いつまでも安全にバイクを楽しむために

レッドバロンが運営するバイク専用サーキット「那須モータースポーツランド」では、さまざまなイベントを開催している。僕は昨冬、トライアルパークでレッスンに参加した。

しかし、よくよく調べてみると、他にも魅力的なイベントがたくさんあるではないか! そこで今回はそのひとつ「那須MSLライディングスクール」を受講することにした。

これは「『もっと安全に走れるようになりたい』『もっと上手く乗りこなしたい』など、普段の安全運転に役立つカリキュラムを中心に、ライディングの基礎や実践的な技術を参加者のレベルに合わせて学ぶことができるスクール」(那須MSL公式Webサイトより)で、ビギナーからベテランまで支持される人気のスクールだ。

ちなみに僕は、もうすぐバイク歴30年。いつの間にかすっかりベテランの域に達している。自慢だけど免許はゴールドである。だから安全運転には自信がないわけではない。

だけどね、だからこそスクールを受けてみようと思ったのだ。実は僕はこれまでライディングスクールの類を受講したことがない。18歳で通った教習所以来、ほとんど誰からも指摘されることなくバイクを運転してきたのだ。30年間溜まりに溜まり、歪みに歪みきったクセがあるかもしれない!

そこで、改めてこうしたスクールを受けることで根本から技術を見直せば、さらにライディングスキルが向上し、末長く無事故&ゴールド免許でバイクライフを楽しめるんじゃないかと考えたのだ。

というわけで善は急げ、思い立ったが吉日。6月18日(日)に開催された「那須MSLライディングスクール」に愛車・XR BAJAで参加した。

那須MSLライディングスクールの朝は早い。レッスン開始は9時からだが、準備があるので8時30分までには受付を済ませよう。

ちなみにこの日は晴天。ちょっと暑いくらいだが、雨よりは良いだろう。ちなみにちなみに、雨の日でもレッスンは開催される(豪雨等は除く)。濡れた路面を安定して走るにはより高度なテクニックが必要であり、雨の日のライディングこそスキルを磨くチャンスである。「むしろラッキー!」と思って、積極的に参加してもらいたい。

受付を済ませたらピットロードにバイクを並べる。スーパースポーツからネイキッド、クルーザーにトレールとさまざまな車種があり、見ているだけで楽しい。若いライダーが多いのかと思いきや、僕と同世代の方も多くてひと安心。

あれ? 真ん中あたりに超かっこいいトレールモデルがあるなと思ったら……

……僕のXR BAJAだった(笑)。

冗談はさておき、那須MSLライディングスクールの定員は1回30名。参加車両は126cc以上であればジャンルを問わず、スクーターでもOKだ。料金はレッドバロン会員は9,000円で、一般は10,000円である。

言うまでもなく、ヘルメットやグローブに加え、長袖と長ズボン、ブーツ(もしくはハイカットシューズ)など、ライディングに相応しい服装もお忘れなく! サーキットを走るけれど、革ツナギは不要だ。

レッスンスタート!! まずは座学から

まずはインストラクターの先生方の紹介&ご挨拶。那須MSLライディングスクールの名物インストラクターは、鈴鹿8耐に20回の出場経験を持ち、「MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)・ロード国際(A級)ライセンス」「MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)・認定インストラクター」「交通安全協会・二輪車安全運転推進委員会・二輪車安全運転特別指導員」などのライセンスを持つ中井直道さん。

10年以上前に大阪のペイントショップで取材させてもらって以来の再会で、中井さんも僕のことを覚えていてくれたのが、ちょっと嬉しい(笑)。

インストラスターの方がたくさん! 参加者は30名もいるけど、それに負けない数のインストラクターがいるため、きめ細やかな指導を受けられるのだ。

ブリーフィングの後は準備体操とストレッチ。身体をしっかりとほぐす。

さて、いよいよレッスンだ!! ……だけど、まだバイクには乗らない。まずはホームストレートに集まって、座学からスタート。

レーシングスタンドで直立させたトライアンフ・ストリートトリプルを使って、基本姿勢などを確認する。

座る位置や足の置き方、グリップの握り方など、基本を学ぶ。

バランスは下半身で! グリップから手を離して、バイクを揺らしても安定している……の図。

加速時のライディングフォーム。

ブレーキング時のライディングフォーム。

コーナリングでは進む方向を見る! また、リーンウィズやリーンインなどの違いもあらためておさらい。

リーンアウトのやり方も座学で確認。

このように、まずはバイクに乗る際の基本事項を教わるので、ビギナーやリターンライダーも安心だ。

続いて受講者はコース脇に移動し、インストラクターによるデモランが行われる。ホームストレート上に2本のパイロンを立てて、8の字を描くようにしてUターンを繰り返す。

ポイントは「外側から大きく入って」「視点はパイロン」……

……そして「パイロンを見ながら、なるべく近くを小さく回る」、さらにすぐさま「前方の進行方向に視線を移す」!

他にも「リアブレーキでスピードをコントロールする」など、ここには書ききれない細かなポイントを説明してくれている。たかがUターン、されどUターンなのだ!!

というか、スーパースポーツでこんなに自在に曲がれるなんて……さすがインストラクターさんは凄いなーと感心した次第である(笑)。

いよいよ乗車!! 待たせたな、XR BAJAよ!

座学とデモランが終わると、いよいよ実技レッスンだ。乗車準備を整えて、各々の愛車にまたがる。

まずは全員で列になって、本コースを半周する「慣熟走行」を行う。エンジンとタイヤをしっかり温めつつ、ライダーも心の準備を行う大切な半周だ。

慣熟走行を終えたら、再度並び直してクラス分け。ゼッケンごとに3〜4人1組に分けられる。

インストラクターさんと共に各班、指定の位置に移動する。ここからは本コースやパドックなど、那須モータースポーツランドのすべてを使って個別にレッスンが始まるのだ。

最初のカリキュラムは、2本のパイロンを使った「8の字走行」。う〜ん、緊張するぜ!!

パイロンを見ながら回る僕。

中井インストラクターがアドバイスをくれる。ちなみに8の字走行をするのは1人ずつなので、しっかりインストラクターに見てもらえるのが嬉しい。しかも、受講者は1つのグループにつき3人程度しかいないので、何度も走れる。

ちなみに僕はもうすぐバイク歴30年である。しかもXR BAJAはトレールバイクで扱いやすい。だからUターンなんてお手のものなのだ……そう、ただ回るだけならね! しかし、あらためてプロに指摘されると気付かされる点が多く、レッスンを繰り返すうちに、ますますスムーズに曲がれるようになっていくのだ。

中井インストラクターから分かりやすく、かつ的確なアドバイスを受ける。分かっていたようで、意外と分かっていなかった……そんなポイントをしっかり教えてもらえるのがありがたい。

というわけでチャレンジ後半……進入は大きく回り、目線はパイロンに向ける。

目線はパイロンのまま、なるべく近くを小さく回る!

そして、進行方向に目線を移し、しっかり加速!! ……うん、できた!

さらにリーンアウトも使って細かく回るなど、何度も何度も8の字走行を繰り返す。

この後、さまざまなカリキュラムが待っているが、この8の字が基本とのこと。しっかり練習して、この後もクリアしてやるぜ!!

というわけで、今回はここまで。次回もお楽しみに〜!

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