ドゥカティは、デスモドロミック機構を廃した新型V型4気筒エンジンを搭載する新型ムルティストラーダV4に、スポーティバージョンである「ムルティストラーダV4パイクスピーク」を追加。2022年モデルとして発表した。名前の由来であるパイクスピーク・インターナショナル ヒルクライム レースはバイクカテゴリーの参戦を中止しているが、そのスピリットは生き続けている。

●文:ヤングマシン(ヨ)  ●外部リンク: DUCATI

電子制御サスペンション、鍛造17インチホイール、アクラポヴィッチ製マフラー!

ドゥカティは、2021年モデルとして初登場したムルティストラーダV4に新バージョンの「ムルティストラーダV4パイクスピーク」を設定し、2022年モデルとして発表した。

V4グランツーリスモと名付けられたV型4気筒エンジンは、それまでドゥカティの代名詞だったデスモドロミック(強制開閉弁機構)を非採用とし、コンベンショナルなバルブスプリングとしたことでコンパクト化とメンテナンスインターバルの拡大を推進。1158ccの排気量から170psの最高出力を発生しつつ、メンテナンス間隔は異例ともいえる6万㎞を実現している。

単体重量66.7kgと軽量な新型V4エンジンを搭載するムルティストラーダV4は、アルミ製モノコックフレームを採用し、アダプティブクルーズコントロール=ACC、およびブラインドスポット検知=BSD機能を統合した、前後レーダーを標準装備(V4S)するほか、6.5インチTFTメーターパネルはスマートフォンとの接続機能を採用。さらに、コーナリングABSやウイリーコントロールを含む最先端の電子制御技術が盛り込まれている。

スポーティバージョンと位置づけられるムルティストラーダV4パイクスピークは、前後17インチのホイールを採用したのが最大の特徴だ(V4Sは前19/後17インチ)。しかも、V4Sよりも前後で2.7kg軽いマルケジーニ製鍛造アルミホイールを履き、ブレーキパッドはパニガーレV4と共通。さらにオーリンズ製スマートEC2.0サスペンションはパニガーレV4Sなどと同じ「イベントベース」モードを備えて、ユーザーのライディングスタイルに応じて設定を自動的に調整してくれるというから驚きだ。

ライディングモードにも「レースライディングモード」がムルティストラーダシリーズとして初めて実装され、これを選択するとエンジンのレスポンスだけでなく、レブリミッターやクイックシフターにもレーシーなストラテジーが実行される。

また、パイクスピークは型式認証済みのアクラポヴィッチ製チタン/カーボンマフラー、カーボン製コンポーネントを備え、専用のエルゴノミクスをMotoGPにヒントを得た新しいカラーリングに包んでいる。バンク角を最大化するためにステップ位置は後方&より高く移動し、ハンドルバーはより低く狭くなって絞り角も減少した。

こうしたスポーティバージョンとしての変更を受けながら、ムルティストラーダV4パイクスピークはV4Sと同じ前後レーダーシステムを継承するなど、実用面も犠牲にしていない。

日本での価格は378万9000円で、発売は2022年第2四半期とされている。

DUCATI MULTISTRADA V4 PIKES PEAK[2022 model]

主要諸元■全長/全幅/全高 未発表 軸距1595 シート高840/860(各mm) 車重239kg(装備)■水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブ 1158cc 170ps/10500rpm 12.7kg-m/8750rpm 変速機6段 燃料タンク容量22L■キャスター25.75°/トレール120mm ブレーキF=φ330mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ265mmディスク+2ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格:378万9000円 ●色:赤×白×黒 ●発売時期:2022年第2四半期
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