3月19日(土)・20日(日)に那須モータースポーツランドで開催された「ステップアップ試乗会」。今回はそのときに来場されていた参加者の(ほんの一部ですが)肉声を紹介します。会場を見渡せば、まさに老若男女がニコニコと試乗会を謳歌! 幅広い年齢層のユーザーから熱い支持を得ている、他に類をみないスペシャルな試乗イベントの実態をお伝えしてまいりましょう!

「“チューメン”時代に大型バイクを体験して本当によかった」

まずは、東京からやってきた前川桜子さんと、横田真吾さん。

前川さんと横田さん

●前川さんは普通二輪免許を取得して間もなくヤマハSR400を購入。そのときも横田さんが背中をポンと押してくれたのだとか。もはやレッドバロン葛飾・店長も公認のエヴァンジェリスト!? その横田さんはYZF-R1とXR100モタードでサーキット走行を楽しみ、KTM 640 DUKEⅡも所有中の35歳。「ステップアップ試乗会でぜひGROMの試乗車に乗りたいですね〜。興味を持つ人は絶対に多いと思いますよ!」と主催者側へ熱い要望が(笑)

 

ずっと仲良く試乗されていたのでカップルなのかと思いきや……?「いえ、違います。ホントに単なるバイク友達なんですよ」とのこと。聞けば横田さん、レッドバロン葛飾の“超”が付く常連で、愛車選びに悩むライダー(予備軍)へ的確なアドバイスをすることで有名な人だとか。

「ボク、250とか400しか乗ったことがない人を、のべ十数人ほどこのステップアップ試乗会に連れてきているんです。『大型はちょっと……』と尻込みしている人にハッパをかけて、まぁ、まずは1回、大排気量だけどシート高が低いヤツにでも乗ってみなよ、と」。

取材風景

●項目の多いアンケート用紙にも真剣に回答をいただきました。前川さん、横田さん、そして今回のイベントで取材にご協力いただいた全ての皆さん(今回紹介できなかった人を含め)、本当にありがとうございました!

 

前川さんもそうやって連れてこられたライダーのひとり

「去年来たときには普通二輪免許しか持っておらず、大型? ムリムリムリムリ状態。でも、いざ走らせてみると愛車のヤマハSR400とビッグバイクで操作方法が違うわけでもない、というとても当たり前なことに気付いて……。『な~んだ、一緒かぁ~』と急に視界が開けたので、東京に帰ってすぐ大型二輪免許を取りに行きました(笑)」。

それから話はトントン拍子に進み、まさしく取材の翌日にあたる3月20日にホンダCB750が納車されるという運びに! 

CB750

●赤白ボディに金ホイールという非常に目出度いカラーリングをまとう、前川さんの新相棒CB750。型式名「RC42」のほうが通りがいいかもしれませんね。バイクジャーナリストにも定評が高い、空冷4発を絶妙なバランスのシャシーに搭載するナナハンの名車

 

「身長が158㎝なのでやはり足着き性は気になりますが、ツンツン状態でも何とかなると分かっているので今日はハヤブサにもチャレンジ。大いにビビりましたけど、めったなことでは試乗できないモデル、体験できてよかったです」と満足げな笑みを見せていた前川さん。

バイクライフのステージが、一気にドカンと上昇したようです。

前川さんとハヤブサ

●ハヤブサを颯爽と乗りこなす前川さん。肩の力も抜けていてナイスです! そして再び横田さんいわく……「よくある試乗会だと広い駐車場にパイロンを並べたりしてコースを作りますが、この那須モータースポーツランドだと、より公道に近い走りができて低い速度でも挙動の違いが結構分かります。ほかの試乗会へ行くくらいだったら、ここへ来たほうが間違いなく車両とフレンドリーになれますよ!」と断言!!

「コースをゆっくり2周する……このペースがちょうどいい!」

そしてこちらは今回、ステップアップ試乗会へ初めて参加したというマサタカさん(左)とダイスケさん。

仲良し2人組

●埼玉県から来場した、ともに29歳のお二人。早朝からスタートダッシュを決めたおかげで午前中には目的のバイクをほぼコンプリートできましたよ……と、余裕の笑顔でインタビューにご対応いただきました

 

その動機は単純明快

「とにかくいろいろなバイクを体験したかったんです。つい2週間前に友達からこういうのがあるよ、と聞いて速攻で申し込みました」とマサタカさん。

愛車はドゥカティST3s ABSで、こういった試乗会自体が初体験だったためとても刺激的だったとか。

「今まで触れたことすらなかった日本メーカーのスーパースポーツ……CBR1000RRやYZF-R1などが、意外にも乗りやすいことを知ってビックリしました。独特な乗り味のBMWも楽しかったですね」。

BMW

●独特な水平対向エンジンはもちろんフロントサスペンションに“テレレバー”を採用するなど、他メーカーのモデルとは一線を画する車体構成を持つBMWのロードスター「R1200R」。マサタカさんだけでなく、心を打ち抜かれた人多数!

