モーターショー時代からずっと見てきた
子どもの頃はお父さんと晴海埠頭(東京都中央区)へ、有楽町や東銀座あたりからバスに乗って観に行ってました。Japan Mobility Show/ジャパンモビリティショーがまだ東京モーターショーと呼ばれていた時代の話です。
第1回は1954年(昭和29年)、日比谷公園で開催。1963年(昭和38年)の第10回までは全日本自動車ショーという名前でしたが、それはボクが生まれるずっと前のこと。こんにちは青木タカオです。
小学生の頃は家族で、中高生になると友達と行き、新登場のクルマやバイクを人であふれかえる会場の中、胸を高鳴らせながら見入ったのでした。
資料を調べると、1958年(昭和33年)は後楽園で開かれたらしく、知る人ぞ知るって感じですね。1989年(平成元年)から会場を幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)に移しました。
2011年(平成23年)に現在の東京ビッグサイト(東京都江東区)へ。2年にいちどの隔年開催で、前回が2023年ですから、今年も楽しみです。
スズキの注目株は?
いよいよ開催が迫ってきましたジャパンモビリティショー2025(プレスデー10月29日~30日、一般公開日10月31日~11月9日)に向けて、各社が出展概要を発表しています。
前回はバイクファン目線で、ホンダとヤマハの注目モデルを紹介しましたが、今回はスズキにクローズアップいたしましょう。
スズキは1970年代より人気を博したレジャーバイク「VanVan」をモチーフとした原付二種相当のEV参考出品車「e-VanVan」を発表します。
電動化されてもバイクに乗る楽しさ、ワクワクを感じたいというライダーたちの願いを叶えるコンセプトモデルとして、遊びゴコロを感じてなりません。
車体サイズが全長1,810mm×全幅825mm×全高1,050mmと明らかにされていて、70年代のバンバン90(1971年)とバンバン125(1972年)の中間くらいかと思われます。
電動バンバンはこのまま発売されても、アリなのではないでしょうか。電動バイクは今のところまだ、ガソリンエンジン車と比較すると航続距離が物足りません。遠くには行けませんが、都市部のご近所を気軽にスマートに楽しく乗れるという意味では、バンバンのようなレジャーバイクからEV化していくのは、ひとつの手ではないかと思います。
市販化間近か!? 折り畳み電動モペッド
遊びゴコロをもっと感じるのは、e-PO(イーポ)です。前回のジャパンモビリティショー2023に参考出品され、反響の大きかったペダル付きの折り畳み電動モペッドが再び登場します。
定格出力0.25kWで、原付一種相当となります。パナソニック サイクルテックと共同開発し、パナソニック製リチウムイオン電池を採用。航続距離は30km以上と発表されています。
全長1,531mm×全幅550mm×全高990mmの車体は、折りたたむことができ、クルマの荷室に積むことも可能です。 2024年9月に報道向け試乗会が開催され、ボクも乗りました。ジャーナリストたちに体験させてもいい段階まで来ているということは、市販化も間近なのではないかと推測できます。
スズキは公道での走行調査も行なっていて、発売を期待せずにはいられません。
インドから押し寄せる新型
2025年1月にインドで開催された「Bharat Mobility Global Expo 2025」で発表した「e-Address」が、日本で初めて展示されます。
定格出力0.98kW、原付二種相当となります。WMTCモード値(発進、加速、停止といった実際の走行状況を模した国際的な走行モード)での航続距離は80kmと発表。新型になったアドレス125に続き、電動アドレスも需要の高い原2市場に投入されるのかもしれません。
スズキはカーボンニュートラルの実現に向けたマルチパスウェイでの取り組みのひとつとして、水素エンジンの研究開発をずっと行っています。「水素エンジンバーグマン」も前回に続いて参考出品されます。
2023年のモデルからの進化がわかるよう、カットモデルが展示されるから、じっくり見たいと思います。
内燃機エンジンの生き残りをボクたちライダーは願ってやみません。そういった意味では、注目株は「GIXXER SF 250FFV」です。
車体サイズは全長2,010mm×全幅740mm×全高1,035mm。そう、見てわかる通り油冷エンジンを搭載したジクサー250SFがベースになっています。
インジェクターや燃料ポンプ、エンジン制御等を改良して、バイオエタノール85%の混合燃料が使用可能なフレックス燃料車(FFV)とし、なんと2025年1月にインドで発売済み。
植物を原料とするバイオエタノール燃料を使用することで、従来の化石燃料に比べてCO2削減に貢献しながら、ガソリンの使用も可能として高い利便性を実現しています。
スズキは鈴鹿8耐に「チームスズキCNチャレンジ」として参戦し、バイオエタノール燃料に対応した「GSX-R1000R」が過酷なサーキットで着実に実績を積み上げています。バイオ燃料に対応する先進技術で、スズキは一歩先をいくことを知らしめていく展示だとボクは感じます。
市販予定車もずらり勢揃い
鈴鹿8耐で発表した新型GSX-R1000Rも市販予定車として展示されます。レース走行時のように、フルバンク状態を体験しながら撮影ができるフォトスポットが用意されるというから大人気になりそうです。
同じく鈴鹿8耐で展示されたGSX-8TやGSX-8TTも市販予定車として展示。鈴鹿では両モデルにまたがって、ライディングポジションや足つき性、また細部の質感などを確かめているファンが後を絶ちませんでした。ジャパンモビリティショーでも、展示車に多くの人が集まることは間違いないでしょう。
スズキの公式サイトには、ジャパンモビリティショーの展示車両として紹介されていませんが、DRZ-4SやDRZ-4SMもきっと登場するはず。
なんたって、両車とも注目度が異常に高い。というのも、10月8日に発売されると、S:400台/SM:800台と設定した年間目標販売台数を上回る受注が瞬く間に入ったとのこと。
報道向け試乗会も開催され、ボクもすでにミニサーキットとオフロードコースで2日間をかけて乗ってきました。新車価格はいずれも119万9000円。完成度が高く、これは買いと言えるでしょう。爆売れも納得です。
未来の乗り物にバイク仕様も!
次世代四脚モビリティ「MOQBA(モクバ)2」は、ジャパンモビリティショー2023で参考出品した「MOQBA」の進化版。四脚のプラットフォームをベースに、荷物配送仕様やバイク仕様などユーザーの多様な用途に対応できる様々なバリエーションが用意されているとのこと。バイク仕様がいったいどんなものか、早く見てみたいです。
スズキブースは東京ビッグサイトの東展示棟4・5・6ホール。一般公開日は10月31日(金)から11月9日(日)になり、ステージショー(約20分)もあります。上演予定時刻は各日10:00、11:30、13:00、14:30、16:00、17:30。
ブースでは軽トラ市をイメージしたコーナーで、スズキオリジナルグッズも販売されます。
長くなりましたので、今回はここまで。次回はカワサキブースの内容を開催直前に紹介しようと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。