10月9~10日、東北最大級のバイクイベントが開催されました。イベント名は第1回「バイカーズパラダイス蔵王ふりふりweek」。会場は山形県山形市の蔵王温泉。ForRでも紹介している絶景ワインディングロード「蔵王エコーライン」のすぐそばです。走りを楽しんで、イベントも楽しむ。実に素晴らしいバイクイベントでした。
催し物はトークショーの他、有名ミュージシャンによるライブ、プロカメラマンによる撮影サービス、エクストリームショーなど盛りだくさん。
これはエクストリームの第一人者であるシン・キノシタ氏によるライディングパフォーマンス。ファンティックのキャバレロを使ってアクロバティックなライディングを披露してくれました。
会場にはバイクメーカーや用品メーカーのブースが並び、車両展示やグッズ販売を行なっていたのですが、筆者は地元のバイクショップ・ハヤサカサイクルの展示ブースで、思わず目を見開いてしまいました。こ、この手があったか!
展示バイクはすべて、エンジンの下に木製の支えが差し込まれていたのです! ハヤサカサイクルは、宮城県仙台市に本社を置くバイクショップ。これは絶対、地震対策に違いない。ブースのスタッフをしていた店員さんに、聞いてみることに。
「東日本大震災でお店の展示車両が、かなり倒れましたよね。これを考案したのは、その経験がきっかけですか?」
店員さん、二コリ。まさにその通りです、と。
10年前の3月11日。筆者は郷里の岩手県にいましたから、バイクショップの展示車両がどういう状況になったか、現地で聞いていました。地震の大きな揺れによって、売り物のバイクがドミノ倒しのようになったり、ショーウインドウを突き破ったり……。
そこでハヤサカサイクルは対策を練り、これを考案したんだそう。
3枚の板を組み合わせ、釘で打つ。実に簡単です。板はホームセンターなどで安く販売されている、2×4(ツーバイフォー)木材でしょうか。厚み38㎜×幅89㎜、店頭では「SPF材」と表記されていることも多いですね。6フィート(約1,820㎜)1本で数百円。6フィートあれば2つは作れそうです。
これはマネして作る価値あり。2×4木材は柔らかい材質なので、バイクを傷つけにくいかも。傾斜の角度は、自分の愛車に合わせればOKでしょう。
バイクを買い替えたとして、ちょっと高さが足りなくなったな、というときは、端材を足して調整すればいい。ちょっとくらい足したって無理、だって買い替えたのはオフロードバイクだもの、という場合は……。
こうすればいい、ってことですね。
お店で倒れたバイクは、ほとんどがサイドスタンドの反対側に、だったそうです(一部、サイドスタンドがセルフで跳ね上がるタイプを除く)。ハヤサカサイクルのみなさん、撮影許可と詳しいお話、ありがとうございました。
30年以内に約70%の確率で発生するとされる首都直下地震、南海トラフ地震。そうでなくても大きな地震は起こり得ます。あるいは気候変動の拡大によって近年増え続ける、大型台風。普段から対策しておいて損はありません。
みなさんも、ぜひ!