単純明快、どのバイクのスペックがナンバー1か? ――気になるライダーも多いハズ。そこで、一つのスペックに注目して、最高峰を決めるのが「世界最強グランプリ」。コイツはスペックのモトGPだ!?
栄えあるラウンド1は、「排気量」。さてナンバー1の栄冠に輝くのはどのバイクか!?

スペックを大きく左右するのが排気量

バイクのスペックを語る上で、まず欠かせないのがエンジンの「排気量」(ですよね?)。「cc」と表すように、容積を意味する。燃料を爆発させてエネルギーを生み出すシリンダー(気筒)の容積を意味しており、大きいほど馬力やトルクを高めることができる。免許区分と関係するのはもちろん、車両のキャラクターに大きく関係がある。また、カスタムの世界でも排気量アップに及ぶチューンはないといわれるほど重要。ちなみにccが一般的だけど、アメリカなどのようにキュービック(立法)インチで表現される場合もある。

というワケで、一品モノや少量生産ではなく、一般人でもお金さえ出せば買える量産市販モデルで、現行ラインナップの中から調べてみた(2021年3月現在)。

原付50台ぶん、1気筒あたり800ccの巨獣!

1位は……「ロケット3R」(トライアンフ)の2458cc! 2000ccオーバーは、この1台のみだ。クルマで言えば、3ナンバーの乗用車に多く、アルファードなどのミニバン、RAV4やCX-5などのミドルクラスSUVと同排気量帯。1台でスーパーカブ(49cc)の50台ぶんにあたる。いかにロケット3Rの排気量がスゴイかわかっていただけるのではないだろうか。
エンジン型式は水冷並列3気筒なので、1気筒あたり約820cc! なんとアッパーミドル級のバイク1台ぶんに相当する。
ちなみに2004年に登場した初代ロケット3は2294ccで、当時も量産バイク最大排気量だったが、2020年のリニューアルで2458ccにまで増加している。ロケット3

ロケット3Rは、横2眼が特徴のマッスルクルーザー。縦置き水冷3気筒は、1シリンダーあたりのボア(内径)×ストローク(行程)が110.2×85.9mmを誇る。従来型の101.6×94.3mmに対し、ショートストローク化して、ボアを増大。なお、エンジン単体重量では18kgも軽量化された。 最高出力は167ps。最大トルクはナント22.5kg-mもあり、こっちも世界最大! お値段は271万5000円~。乗ってみると意外にもシルキーでジェントルだ。

5位までズラリと巨漢クルーザーが居並ぶ

ロケット3Rに続くのは、ご覧のバイクたち。ハーレーやインディアンのフラッグシップ軍団が並んだ。

現行バイク排気量トップ5[2021年3月現在]

1位

ロケット3R[トライアンフ]

2458cc

2位

cvoシリーズ(cvoリミテッドほか)[ハーレーダビッドソン]

1923cc

3位

ロードマスターシリーズ、ビンテージシリーズほか[インディアン]

1890cc

4位

ソフテイル114シリーズ[ハーレーダビッドソン] 1868cc

4位

ツーリングシリーズ[ハーレーダビッドソン]

1868cc

国産メーカーはゴールドウイングが最大……ではない!

国産ブランドでの最大排気量は、ホンダのゴールドウイング(1833cc水平対向6気筒)と思いがちだけど、実は2位。首位は、ヤマハのスターベンチャー(1854ccV型2気筒)だった。日本や欧州では販売されておらず、北米(アメリカ、カナダ)などにラインナップするモデルだ。なお、上記のトップ5には惜しくも入らず6位の結果だった。
ちなみに、一時国内にも入荷していたスズキのブルバードM109R(1783ccV型2気筒)も今だ北米では現役で販売されている。

ヤマハ スターベンチャー


2017年に登場したスターベンチャーはOHV48度空冷ツイン1854ccを搭載するクルーザー(ボア100×ストローク 118mm)。北米では、日欧などが導入する世界統一基準の排ガス規制と違い、独自の規制を敷く。そのため、北米ならではの車両が存在するのだ。なお、兄弟車のバガーモデル「スターエルダー」もある。

歴代最大はダッジ・バイパーのV10搭載機

今までに量産されたバイクでは、筆者が調査した限り、ダッジの「トマホーク」がナンバー1。その排気量は驚異の8300cc! マッスルカーとして有名なダッジ・バイパーのV型10気筒を近未来SF風の車体に積んだマシンで、限定10台が市販された。
ただし! タイヤが4本(フロント2輪+リヤ2輪)あり、バンクは不可。厳密にバイクと呼べるかはアヤシイ。
もっとバイクに近いタイプでは、同じくアメ車であるシボレーのV8エンジンを積んだ8200ccのビッグブロック2スピード(ボスホス)や、ビッグカノン(カノン)と呼ばれるマシンが2000年代に存在した。

ダッジトマホーク


トマホークは2003年のデトロイトショーでコンセプト車として発表。後に市販化された。エンジンもデザインもとにかく、車重は675kg、最高速は公称480km/hとか!?
[写真:引用]https://www.motori360.it/40329/dodge-tomahawk-la-moto-piu-potente-e-veloce-del-mondo/

まとめ:デカいことはいいことだ!? 浪漫砲発射!

近頃、よく「等身大のバイクがいい」と耳にする。もちろん、そういうバイクも楽しいのだけど、デカいほど浪漫を感じて惹かれるのは、おじさんライダーの性(サガ)なのかも……。皆さんはどうでしょうか!?

 

 

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