どんなに素晴らしいレインウェアであっても、しばらく使っているうちに撥水性が落ちてくるもの。さて、どうします? 普通は撥水スプレーを使うところですが、手元になかったとしたら……。そんなときは、ドライヤーを使えばいいのです。
大人気のレインウェアであっても
「これはいい!」とForRでも紹介されている、透湿防水・高耐水圧・ストレッチ素材のレインウェア、ROM『ライディングレインスーツ』。筆者も愛用しています。
どれだけスゴイのか。ForR執筆者のひとり谷田貝洋暁さんがケルヒャーの高圧洗浄機を相手に体を張ってテストしておりますが、高性能かつ収納時はコンパクト、という点も筆者のお気に入りポイントのひとつ。ツーリング時の荷物が、かさばらなくて済みますからね。
でも、やっぱりこれも当然のことながら、他のレインウェア同様、使っているうちに撥水力は落ちてきます。
で、どうするか。正しい対策としては、こうです。
汚れているようならば、専用洗剤で優しく手洗いする。ハンガーに吊るして形を整え、陰干しする。乾いたら、撥水スプレーをかける。
なのですが、専用洗剤や撥水スプレーがなかったら……。そんなときはドライヤーを使ってみましょう。
ツーリング先のホテルでも!
レインウェアの表地が汚れているようなら、水で濡らして固く絞ったタオルで、汚れを拭きとります。ゴシゴシと強くこすりつけると、汚れが繊維の奥へと押し込まれてしまう恐れもありますから、優しくこすります。
その後、レインウェアの表地に、ドライヤーの温風をかけていきます。
温風を長時間当て続けると、レインウェアの素材に悪影響を与える可能性がありますので、要注意。
筆者の場合、ドライヤーの先端は表地から10㎝以上離し、一ヵ所につき30秒程度までにしています。この点はお使いのドライヤーの性能に合わせて、加減してみてください。
タオルもドライヤーも、ご自宅にはありますよね。ホテルにだって、用意されています。泊まりがけのツーリング中、レインウェアの撥水性が落ちてきたなと感じたら、ホテルに備えつけのドライヤーでぜひ、お試しを。
違いは明らか!
ドライヤーの温風を当てただけで、撥水力はこんなに回復します。
まずは、当てる前。スプレーで水を吹きかけてみます。レインウェアの表地に水が広がり、へばりついているような状態。
それが、温風を当てると……。
表地が水をきれいに弾き、丸い水滴になりました。これなら走行風で、カンタンに吹き飛んでいってくれることでしょう。
どうして撥水性が回復したのか。簡単に説明すると、新品時に施されていた撥水加工〈フッ素樹脂加工〉が、ほぼ復活したから。難しく説明すると、摩擦や汚れなどで寝てしまった撥水基が加熱によって立ち直り、ナンチャラカンチャラです。
長くなるので説明は省きますが、ドライヤーで温風を当ててもダメ、洗って汚れを落として乾かして撥水スプレーをかけてもダメ、という場合は、表地の裏側にあるラミネートフィルムなどの防水層が傷んでいる可能性があります。その場合は傷んだ箇所にリペアシートを貼って補修するか、そんなのメンドーだからもう諦めて買い替えるか、という話になるでしょう。
最後に。レインウェアは普段、収納袋から取り出して吊るしておいたほうが、長持ちします。収納袋に入れっぱなしの人、多いと思いますけどね。もちろん筆者もそのひとりですが(笑)。
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