 

ダイスケさんもBMWには驚かされたようで、「水平対向2気筒エンジンの鼓動感は衝撃的! 同じビッグツインのドゥカティ999Sが私のメインマシンなのですが、全く異なる世界観なので興味深かったです。あと、ワインディングが面白そうなジクサーSF250も印象に残りました」と排気量とジャンルを問わず試乗会をエンジョイされたご様子。

ダイスケさんジクサー

●11年ぶりに復活した油冷エンジンを搭載する小粋な250㏄ロードスポーツ“ジクサー”。そのフルカウルバージョンが「ジクサーSF250」。動き出した瞬間から軽快そのものな走りが楽しめるスズキ入魂のモデルにダイスケさんも感動したようです

 

さらに続けて「公道のような雰囲気を感じられるクネクネしたコースを先導車付きでゆっくり2周する、というのが個人的にはちょうどよかったですね。1周だと短すぎるし、3周だと長すぎて今度は回転率も悪くなると思うので……」とのこと。

コースでのカット

●1周1.2㎞のコースを2周して約4分のショートトリップを楽しめるステップアップ試乗会。2グループがタイミングよく交代することを考えると現在の流れはベストだと言えるでしょう

 

そしてお二人とも現在乗っているバイクの影響か、外国車試乗会にも興味シンシンのようでした!

「多様なバイクを比べてみたいなら最適なイベントですね」

すーさん(左)と、ひなたさんは会場と同じ栃木県内在住ながら、のんびりトコトコ2時間弱をかけて到着したという、ともに初参加で、ともに普通二輪免許のライダー。

すーさんとひなたさん

●「1000円で20台以上のモデルに乗り放題というのは、本当に凄いですね。レンタルバイクだと借りた1台にしか接することができませんから……。いろんな車両を走り比べてみたいなら、最高のイベントだと思います」とすーさん

 

すーさんが今回、ステップアップ試乗会に来た目的は、「大型二輪免許を取得するかどうか迷っているからなんです」とのこと。

そこで愛車がスズキGSX250Rということもあり、同系列とも言えるフルカウルスポーツのニンジャ650、GSX-R600、CBR600RRなどをまずは一気乗り

すると……。「ハンドルが低くて前傾姿勢の強い600㏄のリアルスーパースポーツには乗ったことがなかったのですけど、加速の感じなどが中型バイクとは全く違うからとても楽しく、欲しくなっちゃいました。あと、父親はZ900RSに興味があるので、今日試乗した感想を帰って教えてあげようかな、と思ってます」。

セローが相棒のひなたさんも、フルカウルスポーツを積極的に駆ってみたとか。

ひなたさん

●ひなたさんもすーさん同様、軽量な250スポーツから試乗をスタートして、体が慣れたところでビッグバイクへと挑戦。前回記事で綿密に紹介した試乗車ラインアップを改めて眺めると、そのような試乗の仕方もできますよ、という主催者側の明確な意図を感じます

 

「ニンジャ250のあとでニンジャ650に試乗したのですけど、安定感が明らかに違うことはよく分かりました。排気量が大きくなると極低速域からでも余裕が出てくるんですね」。

筆者も試乗しましたが、足着き性に至っては250より650のほうが優れていると感じるほどで、そんなニンジャ650がひなたさんの心に強い印象を与えたのは至極当然なことでしょう。

ニンジャ650

●「ファン・スタイル・イージー」をコンセプトに開発されたニンジャ650。軽量でスリムなシャシーに低回転域から太いトルクの沸き上がるパラレルツインエンジンを搭載。シート高のカタログ値はニンジャ250の795㎜より低い790㎜。さらに太ももまわりがスリムな造形なので、足着き性の良さを数値以上に感じられるのです

 

これは間違いなくお二人とも、近いうちに大型二輪免許取得への行動を起こしそうな予感が……。

レッドバロンでは「免許応援キャンペーン」も実施していますよ~。

「次に乗るバイクのジャンルを決める判断材料になります」

コロナ禍で何もできなかったことでバイク熱が盛り上がり、ホンダVTRから乗り換えるモデルを現在絶賛物色中という北條勇平さん。

北條さん

●那須塩原市からやってきた31歳のナイスガイ。近くに住んでいることもあり那須モータースポーツランドの存在は知っていたものの、ステップアップ試乗会への参加は今回が初めてだとか

 

「20歳のときに普通二輪免許を取得してから11年、単なる移動手段としてスクーターを愛用してきたのですが、2年前にホンダVTRを譲り受けてからギヤ付きバイクの楽しさを知り、1年3ヵ月前にコロナの特別定額給付金を使って大型二輪免許を取得しました(笑)。車両探しのためにレッドバロンを訪れたとき、今回のイベントのことを知ってさっそく申し込んだんです」。

試乗も始まっていない朝イチにお話を聞いたとき、北條さんが狙いを定めていたのは新型と従来型がそろうGSX-S1000の乗り比べでしたが、昼下がりの落ち着いたころに改めて“現在の心境”をうかがってみると……。

「用意されている試乗車の8割方はもう乗れたでしょうか。ジャンルが多彩なことは本当に助かりました。ですのでいろいろ試してみると、レーサーレプリカ系はやはり前傾姿勢がキツイと感じたし、アドベンチャータイプは特色があって面白いけれど、自分には合わないことも認識できたので来た甲斐がありましたね」。

GSX-Sと北條さん

ヴェルシスと北條さん

SVと北條さん

YZFと北條さん

●まさしく積極的に試乗をされていた北條さん。最新型より、ちょっと古めでコンベンショナルな落ち着いたデザインが好みだとも……。ガンガン那須MSLの試乗会に参加して、新たな相棒を絞り込んでいきましょう!

