北海道の楽しみ方は人それぞれです。「最北端を目指す」「海の幸&山の幸をたらふく食う」「信号のない直線道をひたすら走り続ける」など、挙げ出したらきりがありません。その中でも筆者が一番推したいのは、雄大な自然を堪能できるロングダートを走行する林道ツーリングです。

北海道は主要道路から離れ、山や森に向かって少し走り出すだけで、すぐにアスファルトに覆われていないダートを見つけることができます。スマートフォンの地図アプリで検索すればどこに繋がっているかを確認することは容易く、自治体などのホームページで、通行止めかどうかもリアルタイムで確認することができます。

しかし、いくら情報があっても初心者やビッグオフで進入するには経験と腕、そして勇気が必要です。筆者は今までに全国の林道を走ってきましたが、北海道での走行経験は数回。ふと見つけたダートへの進入は、小回りが効き、走破能力の高いCT125ハンターカブであっても躊躇します。

そこで思いついたのは、ツーリングライダーが愛用し、長年の経験と実走行データをもとに作られた「ツーリングマップル(発行:昭文社)に掲載されていて、且つ厳しいコメントがついていないダート」限定で走ること、です。路面状況や通行止め情報も記載されていますし、極端に荒れた道は掲載されていないと予想しました。

そこで、ツーリングマップルの地図がスマートフォンで閲覧できる「Route!」というアプリを使用し、道東方面の林道14箇所を走ってきたので紹介します。Route! にはWebサイトがありますので、詳しくはこちらでご確認ください。

苫小牧港にはフェリー。しかも自動車で上陸!?

ツーリングライダーから怒られてしまいそうですが、北海道へは愛車のルノー カングーにCT125ハンターカブを積載して上陸しました。言い訳がましくも聞こえるかもしれませんが、仕事の都合でどうしても車が必要だったためです。

苫小牧市での仕事を終えた後は、カングーに乗り道東へ。目指したのは釧路湿原にある達古武(たっこぶ)オートキャンプ場です。上の写真は道中、寄り道をした昆布刈石展望台へアクセスするダートです。全長2.8kmほどですが、乗用車でも問題なく走破できる路面でした。

 

 

CT125ハンターカブ、キャンプ道具、仕事で使用した備品を満載し、苫小牧港から襟裳(えりも)岬経由で釧路へ移動しました。

キャンプ場はテントサイトと駐車場が隣接し、達古武湖を間近に感じることができるキャンプ場です。ここへ車を置きCT125ハンターカブを下ろし、周辺の林道を3日間にわたって楽しむ計画です。


2022年にもCT125ハンターカブで北海道ツーリングをしましたが、その時はパニアケースを装着するなどこの3倍近い荷物を積載していました。今回は荷物をキャンプ場に置いていくので、身軽に林道走行を楽しめます。

1本目:釧路湿原を上から眺める細岡展望台を起点とした林道

キャンプ場から摩周国道(国道391号)を釧路市方面へ南下してすぐに「細岡展望台」の看板があります。そこを右折すると、ほどなくして釧路本線の細岡駅です。

さらに先に進むと釧路湿原を東から一望できる細岡展望台駐車場(無料)があるのでバイクを停めます。そこからは遊歩道を10分ほど歩くと展望台に到着。

しかし、この日は残念な天候。雨こそ降っていないもののガスっていて眺望は開けていませんでした。

その道をさらに進んでいくと路面はダートとなります。木々が生い茂る中、高度を上げていくと見晴らしの良い場所に到着しました。

先ほどの展望台よりも眺望が開けているのかな? ここを境に道は下りになります。ちなみに路面は荒れていて、所々に流水痕がありますので、初心者やビッグオフの方は要注意です。

細岡駐車場から林道の出口まで

ダート区間:8km強
路面:ほとんどが砂利と土のフラット。流水痕と若干荒れたガレ場あり
高低差:あり
すれ違った車:0台(バイクの走行痕跡あり)
出会った動物:0匹
熊の痕跡:なし
難易度:★★

【難易度の説明】
難易度は筆者評価の5段階です。★が多いほど上級者&軽量トレール車向けの道。★3以上は初心者やソロライダーにはお勧めできません。


★1……乗用車でも走れる、道幅があり路面がフラット。生活道路として使われている。
★2……乗用車でも走れる、道幅が狭く路面上の石がやや大きく荒れているが、ほとんどがフラット路面
★3……4輪駆動車なら走れる、道幅が狭く、ガレ、ヌタ場が多く、さらに流水痕多し
★4……車は侵入できないが、バイクは入れる道幅。ガレ、ヌタ場がが多く、深い流水痕がある
★5……握り拳大以上の大きな石や岩。倒木や道の崩壊などがある

2本目 達古武近くの摩周国道から東へ続く林道

一旦、遠矢(とおや)駅近くのセイコーマートで休憩。水分補給をしつつ、携行食と追加のドリンクを購入します。摩周国道を北上し達古武まで戻り、達古武湖と逆方向の東へバイクを向けます。国道を外れるとすぐにダートとなります。釧路市と標茶町を跨ぐ林道です。高低差もあまりなく、直線の多いダートでした。

摩周国道から東へ抜けるダート

ダート区間:5km
高低差:なだらか
路面:ほとんどが砂利と土。フラット
すれ違った車:0台
出会った動物:0匹
熊の痕跡:なし
難易度:★

次の林道までの間に牧場が点在しています。

3本目:釧標国道(国道272号)へ抜ける林道。通行止め

アスファルト路面の道を10分ほど走ると、釧標国道(国道272号)へ抜ける林道に出会います。フラットですが、上り坂且つやや大きめの砂利が浮いている路面です。入ってから2kmほどの地点に倒木があり通り抜けることができませんでした。残念。

ダート区間:3.7kmほどあるらしい(筆者は2kmのみ走行)
高低差:ややあり
路面:ほとんどが砂利と土のフラット。ちょこっと大きめの砂利で浮いていた
すれ違った車:0台
出会った動物:0匹
熊の痕跡:なし
難易度:★

釧標国道(国道272号)を北上します。少し走ると塘路湖の北岸をかすめて摩周国道へ戻る塘路広域林道の入り口にたどり着きます。目印は「北片無去バス停」で、入り口には林道の看板が立っています。

そして次は本日のメインディッシュとなる19kmものロングダート「塘路広域林道」です。ツーリングマップルには「景色が多彩なブラインドコーナー多いダート19km」と記載されているので、走りごたえのありそうな道に期待大です。

 

(つづく)

 

おまけ:この日のGPS軌跡

先述したツーリングマップルのアプリ「Route!」ではGPSを使用した走行軌跡ログを保存することができます。月額の使用料金(600円)が必要ですが、全国のツーリングマップルを閲覧可能。

なお、紙版のツーリングマップルを購入すると、そのエリアのみアプリ上で閲覧可能なサービスコードが付いてくきます(有効期限は1年)。紙版を購入した方もぜひ使ってみてください。

下記が1日目の走行ログです。キャンプ場を起点に周回しているのがわかります。倒木があって引き返したルートも保存されています。

アプリ、サービスの詳細とダウンロードはこちらから。
Route!(昭文社)

 

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