天地がひっくり返ってもスズキ車は選択しないだろうと筆者が勝手に作り上げていた想像の斜め上を軽やかに飛び越え、ジクサー250の購入を速攻で決めた我が妻。一体何がどうしてどうなったのか。そこにはマリアナ海溝より深い理由があった……わけではまったくなく、「フィーリングがピッタリ」という彼女の“直感”によるものが大きかったようです!?(前回はコチラ)
人生の決断(言い過ぎ?)には勢いも大事!
様々な偶然から一気にバイク購入に関する機運が高まった2021年11月3日・文化の日。筆者が強力に推した中古のカワサキNinja 250SLのライディングポジションがお気に召さなかったご様子の妻は、すぐ横にあった新車、スズキ ジクサー250に熱い視線を送ります。
「またがってみてもいいですか?」と問う妻。
「もちろんです、どうぞ!」と少し広いスペースへ迅速に車両を移動してくれるレッドバロン都筑の大友アドバイザー。ストンと運転席に収まる妻。しばし無言。はたして……?
「これにする」
「!!!!!!!???」のけぞる筆者。あれ? スズキ車は嫌いじゃなかったっけ?
「アナタが押しつける私にはハンドル位置のまったく合わないジェベル200が苦手だっただけ。このジクサー250はグリップの握り具合もピッタリで、何よりカッコいいからこれにする」
10年近くズルズルと先送りにしてきた妻の軽二輪バイク選びは、1日……いや8時間……いや3秒かな?で決着しました。
2008年に消え、2019年に復活した“油冷エンジン”
しかし、よりによって油冷バイクを選ぶか……と万感の思いも去来します(笑)。
1985年のGSX-R750から採用され、筆者四半世紀以上の愛車GSF1200Sにも搭載されているSACS(スズキ・アドバンスド・クーリング・システム)とは構造が大きく異なるとはいえ、ジクサー250が採用したSOCS(スズキ・オイル・クーリング・システム)も紛うことなき“油冷”エンジン。
バイクを軽量に仕上げるため、故・横内悦夫氏ほかスズキ開発陣が心血を注いできた油冷のメカニズムが減らしたウエイト分を、腹まわりにたっぷり付着した“脂”の重さで相殺してしまうことは心苦しくも申し訳ないのですけれど、今しばらく「油冷夫婦」としてSOCS布教活動をしていきますので!?、お許しをいただきたいところ(誰に?)。
実車に接すると“相性”が伝わってくる……
さて、かくいうヨタ話はさておきバイクを選ぶとき、その車両とフィーリングが合うか合わないか、というのはとても重要です。
それは写真だったりスマホやモニターの画面をひたすら眺めているだけでは、ほとんど分からないこと。
可能ならば実車を目の前にして眺めたり触れたり、お店の人の許可を取り付けたあと、またがってシートの座り心地やレバー&ペダル類の具合を確認したり、乗車姿勢を取ってみて前傾のキツさ緩さやニーグリップのしやすさ、お尻の収まり具合をチェックしたり……。
数十秒リアル車両にまたがってみるだけでライダーは、単に画像を見ているときとは比較にならないくらい大量の情報をバイクから受け取ります。
長年の医学的研究によると人間の五感の割合は視覚87%、触覚3%と言われており、バイクの上でライポジを再現するだけですでに90%を達成(笑)。
あわよくばエンジンまで掛けさせてもらったならば、7%の聴覚と2%の嗅覚までフル動員されますので、じつに99%(残りの1%は味覚ですので関係ない!?)の感覚器で、その車両の第一印象……フィーリングを受け取ることができるのです。
最終的には自分の確固たる意思で購入決断を!
欲しいと思っている対象物をできる範囲で感じ取り、それが合う合わないを決めるのは、あくまでもアナタ自身です。
舞い上がりすぎず、かといって慎重にもなりすぎず、的確な判断を下すようにいたしましょう。
広い店舗内に多種多様な新車と中古車が数多く置いてあるレッドバロンへちょくちょく車両を見に行くことは、自分にぴったりな相棒を見つけ出すための感性を磨く最高の訓練にもなるのです。いやホントに。
さて次回は、妻がジクサー250購入にあたって行った手続きや必要書類、追加で装着したアイテムなどについて紹介してまいります。お楽しみに!