美しい風景に包まれながら、バイクで気持ちよく走ることができる道。日本各地にもたくさんありますよね。「ForR」では〈爽快ロード〉のタグをつけて紹介していきますが、この山口県の秋吉台道路は国内ベスト10に挙げてもいいぐらい。その理由をこれからお伝えします!

日本最大のカルスト台地を走る!

秋吉台カルストロード

 秋吉台は、山口県美祢(みね)市の中・東部に広がる日本最大のカルスト台地。総面積は130平方キロメートルで、東京ドームだと277個分? よく分かりませんが広いんです。標高は200~400mほど。
 カルスト台地とは、石灰岩などの水に溶けやすい岩石で構成された大地が、雨や地下水によって浸食されてできた地形のこと。日本ではこの秋吉台と、愛媛・高知県境の四国カルスト、福岡県北九州市の平尾台が、規模の大きさから日本三大カルストと称されています。
 秋吉台に延びる山口県道242号・秋吉台公園線は、広大なカルスト風景を堪能しながら走ることができるワインディングロード。かつては秋吉台有料道路という名の観光道路でしたが、無料化されてからは秋吉台道路、秋吉台スカイライン、秋吉台カルストロードなどの愛称で親しまれています。

約8kmのノンストップ・ワインディング

秋吉台

 地図上、赤く示している道が秋吉台道路。全線片側一車線の道で、穏やかなアップダウンと、きつすぎないコーナーで構成されています。広大かつ極めて特徴的なカルスト風景と、8kmほどの長いワインディングは、ツーリングの目的地として申し分のないもの。ただしブラインドコーナーではよく注意して走行してくださいね。行楽で訪れた乗用車が、記念撮影をするため、路肩に停まっていたりもします。その路肩にしたって、歩道と呼べるほどの幅がありませんから、クルマは道路に大きくはみ出してしまうのです。

秋色に染まった秋吉台も美しい

秋吉台

 広大な草原には、無数の石灰岩が墓石のように林立しています。こういった地形を〈カレンフェルト〉と呼ぶそうですが、そんじょそこらでは見られない特異な風景ですから、初めて走った時は度肝を抜かれました。緑の美しい夏はもちろん、秋になって草が枯れ、黄金色に輝いている時期も感動モノ。

巨大な鍾乳洞「秋芳洞」も必見スポット

秋芳洞

 秋吉台の地中100~200mには、特別天然記念物に指定されている鍾乳洞があります。日本三大鍾乳洞のひとつ、秋芳洞(あきよしどう)です。総延長は10.7kmを越え国内最大規模、そのうちの約1kmが観光コースとして整備されています。入洞料金は大人1300円、観光所要時間は往復約90分(正面入り口付近にある市営駐車場は、バイクなら無料)。洞内の気温は四季を通じて17℃のため、夏でも冬でも快適に探勝できます。秋吉台は、バイクでただ走り抜けるだけではもったいない。長い年月をかけて生み出された自然の造形美を、ぜひご堪能あれ。

ご当地グルメ「瓦そば」も忘れずに!

瓦そば

 せっかく山口県に来たのですから、名物の瓦そばも味わっておきましょう。元祖は下関市豊浦町の川棚温泉にある「元祖瓦そば たかせ」ですが、秋吉台周辺の飲食店でも食べられます。熱々の瓦にのっているのは、お肉と茶そばを焼いたもの。これをそばつゆにつけていただくのですが、途中、そばちょこにレモンスライスやもみじおろしを入れると味変に突入、さっぱりキリリとした味わいで、いくらでもツルツルいけちゃいそう。
 ということで秋吉台周辺、旅好きのライダーにはおすすめです!

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