2025年9月に購入をした、我が家のXSR900。
前回の記事では、納車と同時に取り付けたカスタムパーツについてご紹介をいたしました。

──今回の記事では、いよいよインプレッションをお届けします!

乗り始めて3ヵ月ほどが経ち、すでに走行距離は約3000km。
2025年『バイクオブザイヤー』小型二輪部門で最優秀金賞を受賞したマシンの実力や、いかに!?

はじめに…

はじめにお伝えすると、XSR900の主なオーナーは筆者ではなく夫。つまり総走行距離である約3000kmの大半は夫が走っています。
筆者も試乗はしていますが、まだ長時間のツーリングに行くことができていません。

そのため今回は、夫婦の意見を合わせたインプレッションです。
いつか筆者がソロでツーリングをした際には、改めて感想をお届けしますね!

XSR900の足つきをチェック!

まずは身長156cmの筆者が足つきをチェックしてみました。

XSR900のシート高は815mm、そして車両重量は196kg。
数字だけを見ると、大型バイクにしては足つきはそこそこ、車重は軽めなのですが、低身長者にとってはギリギリの数値です。
ドキドキしながらまたがってみると…

片足では、背伸びをして無理なく支えられるぐらい。

そして両足では、つま先がギリギリ着くぐらいでした。

どちらも余裕があるとは言えませんが、重心設計の巧みさと車体の軽さのおかげで、発進や停車時は不安なく取り扱えました。

ただしサイドスタンドを払う左足は、届くか届かないかの微妙なライン。
何度もトライしてようやく操作できるため、右足がプルプル震えるほどに疲れてしまいました。
今後筆者が乗る際は、スタンドの延長やフットサポートの取り付けといった対策をする必要がありそうです。

さらに、もうひとつ不安を感じたのは車体の取り回しです。
ハンドルが思ったより遠く力が入りにくい上、切れ角が小さく最小回転半径は3.5m。Uターンや狭い道では何度も切り返す必要があり、冷や汗ものの緊張を感じました。

この「取り回しのしにくさ」は、XSR900の唯一の欠点と言えるかもしれません。

エンジンをかけた瞬間から興奮!

さて、いよいよXSR900XSのエンジンをかけてみましょう。

XSR900の体験は、エンジンをかけた瞬間から始まります。というのも、セルスタータ―スイッチを押した瞬間から「さすがヤマハ!」と言いたくなるような迫力あるサウンドが響くのです。

公式情報によると、ただマフラーから音を響かせているだけではないのだそう。
車体をよく観察すると、テールパイプが左右シンメトリーになって排気口が下を向いていることがわかります。

なんと、音を地面に反響させることで、ライダーの耳に一番心地よく届くよう設計されているんですって!

低回転ではお腹の底に響くような心地よい低音が、高回転では全力で駆けだしたくなるほど興奮する高音がそれぞれ響きます。
3気筒ならではのキレのある獰猛なサウンドに、エンジンをかけた瞬間から気持ちが高まり、一気に臨戦態勢へと切り替わりました。

疾走感あふれる乗り心地

走り出すと、興奮はさらに加速します。
アクセルを回すとレスポンスよく、まるで重さなんて感じないような足取りで一気に加速。初めて乗った時は思わず「ふわぁっ」と息が漏れたほどです。

低速では安定感がありトルクフル、高速ではドン付き感のない伸びやかで心地よい加速が楽しめ、どんなシチュエーションでもライドを楽しめるポテンシャルを感じました。

ちなみに、スポーティな乗り味が楽しめる分、サスペンションの初期設定は固めの印象です。
我が家では少し柔らかめに調整し、カジュアルな乗り心地に寄せています。

また、想像以上に良かったのはシートの座り心地です。

硬すぎず柔らかすぎず、ほどよい厚みがあるため疲れにくく、1日中ツーリングをしていてもお尻が過度に痛くなることはありません。
いつかXSR900でロングツーリングに出かける日が来ても、安心して楽しめる予感がしました。

