ダブワンも忙しかった

▲ボクのダブワン(W1SA)。

こんにちは、青木タカオです。前回の記事から少し時間が空いてしまったことをまずはお詫び申し上げます。

『Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー)2025』のカワサキブースにて展示された初代『650-W1』(1966年)にワクワクして以来、怒涛の原稿締め切りラッシュが続いておりました。

スズキ『DR-Z4S』と『DR-Z4SM』のメディア向け試乗会に参加したことまではココでお伝えいたしましたが、その後、ホンダ『CB1000F』やヤマハ『WR125R』、BMW『R12G/S』『R1300GS/アドベンチャー』『F900GS』『F800GS』などにも乗りました。

いろいろと忙しくしていたのですが、ボクの『W1SA』(1971年式)もまた働いて(!?)くれたことをご報告いたします。

なんと、鋳鉄シリンダーの腰上部分が分解され、アルミスリーブ化されたのです。詳細レポートは、レッドバロンも強力サポートする『モトメカニック Vol.25』(2025年冬号/内外出版社)で、ぜひご覧ください。

センパイ編集者のお誘いから始まった

モトメカニック編集長たぐちかつみさん。

▲完食してピースするのが、モトメカニック編集長の、たぐちかつみさん。食堂でふたり仲良くご飯を食べているところ。

事の発端は、先輩たぐちかつみさんからの相談でした。

「アオキくん、今度はダブワンをアルミスリーブ化するぞ!」

たぐちさんは、ネコ・パブリッシングで『クラブマン』や『モト・メンテナンス』の編集長を務めるなど、バイク業界のベテラン・エディター。バイクいじりをするベテランライダーからは、絶大な人気を誇る重鎮です。

奇しくもネコ・パブリッシングでハーレー専門誌に関わったボクは、その後にバイクブロス、そして内外出版社にて後継メディアの編集長として専門誌を発行していくのですが、その道筋はたぐちさんも同じ。

何かと接点が多く、会えば話は尽きません。大先輩でありながら、ボクにいろいろと優しくしてくださり、自然と会話が弾むのです。

お互いのガレージを行ったり来たりし、ダブワンのブレーキを調整していただいたりし、これまでもボクのW1SAは『モトメカニック』の中ページだけでなく、光栄なことに表紙を飾ったこともありました。

その時の自慢話はこちら↓↓↓
https://for-r.jp/column/14158.html

そんな、たぐちさんからの相談でしたが、今回は少し戸惑いました。腰上分解は大掛かりですし、アルミスリーブは未知なる存在。そもそも今のところダブワンは絶好調なので、できれば不調をきたしたタイミングとかにしていただきたかった……。

ここだけのハナシ、当初はそう考えていました。しかしながら、アルミスリーブのことをご丁寧に説明していただき、自分でも調べてみると、だんだんと興味が湧いてきます。

「悪い話ではないな」「やってみてもいい」「やってみたいかも?」

というわけで、少しずつ心変わりしていくボク。たぐちさんもきっと、そうなることを見抜いていたのでしょう。

気がつけば、「どうぞお願いします!」と口にしていました。

乗っていく時間がないことを告げると、クルマで引き取って作業もボクが立ち会わずに進めてくださるとのこと。

鋳鉄シリンダーをアルミスリーブ化

▲ボクのW1SA、鋳鉄シリンダーですが、アルミスリーブ化されました!

