ツーリングに出かけて、素晴らしい景色と出会った。あるいは、飲食店で珍しいご当地グルメを見つけ、注文した。そんなとき、どうします? せっかくですから写真を撮りますよね。今はもう、誰もがスマホを持ち歩く時代ですから、スマホで撮るって方が多いのではないでしょうか。でも、筆者は違います。カメラです。一眼レフでも、コンデジでもいい。昔からカメラで撮るのが好きなのです。

スマホで撮るのもいいけれど

 スマホでの撮影を、否定するワケじゃありません。手軽だし、写りもキレイです。ガラケー時代の画質とは、雲泥の差があります。

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 これはiPhone12で撮影したもの。ちょっと前の機種ですけど、充分にキレイ。スマホの画面をポチッと押しただけなのに、スマホが的確に状況を判断してISO感度〈ISO-25〉、絞り値〈f/2.4〉、シャッタースピード〈1/2179秒〉で撮影してくれました。
 ラクなもんです。バイクで例えたら、ビッグスクーターのよう。スロットルを開ければ、けっこうな加速でビュイーンと走り、シフトチェンジの必要もない。
 ラクで、楽しい。いいですよね。
 でも、バイクに乗るならマニュアル車、という人は多い。自分でクラッチを切ってシフトチェンジし、的確なギヤに入れて加速させ、減速時は前後輪のブレーキとエンジンブレーキをちょうどいいバランスで併用し、みたいな感じで何もかも、自分の知識と経験で判断してバイクを操縦したいのでしょう。筆者もそうです。

CANON PowerShot G10

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 昔はこんなカメラを使っていました。キヤノンのパワーショットG10。発売が開始されたのは2008年10月。クラシカルなデザインと多彩な撮影機能が人気となった、キヤノンのコンパクトデジタルカメラのフラッグシップモデル。ボディが金属製というのもお気に入りポイント。

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 ダイヤル、多くないですか!? 撮影モード用とISO感度用に加え、露出補正用の専用ダイヤルまで用意されていて、コンデジとはいえ本格的なマニュアル撮影が楽しめたのです。
 これらをあれこれといじりながら、いよいよ最後にシャッターを押す。
 いいのが撮れたら、自分の判断は正しかった、ということになります。
 バイクだったら、次のカーブはけっこう急だから進入前にこのぐらいまで減速してギヤは2速に落とし、ライン取りはこうやってここで加速、って感じでしょうか。
 いいコーナリングができたら、自分の判断は正しかった、ということになります。

CANON PowerShot S120

 PowerShot G10は、やや大きくて重いというのが、デメリットであり魅力でもありました。ちゃちな樹脂製パーツじゃなくて、金属製パーツを多用していたんだから、そりゃあ重くなるはず。だけど、質感はいいんです。バイクでいえばSRや、ハーレーみたいな感じ。
 こうなると、違う性格のバイクも欲しくなって、250㏄のトレール車だとか、スーパーカブみたいな原付2種が気になりだしたりするもの。

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 そこで買い足したのが、同じキヤノンのパワーショットS120。発売開始は2013年8月。
 軽い、小さい、そして高画質。オートフォーカスの速度も早い。
 焦点距離も35mmフィルム換算で24~120mmと、G10よりも広角側に広がりました。G10は広角が28㎜でしたから、S120のほうが広大な風景を撮るのに適していました。カメラ

 プロカメラマンが、ロケ先で万が一、一眼レフが壊れたときの保険用にサブ機として買い求めた、という逸話もあります。それだけハイエンドモデルだった、というわけ。
 これは筆者も、今なお使用中。

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▲PowerShot S120で撮影/絞りf/3.2 シャッタースピード1/2000秒 ISO-125

 カメラまかせのプログラムオート撮影のほか、シャッタースピード優先、絞り優先モードでも撮影でき、操作性もいいのです。
 今回はツーリングの荷物を減らしたい、そういうときは、こいつの出番。
 そんなに荷物を減らしたいならスマホで撮影すれば? という声が聴こえそうですが(笑)。

OM-D E-M10 Mark II

 本格的に撮影する場合は重くて大きな一眼レフを使っていましたが、そのうち時代は変わり、ミラーレス一眼カメラというのが世に登場。
 コンデジよりは大きいけれど、それまでの一眼レフよりはコンパクトで軽い。
 ということで、筆者も一眼レフと交換レンズ一式を売却、ミラーレス一眼を購入。

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 E-M10 Mark IIは、5軸手ブレ補正を搭載したエントリークラス一眼で、2015年に登場。
 いかにもカメラ! といったクラシカルなデザインで、質感重視でボディが金属製なのもお気に入りポイント。
 エントリーモデルだから本体は安かったんだけど、レンズは高かった。35mmフィルム換算で広角24mmから望遠200㎜までズームする〈M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO〉で、20万円ほど。高いけど、広角から望遠までこれ1本で撮影できて、プロカメラマンの友人が「これは神レンズです」と太鼓判を押すほど描写もいいのです。

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 広大な風景も、テーブルの上のラーメンも、どんなシーンも撮影できるというオールラウンダーな組み合わせ。それでいて、バカでかくない。
 バイクでいえば、林道から高速道路、街乗りからロングツーリングまで使えるアドベンチェーモデル、ヤマハのテネレ700、スズキVストローム800DEみたいな感じ。

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▲E-M10MarkⅡで撮影/絞りf/18 シャッタースピード1/40秒 ISO-200

 カメラは、バイクに似ています。ちょっと面倒だけど、そこがいい。メカニカルなものを駆使して「エモい」を感じる喜び、でしょうか。
 撮影という行為自体を楽しみたいなら、カメラはやっぱり魅力的です。

 

 

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