また乗車姿勢に関しても、必要以上に前傾姿勢にならない自然なポジションが快適です。
腰や手首に無理な力が加わることなく、意識しなくても正しい姿勢で乗れる点を考慮すると、意外と初心者にもオススメできるバイクなのかもしれません。

最新の電子制御を使いこなす

さて、XSR900を選ぶきっかけのひとつとなったのが、ヤマハ最新の電子制御でした。
実際に使ってみてどうだったのか、お伝えしましょう。

操作しやすいディスプレイ&スイッチ

XSR900に搭載された電子制御は、ハンドル中央付近のディスプレイと、左親指で操作するハンドルスイッチからすべて扱えます。


まず注目したいのが、フルカラーの5インチTFTディスプレイ。
天候に左右されない高い視認性と整理された表示内容により、「どの操作をしているのか」「現在の設定は何か」が一目でわかり、ストレスなく使えます。

さらにハンドルスイッチは、適度なサイズ感と凹凸と、シンプルで直感的な操作性が魅力。走行中でも迷うことなく電子制御を活用できました。

YRC(Yamaha Ride Control)

ライダーの好みや路面状況に合わせて、エンジン出力特性や電子制御の介入度を選べるのが『YRC(Yamaha Ride Control)』モードです。

・SPORT:エンジンのレスポンスが高まり、ワインディングに最適なモード
・STREET:幅広い環境と路面をカバーし、市街地に適したモード
・RAIN:出力特性がマイルドになり、市街地走行に適したモード
・CUSTOM 1・2:好みに合わせて各種制御を細かく設定可能

の4種類があります。

それぞれまるで違うバイクに乗っているような感覚があり、気分や道路状況に合わせて切り替えることで、楽しさと快適さを両立できました。
特にRAINモードを使えば400cc相当のパワーに抑えられるため、まだXSR900の挙動に慣れていない筆者も安心して試乗を始められました。

クルーズコントロールシステム

車ではすでに一般的となり、近年はバイクでも高価格帯の車種を中心に搭載が進んでいるのがクルーズコントロールシステム(クルコン)です。

クルコンとは、スロットルを操作することなく一定速度での巡航が可能となる機能。
XSR900の場合は3速から設定でき、設定後の速度はスイッチの短押しで時速1kmごと、長押しで時速10kmごとの調整ができます。

実際に使用してみると手首の疲労を軽減でき、調整をせずとも速度を一定に保てることで、精神的な負担も減りました。
「バイクにクルコンなんて不要では?」と思っていたこともありますが、実際に使ってみると想像以上に便利。自動車道だけでなく、郊外の幹線道路でも活躍しました。

その他にも便利な機能が盛りだくさん!

その他にも、

・ライダーが設定した任意の速度を超過しないよう、エンジン出力を制限する『ヤマハバリアブルスピードリミッター』
・専用アプリ『Garmin StreetCross』を使用することで、ディスプレイにナビを表示できるナビゲーション機能
・車両情報や移動した軌跡をマップ上に記録できる『Y-Connect』

など、
便利な機能が盛りだくさん。
こうした機能のおかげで、ライダーだけでは引き出せないバイクの性能を存分に楽しめたような感覚がありました。

XSR900はワイルドな優等生バイク!?

──以上が、XSR900のインプレッションです。

性能・乗りやすさ・デザインの美しさ、どれを取っても平均点以上。それにも関わらず、乗り味は軽快で獰猛で退屈さを感じさせない。
XSR900を一言で表すなら、「ワイルドな優等生バイク」だと感じました。

旅向けだったVストローム650から乗り換えたことで、日常のツーリングが華やかで楽しいものになりました。
まさに、乗り換えを検討し始めた当初に考えていた、目的通りのマシンに出会えたように思います。

今回お届けしたのは、納車から3ヵ月・走行距離3000km時点での第一印象です。これからさらに乗り続ける中で、新しい発見があれば改めてお伝えしますね!

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