を楽しさと捉えよう!

ひと昔前よりも随分と舗装化が進み減ってしまったダート林道。でもね、探せばまだまだ見つかるのがダート林道。未だ見ぬダートを探し出して訪ねるのも宝探し的な要素があって楽しいのだ。

ひと昔前よりも随分と舗装化が進み減ってしまったダート林道。でもね、探せばまだまだ見つかるのがダート林道。未だ見ぬダートを探し出して訪ねるのも宝探し的な要素があって楽しいのだ。

 

未舗装路の林道。いわゆるダート林道を目指して走る林道ツーリング。でも、「このあたりにダート林道がありそうな気がする!?」なんて、闇雲に走ったところで、都合よくダート林道に出会う確率はかなり低い。いや、このご時世ほぼ皆無といっていいだろう。邪の道は蛇、それなりの探し方があるのだ。

初心者にとって手っ取り早いのが、 昭文社が出しているツーリングマッ プルを活用すること。このツーリング マップルには、ロードバイク向けのおすすめ情報はもちろんだが、オフロードライダー向けのダート林道情報も収録されている。地図を読んでダート林道を見つけ出し、後日そこを訪ねるというのがもっともスタンダードな林道ツーリングのやり方だ。ちなみにツーリングマップルに掲載されている林道は、通り抜けできる...、行き止まりで戻ってくる必要がない林道の情報が基本なのでツーリングのプランに組み込みやすいのが特徴。またダートの総延長距離や通行止めなどの情報も毎年更新されているため、その情報は“かなり”アテにできる。

昭文社のツーリングマップルは全国を7地域に分けて、ライダ ーが好きそうな場所や道を教えてくれる便利な地図で、なんとダート林道の情報も収録している。地図上の赤い破線がダート林道を示しており、林道名とダート区間の距離が一緒に記載されている。

昭文社のツーリングマップルは全国を7地域に分けて、ライダ ーが好きそうな場所や道を教えてくれる便利な地図で、なんとダート林道の情報も収録している。地図上の赤い破線がダート林道を示しており、林道名とダート区間の距離が一緒に記載されている。

昭文社のライダー専用地図・ツーリングマップルには、基本的に“通り抜けられる”ダート林道が地図上に示されている。

昭文社のライダー専用地図・ツーリングマップルには、基本的に“通り抜けられる”ダート林道が地図上に示されている。

 

また専門のガイドブックを利用するのも一つの手。最寄りのインターチェンジからのアプローチの仕方や、ガソリンスタンドの情報、道の荒れ具合や難易度などが示されていて参考になる。ただ、林道の状況は雨一つで大きく変わるし、通行止めにもなる。情報はあくまで参考程度にとどめよう。

実業之日本社の「林道ツーリングガイドブック2024~2025」。オフロードバイク雑誌GoRIDEで訪れた林道をガイドブック化したもので、実は僕も連載していた林道ガイドページの情報も数多く掲載されている。

実業之日本社の「林道ツーリングガイドブック2024~2025」。オフロードバイク雑誌GoRIDEで訪れた林道をガイドブック化したもので、実は僕も連載していた林道ガイドページの情報も数多く掲載されている。

 

見つけられても辿り着けないのがダート林道!?

地図や情報では簡単にダート林道を探し出せても、実際に現地で林道に辿り着くとなると話は別である。ダートへ続く道が一本道なら間違うことはないが、大抵そううまくはいかない。ツーリングマップルの地図は縮尺の関係で省略されている道が数多くあり、しかも集落のそばに林道の入り口がある場合は、「えっ? こんなところに入り口があるの!? 人ん家の裏庭なんじゃないの?」なんてシチュエーションもよくある。

林道は入口を見つけるのが一番難しい(笑)。こんな県道からの脇道が林道の入り口だったりするのだ。

ダート林道はその入口を見つけるのが一番難しい(笑)。こんな私道のような脇道が林道の入り口だったりするのだ。

 

ただ、最近は非常に便利な世の中で ある。目的の林道の名前さえツーリングマップルで見つけてしまえば、『○○林道』もしくは、『○○林道・通行止め』なんてキーワードで検索をかければ、大抵なんらかの情報がヒットする。個人のブログだったり、県や市の通行止め情報だったりするが、とにかく直近情報を探して、まずは通行可能なのか? ダート区間は残っているか? を確認。

個人のブログだと、たいてい入り口や出口の情報も併せて掲載されている ので、それらを参考に林道へアプローチ。ただ気をつけるべきは走行した年月日。林道は生き物、台風がくれば崖崩れも起きるし、月日とともに舗装化も進む。古ければ古いほど信頼性は薄く、直近であればあるほど信頼できる情報となる。

林道の多い山梨県などは、県のホームページで林道の通行止めやその期間などの情報をきっちり公開している。リアルタイムの情報を調べることで、現地で通行止めを食らう確率を減らそう。

林業の盛んな山梨県などは、県のホームページで林道の通行止めやその期間などの情報をきっちり公開している。リアルタイムの情報を調べることで、現地で通行止めを食らう確率を減らそう。

 

ちなみに筆者が最近活用しているのはGoogleマップのストリートビュー。ストリートビューの撮影カーは行き止まりや通行止めはもちろんだけど、砂利道に出くわしても撮影をやめて引き返す習性(?)がある。つまり山奥でどん詰まっているにストリートビューを丹念に見ていくと、意外な場所で意外なダート林道の入口が見つけられたりする。

Googleマップのストリートビューで右下の「人型のアイコン」を摘んでドラッグすると撮影済みの道路が青く反転する。つまり地図上では道がまだ続いているのに青線が途切れている道はそこからダートである可能性が高いのだ。

Googleマップのストリートビューで右下の「人型のアイコン」を摘んでドラッグすると撮影済みの道路が青く反転する。つまり地図上では道がまだ続いているのに青線が途切れている道はそこからダートである可能性があるのだ。

 

さらに同じくGoogleマップの「マイマップ」機能を使えば自分だけのオリジナル林道地図を作ることも可能。林道の入り口や迷いやすい分岐をポイントしておけば、現地ではスマートフォンで確認しながら林道の入り口を探せて迷うことがとても少なくなる。かつて僕がGoRIDE誌で作った林道ガイドのページではこの「マイマップ」のアドレスをQRコード化して誌面に掲載。アプローチで迷わなくなった!と結構人気だったんだよね。

林道は見つけられても、辿り着くのが難しい。しかも苦労して辿り着いても通行止め……なんてこともよくある。林道ツーリングにはいかに“鮮度のいい情報”見つけるかが重要なのだ。

林道は見つけられても辿り着くのが難しい。しかも苦労して辿り着いても通行止め……なんてこともよくある。林道ツーリングはいかに“鮮度のいい情報”を見つけるかが重要なのだ。

 

さて、これだけ準備を重ねて出かけて も、最初は目的の林道をうまく見つけられない……なんてことがあるかもしれない。でもね、だからこそ林道ツーリングは宝探し的なアドベンチャー要素があって楽しいのだ。

 

 

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