そして、入庫してしばらくすると、完成してきました。

モトメカニックVol.25にて、7ページもの大ボリュームで特集記事が組まれました。

▲モトメカニックVol.25にて、7ページもの大ボリュームで特集記事が組まれました。

すべて心配無用だったことが、乗るとすぐにわかります。モトメカニック最新号に走行シーンが大きく掲載されている通り、組み終わってからはこれまで以上に絶好調です。

▲ピストンなども新品が組み込まれました。

自分では問題ないと思っていましたが、作業中に不具合箇所もちらほらと見つかって、いろいろとリフレッシュされてきたのでした。

「500km走ってきなさい」と言われ

▲田口さん宅のガレージにて、ボクを待っていてくれたカワサキW1SA。

シリンダーベースのガスケットが馴染む頃に、また増し締めするなど作業があるので、きっとそれは次号ネタ。

なので、たぐちさんより「まずはある程度、500kmくらい走りなさい」とのこと。

まだまだ、年内にやらなくちゃならない仕事が山積みなのに……。

と思いながらも先日、少しだけダブワンを走らせました。

向かった先は、なんとなく筑波サーキットの方角へ。というのも、今年はMCFAJクラブマンロードレースに2回出場しました。

▲時間をつくっては練習走行に向かった筑波サーキット。ハーレーダビッドソンX500にて、サンデーレースにも今年は2回出場しました。その話はまた今度。

マシンはハーレーダビッドソン『X500』。「MAX10Jr.」という輸入車クラスで走りましたが、当然ながら筑波サーキットへ何度か練習に行きました。

軽トラの荷台にサーキット仕様にした『X500』を載せて走っていると、筑波サーキット周辺ののどかな景色がだんだんと気になってきちゃうのです。

この先は一体どうなっているのか!?

ハンドルを握りしめながら、いつものようにボクは無性にこの目で見て確かめてみたくなるのです。

ボクの場合、スマホのナビアプリではなく、標識にある地名だけで惹かれてしまうのです。

筑波サーキットへ向かう途中に見た標識にある地名。結城、筑西、古河、八千代、下妻……、もちろん首都圏近郊ですから、何度か足を運んだことがあるのですが、いま自分がいる場所とどのように道が繋がっていて、途中にどんな景色があるのか、知りたくなるのです。

病気でしょうか?

この気持ち、わかる人いますよね?

▲つい先日のことのような気がしますが、古河にたどり着いたのは2023年10月のこと。ここForRにて記事にしました。

そんなふうに、ちょっとしたロマンというか冒険心を感じつつ、ダブワンを走らせる時間がボクにとってはかけがえのないひとときなのです。

▲地図も見ないで、ひたすらダブワンとさまよう。ボクにとってはかけがえのない時間です。

そして先日、ナビアプリの地図など見ることなく、行き先標識だけを見ながら走る至福のさまよいタイムを味わってきました。

なるほど、ここに出るのか。じゃあ、この道は?

という具合に、あてもなくとにかくウロウロします。

鉄道オタクなので、知らない街に着くと、駅に行ってきたくなります。これは結城駅。

▲鉄道オタクなので、知らない街に着くと、駅に行ってきたくなります。これは結城駅。

知っている道、かつて見たことのある景色に出くわしつつ、この道は走ったことがないかもしれないと、バーチカルツインのサウンドと鼓動に揺られながらぼんやりと想います。

どこか懐かしい気がする、焼畑の匂いを嗅ぎながら走っているうちに国道4号線が近いことを標識で確かめます。

▲新4号国道沿いにある道の駅しもつけ。

古く細い街道筋は飽きたので、今度はバイパスへ。たどり着いたのが、道の駅「しもつけ」でした。

▲トイレを済ませたら、大きなダルマを見てすぐまた出発。トラック協会からの“安全祈願”として寄贈されたそうです。

一人だと給油とトイレ以外、一切休憩しませんので、ずっと走りっぱなしです。宇都宮で餃子を食べて帰ろうかなと考えていましたが、トイレに行きたくなりバイパスから降りました。

一度、バイクを停めてしまうと、「陽が傾いてきたし、もぉ帰ろうかな」って、いつもコロッと気分が変わるボク。

メーターを見ると、200kmくらい走っているので、帰路に着けばさらに距離が伸びる。たぐちさんにも報告できます。

今回じっくり乗ると、これがアルミスリーブの効果なのか、調子が良くなっていることがわかります。これについては、たぐちさんにしっかりと伝えなければなりません。また、モトメカニック次号以降にてレポートされると思います。

というわけで、今回は長くなったのでここまで。年の瀬にまた記事を公開できて嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事