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カスタムバイク500台が集結!
こんにちは、青木タカオです。MOONEYESが主催する日本最大級のカスタムイベント『YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ ホットロッド・カスタムショー)2024』が12月1日(日)、今年もパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)でおこなわれました。
入場数は1日で2万4000人! 出展されたカスタムバイクは、なんと500台にもなります。
毎年、このイベントを楽しみにしているボク。なんせ珠玉のカスタムが一堂に集まって、一気に見ることができるわけですから、たまりません!! まさに天国です。
そんな熱きカスタムシーンに、昨今はメーカーも大きなブースを構えます。BMWモトラッドはバイクを展示するだけでなく、2024年発売のクラシッククルーザー『R 12』を題材としたカスタムプロジェクトを実施し、国内の著名カスタムビルダー&コミュニティによる4台の『R 12』カスタムバイクを披露しました。
そしてカスタムを手掛けた「MOONEYES(ムーンアイズ)」、「HAMANS CUSTOM(ハマンズカスタム)」、「TRIJYA(トライジャ)」、「CHIRIHAMA SANDFLATS(千里浜サンドフラッツ)」によるトークセッション&フォトセッションもおこなわれました。
“El Viento”
HAMANS CUSTOM
ハマンズカスタムの「El Viento」は“カフェレーサー”をテーマにしながら、既存のテイストとは一線を画すモダンかつ前衛的なスタイルを卓越したメタルワークで表現しました。
デュアルヘッドライトにミニカウルを組み合わせたフロントマスクからはじまり、燃料タンクからシートカウルにかけては、まるで1ピースのようなシームレスな面構成のデザインとなっています。
理想のシートポジションを追求し、シートレールやエアクリーナーボックスをワンオフで製作。『R12』のスチールチューブラーフレーム、そしてボクサーツインエンジンの存在をより際立たせています。
前後ホイールはノーマルですが、アースカラーのボディとコーディネイトするかのように、ペイントを剥離した後にグレーのセラコートを施工。マフラーもトーンを合わせた仕上がりです。
“MOON Arrow”
MOONEYES
今年で32回目を迎えたヨコハマ ホットロッド・カスタムショーのオーガナイズであり、日本のカスタムカルチャーを長年に渡って育て、牽引してきたムーンアイズもR 12カスタムプロジェクトに参加。たどり着いたテーマは、いにしえのムーンアイズのレーシングマシンが湛えていた「スピード感」でした。
まず説明しておきたいのは、ムーンアイズの歴史です。カリフォルニアのサンタフェスプリングスにて、1952年に設立された「ムーン・オートモーティブ」が前身で、ドラッグレースなどホットロッド系のチューンを行うショップとして誕生しました。カスタムカーやバイク好きで知らぬ者はいないほどのブランドに成長する「ムーンアイズ」へと発展していくのですが、その創業者はディーン・ムーンさん(1927年生まれ)。ムーンアイズの「ムーン」はココに由来しているのです。
はいっ、それを踏まえてハナシを戻しましょう。今回の“MOON Arrow”を見てまず目を引くのは、フェアリングをはじめとしたアルミ製の外装です。前後ホイールはKシリーズ用に換装され、両側にはムーンアイズのアイコンである「ムーンディスク」が備わります。
ムーンディスク!
これはディーン・ムーンがかつて、ボンネビル・スピードトライアル(最高速競争)のために開発したもので、軽量かつ空力にも優れたディスクホイールです。50年代から現代まで、ホットロッドムーブメントにおける四輪カスタムの世界において愛され続けています。
ランドスピードレーサーをオマージュした“MOON Arrow”は、極限までロワード。低く身構えて、空気抵抗を減らす最高速競争のマシンを彷彿とさせているのです。
“Legal Weapon R 12”
TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES
トライジャが掲げたテーマは「合法的に楽しめること」です。岡本代表をはじめ、溶接や機械加工、3Dデジタル解析など各分野の専門スタッフを擁する制作チームは、車体を丹念に3Dスキャンしながら、将来的な市販化を見越してパーツ制作に着手しました。
フューエルタンクはノーマルをベースにしつつ、両サイドを加工。オイルクーラー両側のカーボン製ウイングレットは3Dプリントで出力したもので、足を収まりやすくするため、インテークマニフォールドをタイトな形状で新造されています。
サイドカバーやシートカウルなど外装を刷新していますが、車体のアイキャッチとなっているのは、ワンオフした前後ホイールでしょう。足もとがゴージャスな印象です。
マフラーはトライジャが日本代理店となっている『Dr.Jekill & Mr.Hyde』製。またさらに、YSS製の特注サスペンションやAELLA製のハンドルなど、国内のトップコンストラクターとのコラボによるニューパーツが備わります。すべてのパーツがボルトオンというのも、リプレイスパーツメーカーとしてのこだわりを感じさせます。
"R 12 Sand Speeder Mark l."
CHIRIHAMA SAND FLATS
これまで千里浜のビーチドラッグレースで数多くのウィニングマシンを生み出し、シーンを牽引するとともにビーチドラッグレースをオーガナイズする千里浜サンドフラッツ。『R12』のカスタムはやはりサンドドラッグマシンをイメージしたもので、見応えがあります。
灯火器類などのないレーサーで、ディッシュホイールをセットした前輪にはブレーキがなく、またリアエンドはリジッド化。極限まで車高を下げています。
ボトムケースを伸ばしたフロントフォークはノーマルより2インチ長く、上下のステムは削り出しで製作しました。
砂浜で暴れるマシンを抑え込めるように、ライディングポジションはできるだけタイトに。ミニマムな構成にこだわるには、燃料ポンプやバッテリーの移設など大掛かりな造作を経る必要がありました。
無限大の可能性を感じるBMWの新型R 12
ベースとなった『R 12』の心臓部は、排気量1169ccの空油冷4ストローク水平対向2気筒エンジン。BMWモトラッドが1世紀以上に渡り育て上げてきたボクサーツインを搭載するニューモデルです。
有力ビルダーたちによるカスタムを見ていると、そっくりそのまま真似をすることが難しい部分はもちろんあるものの、その世界観やスタイリッシュさにワクワクせずにはいられません。
というわけで、今回はヨコハマ ホットロッド・カスタムショー2024からBMWモトラッド「R 12カスタムプロジェクト」についてのレポートでした。最後までお付きいいただきありがとうございました。