2台目、3台目のバイク選びでここを迷う人はいないと思うけど、初めてバイクを買う時には、250ccか400ccのどっちのバイクを選ぶかで迷うものだ。迷っているくらいだから、「絶対このモデルに乗る!」という運命の1台にも出会ってないのだろう。そんな悩めるあなたへ、長年初心者向けのバイク雑誌の編集に関わってきた経験からアドバイスすれば、

最初は断然250ccがオススメ!

ってことだ。というのも、『タンデムスタイル』や『レディスバイク』といった雑誌を作っていると現役の初心者ライダーの話を聞いたり、体験談をまとめる機会が多い。そんな取材を通して感じるのは、最初は250cc、それも新車を買ってデビューしたユーザーの方が圧倒的にバイクを楽しんでいるように感じるのだ。

車検ありのナンバープレート

車検なしのナンバープレート

最近のバイクはどれもコンパクトでぱっと見排気量の見分けがつかないが、車検のない250ccクラスと、車検のあるそれ以上のモデルを見分けるにはナンバープレートを見るのが早い。周囲に緑のフチがあるのが、車検ありの251cc以上のモデル。下のフチ無しのナンバーが125cc超〜250ccのモデル。

バイクライフ維持のハードルは車検にあり

この250ccと400ccの間にはバイクの維持管理において大きな差がある。大きな違いをざっくり言えば車検だ。250cc以下のモデルには車検がないが、400ccクラス(それ以上の大型バイクも)には新車なら最初は3年後、それ以降は2年ごと車検を受ける必要がある。これが意外と面倒なのだ。

車検証

車検を取ると、ナンバーとは別に車検証も発行される。携行が義務づけられている大事なものなのでしっかり車内で保管しておくこと。ただ元本を持ち歩くと無くしたり、濡らしたりするのは嫌なもの。あくまでこれは僕の私見だが、元本を自宅保管し、代わりにコピーを車両に積んでおいて問題になったことはない。

 

費用に関して、メンテナンスは多少250ccの方が安い傾向はあるが、250ccも400ccも結局はオイル交換するし、タイヤが減るのも同じである。車検を含めてもトータルのランニングコストで言えば、250ccも400ccそれほど変わらないのだが、問題はその手間だ。数年ごとに10万円単位のまとまったお金が車検のために必要になるというのは結構な負担だ。人生80年時代とはいえ、3年経てば自分を取り巻く環境も大きく変わっているだろう。学生なら社会人になっているかもしれないし、その頃には結婚していないとも限らない。そうなれば、ひとまずお金も時間も自分の趣味より、仕事や家族を優先するようになる。家族ができたなら車も欲しくなるだろうし、そうなれば車検のある乗り物が増える。そんな状況で10万円もの大金をポンとバイクに払えるだろうか? ここがバイクに長年乗り続けられるか? そうでないか? の大きな分かれ目なのだ。「家にバイクはあるんだけど車検が切れたままで…」、そううつむき加減で語る断念ライダーの話を何度聞かされたことだろう。

それにいったん車検を切らせてしまうと、後々車検のための費用はなんとか工面できたとしても、バイクの復活はかなり手間のかかる作業になってしまう。最大の問題は、車検が切れたバイクを乗ることは法律で禁止されているということ。自走できないからといってバイクショップまで押していくのは現実的ではないし、バイクを積んで運べるような乗り物を持っている人もまずいないだろう。たしかにバイクショップにお願いして引き上げて車検を取り直してもらうなんてこともできるが、“わざわざお店の人に頼んでまで…”と思ってしまうもの。車検を切らすほどバイクに乗らなくなった時点でバイクショップとも疎遠になっているだろうし、そんな状況では話も切り出しずらいものなのだ。

そんなこんなで軒先でカバーがかかったまま、2年、3年とバイクはどんどん朽ちていくわけだが、こうなると、もうコンディション的に“ただ車検を通せば復活”どころではなくなっている。バイクは乗らなくなるとタイヤやバッテリーが途端に劣化する。復活のためのメンテナンス費用もどんどん嵩んでいくというワケである。しかも、いっそ新しいバイクを買おうにも、軒先にある朽ちたバイクが気になってなかなか手が出しづらい。これが400cc購入者の5年後における『バイク断念のテンプレートストーリー』である。

仮ナンバー

車検ありのモデルは一度車検を切らせてしまうと、自走できる状態であっても公道を走らせることができない。一時的な行動走行の許可を走行する市区町村からとり、“仮ナンバー”を貸してもらい、装着・走行する必要がある。…面倒だよね。だからバイクは車検が切れるとたいてい不動車化するのだ。

熱量を維持し続けるのは難しい

一方、250cc。車検がないということは、自賠責保険と任意保険さえ入って軽自動車税さえ払ってあれば、いつでも乗ることができるってことだ。決してメンテナンスが必要ないというワケではないが、仕事が忙しくて2、3年放置したところで、コンビニで自賠責に入り任意保険も復活。ナンバー維持にかかる軽自動車税さえ払ってしまえば、即再び走り出せる。放置で少々調子が悪くても、エンジンさえかかればバイクショップに辿り着けるから、少しの労力でバイクライフが復活できる。

つまり、250ccと400ccのどっちを選ぶかで考えた場合、長期間の維持継続が楽なのは圧倒的に250ccの方だと言えるのだ。確かに「寝ても覚めてもバイク!」な人生を送っている“マニア”からすれば、全く関係ないことなのだが、これからバイクに乗ろうとする多くのライダーはそうはいかないものである。もし、自身が飽きっぽい性格だと把握していたり、多趣味で動機が“バイクにもちょっと乗ってみたい!”というものなら、まずは250ccから始めてみるのが吉ってワケ。乗っているうちに面白くなってきたのであれば、400cc、大型とステップアップすればいいだけの話。人生は取捨選択の連続。ちょっとバイクに乗らない期間ができたりすることもあるってことを覚えておこう。

車検ステッカー

ちなみに車検ありのナンバーには、車検証の満期をあらわすステッカーが貼ってあり、写真のものなら、令和「6」年の「4」月に車検が切れるという意味で、年ごとにステッカーの色も違い、ひと目で車検切れ車両かどうかの認識ができるようになっている。

 

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