ツーリングに出かけると、なぜだかいつも気持ちが若返り、晴れやかな気分になってしまう……。そう思いませんか? これ、科学的にも実証されています。東北大学加齢医学研究所の川島隆太所長による長年の研究結果では「バイクに乗ると脳機能が向上し、メンタルヘルスも好転する」とのこと。そのせいかどうか、筆者もツーリングの際はついつい年齢を忘れ、食欲も旺盛に。今回は越後湯沢で見つけた激ウマつけ麺屋さんのお話。

お昼前から千客万来

越後維新湯沢本店

 関越道・湯沢ICを降り、あちこち走り回っていた4月上旬のとある日曜。そろそろお昼の時間だし、国道に戻って飲食店を探そうとしたところ、国道17号線の「楽町」交差点付近で気になるお店を発見。

越後維新湯沢本店

 看板には「維新」と書かれ、「越後つけ麺」「越後らーめん」の文字がデカデカと掲げられています。
 まだ11時を過ぎたばかりだというのに、広い駐車場にはお客さんのクルマがびっしり。目の前を走っていたステーションワゴンも駐車場へと吸い込まれていきます。これはかなりの人気店!

旅先では興味の湧くままに

越後維新湯沢本店

 豚骨、自家製麺、コシヒカリ麺、何だろうコシヒカリ麺って!? ラーメンの麺に小麦粉じゃなくて米粉を使ってる? これはもう入るしかないでしょう。
 ツーリング先では興味の湧くまま、気の向くままに行動する。それが楽しいのです。あ、だから気持ちも若返るのか?

越後維新湯沢本店

 店の前には、入店待ちのお客さんのためのパイプ椅子が、ずらりと並んでいます。ただし現在のところ、入店待ちはゼロ。これはチャンス! さあ、ラーメンか、つけ麺にするか…!?

越後維新湯沢本店

 メニューを見ると、つけとん、辛とん、こってりつけとんかつお合わせ、などなど、つけ麺だけでも5種類。新潟コシヒカリ米粉入り、なるほど小麦粉に米粉を混ぜ込んでいるのか、初めて食べるなあ、どんな食感と喉ごしなんだろう…。

 日に焼けた暖簾をくぐって店内に入ると、テーブル席とカウンター席、ざっと40席以上。お昼前なのに全部埋まっていました。お店の方が「こちらに腰かけてお待ちください」と案内してくれたのは、壁際の長椅子。
 それにしても熱気ムンムン。たくさんのお客さん、大量のスープを作るための大鍋、麺を茹でる巨釜、あちこちから熱が発せられているので、慌ててライディングジャケットを脱ぎます。こんなところで汗びっしょりになったら、午後の走行で汗冷えしてしまいます。

 10分ほど待ち、カウンターへ。注文したのは、つけ麺メニュー。並盛も大盛りも同一料金だというので、大盛りにしちゃいましたよ。で、着丼したのがこれ。

人気No.1「辛とん」

越後維新湯沢本店

 うまそーっ! 麺の量もたっぷり! 器がデカいので画像ではそう感じられないかも知れませんが、大盛りの麺は生めんで300g、茹で上がりは500gだそう。並盛でも茹で上がりで330gだそうですから、そもそもが盛りのいいお店なんですね。
 カウンターの上には〈美味しくなるかもよ!? つけ麺の召し上がり方〉なるメモ書きが提示されており、それによると〈まずは麺のみ食べるべし〉とあります。

越後維新湯沢本店

 なので、まずは麺からいただきます。けっこうな太麺で、割り箸と同じぐらいの太さ。箸でつかむと、ずっしりと重みを感じます。
 ああ、なるほど、このモチモチとした食感は、コシヒカリ米粉がブレンドされているからこそなのでしょう。ツルリとした喉ごしもいい感じ。

おもてなし度もバツグン

越後維新湯沢本店

 今度はつけ汁に浸していただきます。見た目ほど辛くはなく、豚骨の旨さのほうが前面に出ていて食べやすい味。ああこれはもういくらでも食える、大盛りにしといてよかったと確信。我を忘れてズルズルっ、一心不乱にズルズルっ、そうこうしているうちに、つけ汁が冷めてきました。そりゃそうです。500gの冷たい麺を何度も何度も浸しているのですから、熱々のつけ汁だって温度は下がる。
 すると店員さんが笑顔でこうおっしゃいました。
「温め直しましょうか?」
 そんなサービスは始めてです。ご厚意に甘えてお願いすると、店員さんはつけ汁の入った器をカウンター横の電子レンジに入れ、温め直してくれました。
 何というおもてなし、熱々状態に戻ったつけ汁で、つけ麺本来の旨さを再び味わえるようになりました。

越後維新湯沢本店

 具もいいのですよ、ホロホロとほどけるほど柔らかいチャーシューに、太麺に負けない太さのメンマ、白ゴマの香ばしさもいいアクセント。これにマジックビネガーを加えると、スッキリ、さっぱりした味に変化します。マジックビネガーが何なのかは分かりませんが、卓上にあったメモ書き〈美味しくなるかもよ!? つけ麺の召し上がり方〉その2にそうありました。

越後維新湯沢本店

 最後は、だし割で。お願いすると、カツオ昆布だしの入った湯飲み茶わんが渡されますので、それでつけ汁を割ります。これもまた旨い。

 いやあ、食った食った。
 つけ汁は温め直してくれるし、マジックビネガーで味変もできるから、500gの大盛りでもペロリです。しかもこちらはバイク乗り、ツーリングの途中ですから若返ってる状態。食えます。
 ちなみにこの「越後維新 湯沢本店」、日本最大級のラーメン情報サイト「ラーメンデータベース」では、2023年5月時点の「新潟のつけ麺」ランキングで第1位を獲得しているそう。みんなが認める名店だったんですね。

 食べ終わって席を立つと、壁のポスターが目に留まりました。
〈ボリューム満点 絶品もつ煮 越後味噌仕立て 魚沼産コシヒカリ使用 もつ煮定食930円〉

越後維新湯沢本店

 うーむ、これはまたいつか越後湯沢まで来なくちゃ。ボリューム満点だそうなので、来るなら当然バイクでね。

 

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