ツーリング時に写真撮影するなら、スマホじゃなくてカメラを使うのが好きな私。より本格的に撮影を楽しみたいときは、広角から望遠まで焦点距離を細かく調整できるズームレンズをカメラに装着して出かけるのですが、これは欠点もありまして、まずデカくて重いのです。そして、単焦点レンズに比べた場合に画質や表現力がイマイチなんですね。なので今回、軽くてコンパクトな単焦点のパンケーキレンズを買ってみました。そうしたらこれが大正解! 何が正解だったのか、というのが今回のお話です。
単焦点レンズはボケ味がいい

▲絞り値:f/2.5(絞り優先モードで撮影)、シャッタースピード:1/2000秒、ISO:オート
買ったのは、広角28mm(35mm判換算)の単焦点レンズ。被写体(今回は真っ赤な曼殊沙華)にグイッと寄れば、これだけ背景がボケるのかあ、と感心。
ボケにくいとされる広角レンズですが、開放F値が「2.5」とやや明るいレンズのため、ボケを活かした表現ができるんですね。いいじゃないの、これは!
パンケーキレンズは携帯性がいい
購入したレンズはこちら。超小型・軽量の広角・単焦点パンケーキレンズ「LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH.」。カメラのキタムラで買った中古レンズです。価格は税込19,600円でした。
ネットショップやフリマサイトならもっと安く買えましたが、どんなものが送られてくるか、不安じゃないですか。カメラのキタムラでは、老舗のカメラ修理専門業者が厳密に点検、品質が確認されている製品を販売しているし、中古保証付きなので、その点は安心。バイクを買う時もそうですけど、信頼できるお店で、現物を見てから買うのが一番です。
パンケーキレンズというのは、薄くコンパクトで、まるでパンケーキのような形状をしているレンズのこと。一眼レフカメラに装着しても出っ張りが少なく、これならコンパクトカメラのように気軽に持ち出せます。
ちなみにカメラはOLYMPUS(オリンパス、現・OMデジタルソリューションズ)なのに、レンズはLUMIX(ルミックス)でいいのか。いいんです。どちらもマイクロフォーサーズシステム規格なので、まったく問題ないのです。
撮影を楽しむためのバイク散歩
新しいオモチャを手に入れた子どもと同じで、さっそく外へ飛び出し、遊び始めた私。東京都内最大級の田園風景が広がっている八王子市高月町へとクロスカブを走らせました(赤い曼殊沙華の写真を撮った場所がそうです)。
そこで何か撮影欲を掻き立てるものはないかとウロついていると、多摩川の土手の近くの茂みに、気になるものを発見。
クマ用の箱ワナじゃないですか! 毎日のようにクマ被害がニュースで騒がれている昨今、八王子にもクマが出るのかーっ!
これはボカさずにしっかり撮りたいと考え、赤い曼殊沙華の時と真逆、絞り優先モードでf16まで絞り込んで撮影。絞ると被写界深度が深くなるので、手前のクロスカブも奥の箱ワナもピントが合っています(ただし絞りすぎると回折現象が著しくなり、シャープさが損なわれるそうなので、f16はやりすぎ。f11ぐらいにしておけばよかったと後悔)。
撮影中は、クマが出てきたらどうしようとソワソワ。まわりは広々した田園地帯で、人っ子ひとりいないのです。撮影後は一目散に退散。
次に向かったのは横田基地。基地のまわりは鉄条網付きのフェンスでグルリと囲まれています。東京ドーム約150個分という、国内最大級の米空軍基地。
こんな構図で撮影したら、広さが表現できるかなあと考えました。
レンズは、超広角、広角、標準、望遠と分けられます。35mm判換算で28mmという今回のレンズは、広角レンズの部類に入ります。広角レンズには、近いものはより近く、遠いものはより遠く表現するパースペクティブ効果があるので「ずいぶん遠くまでフェンスが続いている」という印象をより強めるのではないかと。
店の外観も卓上のラーメンも
お腹が空いてきたので、ちょっと遅い昼メシに。
向かったのは、東京都あきる野市の大吉製麺。横田基地のある福生から、永田橋通りを圏央道・日の出ICに向かった先にあります。
中細ストレートの自家製麺を使ったラーメンと、チャーハンが人気のお店。これが本当においしくて、このあたりを昼時にバイクでぶらつく際には必ず立ち寄るのです。駐車場も用意されています。
お店の脇にクロスカブを停めて、グッと近寄って撮影。
お店の外観をしっかりと撮る場合は、数歩うしろに下がって。印象が変わりますよね。
単焦点レンズの場合はズームレンズと違い、撮影対象から離れたり、近づいたりして撮る必要がありますが、そこが撮影時の楽しみでもあります。

▲絞り値:f/8(絞り優先モードで撮影)、シャッタースピード:1/80秒、ISO:オート
こちらはラーメン800円。中盛りは850円で、大盛りは900円。以前は背脂がありませんでしたが、現在は〈あり・なし〉が無料で選べます。
いつもと変わらぬ味、おいしいです。実直なご主人と人柄のいい女将さんの仕事ぶりに感謝。
しかしまあ、これも撮れるとは。
単焦点のパンケーキレンズを購入する際、何ミリのレンズにするかは、よく考えました。これ1本で済むようにするなら、何ミリがいいのか。ツーリング写真は風景を撮ることが多いので広角は当然として、より広い風景に向く24㎜か、それとも標準レンズに近い35㎜か。今回はその間を取って28㎜にしましたが、風景も、店の外観も、卓上のラーメンも撮影できる。
いいじゃないですか、広角28㎜単焦点のパンケーキレンズ!
ちなみに大吉製麺は「全日本ロードレース選手権2024MFJ CUP JP250」で年間チャンピオンを獲得した久川鉄平選手(青梅市出身)が、ご家族で通うお店。「あの子はチャーハンが好きでねえ」と女将さんが笑顔で教えてくれました。
食後は再びカメラ片手にバイク散歩。
こちらは田村酒造場。創業1822年、福生で日本酒「嘉泉(かせん)」を造る蔵元です。佇まいが渋いですよね。これも広角レンズのパンフォーカス効果を利用して、被写界深度(ピントが合う範囲)を深く撮影。
今回のバイク散歩で、広角・単焦点のパンケーキレンズ1本でもいろいろ撮れることが分かりました。
フィルム時代と違い、デジカメはフィルム代も現像代も要りませんから、安く楽しむことができるオトナの趣味(機材代は必要だけど)。
みなさんもバイクで出かける際、カメラを持参してみては? 気に入った風景の中に愛車を置いて撮る。それだけでも楽しいものです。
【関連記事】
私「ツーリング時に写真撮影するならスマホじゃなくてカメラを使う派」です
キャンプツーリングにオススメのカメラバッグを見つけた!