今さらだけど、自工会(じこうかい)について簡単に説明したいと思います。正式には一般社団法人日本自動車工業会です。英字の略称はJAMA(ジャマ)。
自工会は自動車メーカーの集まった業界団体です。そしてその中にバイクメーカーが集まった二輪車委員会があります。以前は二輪車特別委員会という名称でしたが変更になりました。
自工会って何をしている組織なの?
で、自工会って何をしている組織なの?ということですが、業務はめちゃめちゃ多岐に渡っていてひと言では説明できないのですが、バイク大好きな読者の皆さんに身近なことで言うと、グローバルモデルの仕様統一(国際基準調和)があります。
バイクの性能や仕様に関する決め事の多くが、この二輪車委員会のお仕事によって決められているんです。中央省庁とのやり取りや海外の自工会組織らと協働しながら、排ガス規制や騒音規制、ブレーキやABS、ヘッドライトやウインカーなど灯火類の細かな仕様統一なんかが決められているんです。
昔は憧れだった欧州仕様とか北米仕様とかの逆輸入車はいまや無くなり、バイクの多くはグローバルモデルとして世界各地の工場で、可能な限り細部の仕様を統一して生産されています。
「面白みがない!?」
いえいえ、だからこそ、この値段でバイクが買えているんですからありがたいことです。もし仕様統一がなされていなければ、特に先進国向けのファンバイクはもっとお高いモノになっていたはずです。
さて、1月16日、二輪車委員会が「第8回 自工会二輪車委員会メディアミーティング」を開催したのですが、その中で二輪車委員会の組織と業務の概要について説明があったのでこれ幸いと紹介しておきたいと思います。ざっくりですけどね。
二輪車委員会には5つの部会がある
二輪車委員会には部会が5つあります。それぞれを簡単に紹介します。
①電動二輪車普及部会
電動バイクに関することを広く担当。コミューターやビジネスバイクへの活用が期待される交換式バッテリーでは、国内4メーカーで電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアムを発足し交換式バッテリーの仕様を統一し、産官学連携での実証実験「eやんOSAKA」の実施、4社+エネオスによる交換式バッテリーシェア企業「Gachaco(ガチャコ)」立ち上げとシェアサービス「Gachaco(ガチャコ)」を運用開始。
この他、固定式バッテリーも含めた利用形態とインフラの整備促進に関する課題抽出と検討、欧州バッテリーコンソーシアムに参加しての国際規格化・標準化を推進しています。
②二輪車海外部会
海外活動への取り組み全般を担当。世界の二輪の自工会であるIMMA(国際二輪自動車工業会)にFAMI(アジア二輪車産業連盟)の一員として参加しています。FAMIでは議長職などの要職をメンバーが務め影響力を持って活動。
現在、世界の二輪生産・販売の7割をも占める市場「グローバルサウス(アジア・南米などの南半球国)」でもリーダーシップを発揮しています。
③二輪車国際法規戦略部会
国際基準や法律の作成を担当。排ガス・騒音規制、灯火類やブレーキなどグローバルでの安全・環境に関する保安基準などの仕様統合に向けて活動。IMMAと連携して国土交通省や環境省にデータを提供するなど中央省庁の活動もバックアップしています。
④二輪車技術・基準調和部会
国際法規の国内調整を担当。国際基準調和に関する国際法規を日本の実態に合わせて認証するために関係機関と協力し試験マニュアルなど実務作業の整理を行っています。海外ではFAMIと連携してASEAN(アセアン)諸国を国際基準調和へ誘導する役割も担っています。
⑤二輪車企画部会
二輪車委員会の施策を広く担当。中央省庁や地方公共団体、関係団体と連携して2030年の将来市場に向けた「二輪車産業政策ロードマップ2030」の策定と推進・実行について牽引しています。
毎年開催されている国内二輪市場改善のためのシンポジウム「バイクラブフォーラム」を主導している部署でもあります。なお、2024年の第12回バイクラブフォーラムは9月27日(金)に宮崎県宮崎市の宮崎市民プラザ オルブライトホールで開催されることが決まっています。
以上、簡単ですが自工会二輪車委員会の5つの部会とその役割・概要について紹介しました。インドや中国の二輪車メーカーが成長した今、国際基準調和で日本がリードしていくことは今後ますます重要になるでしょう。各部会の活躍に期待です!