ずっと元気にバイクライフを楽しみたい!
人間として生まれたからには、いつまでも元気ハツラツ健康に過ごしていきたいもの。この企画のタイトルには、そのような切なる願いを込めています。100歳を軽くオーバーしても現役でバイクライフを満喫できるなら、本当に最高ではないですか!
夢のような話を夢で終わらせないため「東洋医学」からも数多くのヒントをいただいてしまおう……という主旨で皆さんと共にこの場をお借りして学んでいきたいと思いますので、以降もよろしくお願いいたします。
いろいろと複雑な病気の原因
さて、健康であることを損ねる体や心が不調または不都合が生じた状態を一般的に我々は「病気」と呼称しています。
ウエアの選択を失敗し「寒いなぁ」と思いながらツーリングを終えたあと風邪を引いてしまったり、度を超してお酒を楽しんだ翌日、頭はガンガン、胸はムカムカと気持ち悪さが続いたり、仕事をうまく回せないことにストレスを感じて、胃が痛くなったり……。
年齢を重ねていくと加齢による衰えも病気の要因に関わってきますのでナントモハヤ。健康であり続けることは意外なほど、いや、本当に大変なのです。
バイクの健康もマメなメンテから
考えてみればバイクでもそうですよね。たとえピカピカの新車を購入したとしても、雨に当たれば各部がサビたり汚れたり、エンジン内を駆け巡るオイルは劣化して、ブレーキパッドやタイヤはすり減り、何かへ衝突すればパーツの破損や変形すら引き起こすことも。
愛車の快調を維持していくためには安全運転と定期的かつ適切なメンテナンスが不可欠……このことは、ライダーであるアナタなら骨の髄まで理解されていることでしょう。
当然、人間も健康であり続けるためには飲食物や行動などの維持&管理へ注意を払う必要があります。バイクにはない「心」の持ちようも重要なファクターであることはお察しのとおり。
自分の弱いところも知っておきたい
東洋医学では人間が病気になる原因を大きく4つに分類しています。
まずは両親から受け継いだ遺伝的なエネルギー【先天の気】。アレルギー体質や先天色覚異常など、持って生まれた要因は本人の責任ではないのですが、しっかりと把握しておくことが大切です。
2つめは育っていく過程で体に取り入れてきた飲食物や大気によって生成されていく【後天の気】。今ここにある自分の肉体は自分がこれまで食べて飲んできたものでできている……。当たり前のことなのですが、意外と忘れてしまいがち。呼吸の仕方も大切ですよ。
3つめは【こころの働き】。どんなに頑健な肉体を構築した人でもメンタルを深く傷つけられると不健康な状態へと陥ってしまうもの。精神が健全でなければ体を正しくコントロールすることができなくなるのです。
病因はありとあらゆるところに!
そして4つめは多種多様な要因。
こちらは3つに分類でき、①【外因】風・寒・暑・湿・燥・火といった暑さ、寒さ、乾燥など西洋医学でいうところの物理的ストレッサー。寒暖差は大敵!
②【内因】怒・喜・思・憂・悲・恐・驚で表される心理社会的ストレッサー。感情のバランスが過度に崩れてしまうと人間の生命力に多大なる影響を及ぼします。
③【不内外因】食事や過労、運動不足、薬物、細菌、寄生虫、排ガスなどといった生物学的ストレッサーとでも呼ぶべき外界からの脅威たち。
本当に健康というのは超デリケートなバランスの上で成り立っている奇跡的な状態なのだな、と生理学、解剖学、病理学、免疫システム等々を学べば学ぶほど思い知らされます。
病んだときは最大のチャンス
体調をおかしくしたときは自分の健康について深く考えを巡らせるチャンスです。
何が不調の原因になっているのかをしっかり解き明かし、その要素を排除して健康を取り戻すにはどうすればいいのか、実現可能な戦略を立てましょう。かかりつけのお医者さんや鍼灸あん摩マッサージ師に相談してみるのもいいかもしれません。
家庭や職場、学校での人間関係ストレスが該当する場合、解決には以上の時間がかかるでしょうけれど、暴飲暴食が不具合の核心なら自分の意識を変えるだけで解決への道が拓きます(笑)。
問題はバイクの運転行為自体が不定愁訴を生んでいる場合……! こちらは項を改めて解決のヒントを探っていきましょう。
> 120歳まで乗り続けるために〈第9話〉 ライダーのための「十二絡脈」
> 120歳まで乗り続けるために〈第11話〉 ライダーのための「不定愁訴について」
> 120歳まで乗り続けるために〈第12話〉 「体のエンジン:心臓(前編)」