どんなに素晴らしいレインウェアであっても、しばらく使っているうちに撥水性が落ちてくるもの。さて、どうします? 普通は撥水スプレーを使うところですが、手元になかったとしたら……。そんなときは、ドライヤーを使えばいいのです。

大人気のレインウェアであっても

 「これはいい!」とForRでも紹介されている、透湿防水・高耐水圧・ストレッチ素材のレインウェア、ROM『ライディングレインスーツ』。筆者も愛用しています。

レインウェア

ROM『ライディングレインスーツ』
●税込価格:1万780円
●サイズ:SS、S、M、L、LL、3L (SS はピンク×チャコールのみ。またピンク×チャコールはSS、S、Mの3サイズ)
●耐水圧:20000mm ●透湿度:20000g/㎡・24h

レインウェア

 どれだけスゴイのか。ForR執筆者のひとり谷田貝洋暁さんがケルヒャーの高圧洗浄機を相手に体を張ってテストしておりますが、高性能かつ収納時はコンパクト、という点も筆者のお気に入りポイントのひとつ。ツーリング時の荷物が、かさばらなくて済みますからね。
 でも、やっぱりこれも当然のことながら、他のレインウェア同様、使っているうちに撥水力は落ちてきます。
 で、どうするか。正しい対策としては、こうです。
 汚れているようならば、専用洗剤で優しく手洗いする。ハンガーに吊るして形を整え、陰干しする。乾いたら、撥水スプレーをかける。
 なのですが、専用洗剤や撥水スプレーがなかったら……。そんなときはドライヤーを使ってみましょう。

ツーリング先のホテルでも!

レインウェア

 レインウェアの表地が汚れているようなら、水で濡らして固く絞ったタオルで、汚れを拭きとります。ゴシゴシと強くこすりつけると、汚れが繊維の奥へと押し込まれてしまう恐れもありますから、優しくこすります。

レインウェア

 その後、レインウェアの表地に、ドライヤーの温風をかけていきます。
 温風を長時間当て続けると、レインウェアの素材に悪影響を与える可能性がありますので、要注意。
 筆者の場合、ドライヤーの先端は表地から10㎝以上離し、一ヵ所につき30秒程度までにしています。この点はお使いのドライヤーの性能に合わせて、加減してみてください。
 タオルもドライヤーも、ご自宅にはありますよね。ホテルにだって、用意されています。泊まりがけのツーリング中、レインウェアの撥水性が落ちてきたなと感じたら、ホテルに備えつけのドライヤーでぜひ、お試しを。

違いは明らか!

 ドライヤーの温風を当てただけで、撥水力はこんなに回復します。
 まずは、当てる前。スプレーで水を吹きかけてみます。レインウェアの表地に水が広がり、へばりついているような状態。

レインウェア

 それが、温風を当てると……。

レインウェア

 表地が水をきれいに弾き、丸い水滴になりました。これなら走行風で、カンタンに吹き飛んでいってくれることでしょう。
 どうして撥水性が回復したのか。簡単に説明すると、新品時に施されていた撥水加工〈フッ素樹脂加工〉が、ほぼ復活したから。難しく説明すると、摩擦や汚れなどで寝てしまった撥水基が加熱によって立ち直り、ナンチャラカンチャラです。
 長くなるので説明は省きますが、ドライヤーで温風を当ててもダメ、洗って汚れを落として乾かして撥水スプレーをかけてもダメ、という場合は、表地の裏側にあるラミネートフィルムなどの防水層が傷んでいる可能性があります。その場合は傷んだ箇所にリペアシートを貼って補修するか、そんなのメンドーだからもう諦めて買い替えるか、という話になるでしょう。
 最後に。レインウェアは普段、収納袋から取り出して吊るしておいたほうが、長持ちします。収納袋に入れっぱなしの人、多いと思いますけどね。もちろん筆者もそのひとりですが(笑)。

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