宣伝……!? いえ衝撃画像をお見せしたいだけです!!
ボクが編集長を務めますハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』(内外出版社)が6月9日に発売となります。というわけで「宣伝……!?」をしつつですが、今回はハーレーにまつわるハナシをさせてください。
えっ、表紙が気になる? ありがとうございます! そう、今回の特集は、いまアメリカの一部バイクファンらの間で話題となっている「KING OF THE BAGGERS/キング・オブ・ザ・バガーズ」(以下、KOTB)を特集し、カバーにはそのマシンをドカーンと入れました。
「バガー」と呼ばれるツアラー系のハーレーが、サーキットでスピードを競います。最初にその姿を見たときは、未知との遭遇でした。バガーがコーナーではフルバンクし、ライダーはイン側にヒザを出してコーナリングをしていきます。
えっ、ハーレーで!?ありえないですよね……? そう、数年前には信じられなかった姿に、KOTBファンは熱狂しているのです。
キング・オブ・ザ・バガーズってナニ?
レースファンなら、AMAスーパーバイクといえばピンとくるでしょう。2006年にMotoGP最高峰クラスでチャンピオンを獲得したニッキー・ヘイデンらを輩出した全米ナンバー1を決めるロードレースですが、その全米選手権を前身とするMoto AmericaチャンピオンシップのひとつのクラスとしてKOTBは組み込まれています。
2020年の秋に初開催され、初年度は1戦のみ。このとき、インディアンモーターサイクルが勝利し、アメリカンブランド対決が熾烈をきわめていくのでした。
アメリカで人気のあるフラットトラックレースでもライバル関係が昔から続く、宿命の対決とでもいいましょうか。これがまた全米のバイクファンを熱狂させるのですね。盛り上がる構図ができています。
バガーってなんだ!?
そもそも「Bagger/バガー」と呼ばれるジャンルのバイクは、その名の通りボリューミーなバッグのついたバイクのことを示し、広大なアメリカ大陸をゆったり長い時間をかけて走るために開発されたグランドツアラーです。
重厚な車体で、オーディオなどの豪華な装備が満載、二人乗りも快適、荷物がタップリと入る収納スペースもあり、サーキットでスピードを競う世界とは真逆にあります。
それを近年、、「パフォーマンスバガー」というカスタムスタイルに仕立て上げ、「ツアラーなのにスポーティに走っちゃおう!」という世界観が生まれていました。
じつは昔から「ハーレーでアグレッシブに走る」という考え方や趣向があって、「スポーツツアラー」なんていう「いったい、どっちなんだー!?」っていうジャンルが存在していました。
そういった価値観はカウンターカルチャー的なところから発生しているのか一部ユーザーらの間に根強くあって、前傾姿勢の正統派スポーツバイクではなく、あえて上半身が起きたライディングポジションで、大排気量Vツインのビッグトルクを活かしつつコーナーを駆け抜け、ハイウェイもスピーディに移動しようというアメリカ的ともいえる豪快なジャンルと言えます。
カスタムシーンから本格サーキットへ
それが極端すぎるほど過激になり、ついには全米ロードレース選手権のシリーズ戦に組み込まれるという前代未聞なことに発展してしまうのです。
開催されるのは、ローカルサーキットではありません。MotoGPもおこなわれるラグナ・セカであったり、世界に名高いデイトナ・インターナショナルスピードウェイなど第一線級、いやスーパーS級の檜舞台でレースはおこなわれます。
マシンを操るレーサーも、2019年デイトナ200のウイナーであるカイル・ワイマンがハーレーダビッドソンのファクトリーレーシングチームのマシンに乗るなど、これまたトップライダーたちが勢揃い。レベルの高い、メーカーが威信をかけた戦いへと登り詰めていくのでした。
今シーズンは全6戦で開催中!
昨シーズン、2021年はいよいよ全3戦のシリーズ戦へと発展。最終戦でカイル・ワイマン選手(ハーレーダビッドソン・スクリーミンイーグル・ファクトリーレーシングチーム)が勝利し、年間王座に輝きました。
そして22年シーズンは、年間6戦と一気に倍となり、ますます盛り上がりを見せているのです。 いかがでしょうか、少しずつ興味が湧いてきたのでは!? さぁ、KOTBがよくわかる『ウィズハーレー』が新発売です!!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。