 

そうなのです。流行ではなく、あくまで自分に合う合わないで選ぶべきなのがバイク。もちろん各モデルごとに性格も特徴も異なりますが、大まかにジャンルで取捨選択していくことも大アリです。そのためには、やっぱりいろいろなバイクに乗るのがイチバン!

「ですので次の相棒はネイキッドタイプか真逆のフルカウルモデルか。はたまた長距離をゆったり走れるクルーザー系もいいかな……と(笑)」。

あららら。次期主力戦闘機選びが難航どころか座礁しちゃっているような感じもいたしますが(笑)、あれこれ悩む時期はバイクライフで一番楽しいひとときでもあります。マイペースでじっくり選んでいくのが大吉ですよ。

外国車試乗会にも必ず来たいです」。ぜひどうぞ!

「バイクは1台1台それぞれに明確な違いがあるんですね」

ハタチの学生さんたちは1台のクルマに乗って宮城県からご到着……! 

写真左からトレの(現在の愛車:GSX250R。以下同)さん、ポメラニアン(YZF-R25)さん、こづみん(CBR250RR)さん、タマ(ニンジャ250)さんという、近づくだけでこちらも若返りそうな初々しさ!

宮城からの4人組

●4人の所有車で4メーカーの250フルカウルスポーツが勢ぞろいする(購入も全員レッドバロン)という出来過ぎな4人組。「どの試乗車と一緒に撮影したい?」と尋ねたら,迷うことなくYZF-R1Mを取り囲んでくれました

 

この中で取材時に大型二輪免許を持っていたのはこづみんさんのみ。

「ビッグバイクに乗るのは免許の教習以来で、とても新鮮でした。新旧問わずGSX-S1000が乗りやすかったですね(全員うなずく)。現在の本命はCBR600RRなのですけれど、ツアラーやネイキッドといったジャンルも楽しいことが今日わかりましたので、次の相棒はじっくり考えていきたいです」。

こづみんさんとVスト

●アドベンチャーモデルにも試乗していたこづみんさん(写真はスズキVストローム650)。ビッグバイクでロングツーリングしたいという夢をかなえる日は近い!?

 

トレのさんはヤマハスーパースポーツの頂点、YZF-R1Mにヤられてしまったようで……。

トレのさんとYZF-R1M

●200馬力/11.5㎏mを生み出す997㏄クロスプレーン並列4気筒エンジンをアルミデルタボックスフレームに搭載する珠玉のスーパースポーツ「YZF-R1」。写真の“R1M”は前後足周りにオーリンズ製電子制御サスペンション・ERSとドライカーボン製アッパーカウル&テールカウルなどを採用。MotoGPマシンYZR-M1直系のマシンは税込みでたったの319万円!

 

「もの凄く滑らかな走りに感動しました。R1M、とにかく驚くしかなかったですね。リッタースーパースポーツがあれほど突き抜けた乗り味を持っているなんて……欲しくなりました。これってレッドバロンさんの思うツボなんでしょうか」。そうです(笑)。

そしてポメラニアンさんもビッグバイクの洗礼を受けたひとり。

「正直、大型バイクなんて『排気量なりのパワーがあるだけ。以上!』という思い込みをしていたのですが、ネオレトロ、スーパースポーツ、アドベンチャーetcを実際に走らせてみて、フィーリングも乗り味もまるで違う……。小排気量モデル以上に個性が明確なことにビックリさせられました。早く公道で走らせてみたいです」。

ポメラニアンさんとニンジャ

●まずはニンジャ250でウォーミングアップ中のポメラニアンさん。教習所ではなく運転免許センターでの一発試験で大型二輪免許を取得するべく、現在通っている最中だとか。早期合格を祈念しております!

 

タマさんは「Z900RSが気になりました。大排気量車ならではのスロットルをひねった分だけドカンと加速する力強さと、迫力ある排気音が最高です!」とすでに将来のオーナーになることが確定の勢い。

XSR900とタマさん

●Z900RSのガチンコライバルでもあるヤマハXSR900もしっかり試乗していたタマさん。「身長160㎝ながら、大型バイクをまたがれる&乗れることを知りました」とのこと。その意気です! サクっとステップアップしちゃいましょう

 

前向きで礼儀正しい若人の姿を見て、バイク業界、いやニッポンの未来も明るいと感じさせられた筆者でありました。

取材風景

●突然の取材依頼にも快く応じてくれた男子4人。トヨタC-HRに全員乗って遠征ドライブしてきたとかで、行きも帰りもさぞかしバイク談議が盛り上がったことでしょう。これからも安全運転で素晴らしきバイクライフを!

 

さぁ、次はアナタの番です!

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