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バッテリーがなければバイクは走れない!
バイクを走らせるためには電気が欠かせません。ほとんどの機種はエンジンの回転で発電を行い、それをバッテリーに充電して、点火や灯火類の電力として使っています。
バッテリーが寿命を迎え、充電が困難になると始動出来ないのはもちろん、走ることもできなくなります。ここでは、一般的にバイクに新車採用されている鉛バッテリーに付いて解説していきます。
現在は補水不要の密閉式MF(メンテナンスフリー)バッテリーが最も普及しています。
バッテリーは温度変化に敏感!?
バイクのバッテリー上がりと言えばまず思い浮かぶのは冬の始動時ではないでしょうか?
バッテリーの起電力は電解液の温度が低下していくごとに下がっていくので、冬はバッテリーにとって最も厳しい季節となります。
しかし、一方でバッテリーの電解液の温度が50℃を超えると自己放電が進み、容量が減少していくことになります。
また、水冷エンジンの場合、頻繁にラジエターの冷却ファンが回ることで電力消費が進んでバッテリー上がりを招くこともあります。冷却ファンはヘッドライト分ぐらいの電力消費があるので、回り続けると厳しいものがあります。
つまり、バッテリーは夏場にも厳しい環境下にあるのです。
バッテリーはこまめな充電が不可欠。高性能充電器がオススメ!
バッテリーを長持ちさせるには、過放電を防ぎ、常に満充電に近い状態を維持する必要があります。もっとも有効なのはなるべく毎日乗ることです。しかし、バイクにそんなに頻繁に乗ることができる恵まれた人はごく一部なわけで、その他大勢のライダーは常にバッテリー上がりの不安を抱えて暮らすことになってしまいます。
そこで、有効なのがトリクル充電やフロート充電機能を持つ充電器を常にバイクのバッテリーに繋いでおくことなのです。
トリクル充電とは
トリクル充電は常に微量な充電を続けることで満充電の状態を維持する充電方式となります。
フロート充電とは
フロート充電は、満充電になると充電器がそれを感知して充電をストップさせ、バッテリー電圧が低下したら再び充電を開始する方式となります。
過充電には絶対にならないのでフロート充電の方がよりバッテリーにとって好ましい充電となります。
どちらも、バイクに乗らない時の繋ぎっぱなしにしておけば、バッテリーの自然放電を防ぐことができるのです。
上記写真のOptiMATE4(オプティメート4)はフロート充電式です。
維持充電できるバッテリー充電器には、車体バッテリー端子に常時接続できる配線が付属していることが多いです。
こちらもCTEK製のJS800もフロート式となります。
通常充電用ワニ口端子
常時接続用配線。
常時接続配線を車体バッテリー端子に共締めしておくことで、カプラーオンで簡単にバッテリー充電器を接続できるようになります。
バッテリー電圧の計測はテスターを使用する
目で見えないバッテリー電圧はテスターを使うことで数値で確認できます。
テスターはホームセンターなどで2000円位で手に入れることができます。コンパクトなデジタル式がおすすめです。
バイクのバッテリー電圧を測る際は、ダイヤルを直流電圧計測を行う「DCV」に合わせて
赤のリード線をプラス端子、黒のリード線をマイナスに当てて、数値を読み取ります。
ほとんどのバイクは12V車なのでバッテリー電圧も12V以上あれば一応適正電圧ということになりますが、新品に近いバッテリーは13Vを超えていることも珍しくありません。
一方、電圧が12.5Vを下回り11Vに近づくと、バッテリー電圧がかなり低下していることになり、始動困難なレベルになります。
バッテリーに負荷を与えた時の電圧が重要
ただ、バッテリーの端子電圧は使用状況によって上下するのであくまで目安となり、もっと重要となってくるのがバッテリー電力を瞬間的に消費するセルスタート時の負荷電圧です。
仮に無負荷状態のバッテリー電圧が12.2Vくらいあっても、セルボタンを押して瞬間的に10V代まで電圧低下し、始動ができないようであればそのバッテリーは寿命を迎えており、交換しなければなりません。
このようにバッテリー寿命は使用している年数や、使用距離、そして負荷電圧などを見て総合的に判断することが必要になります。
バッテリーが頻繁に上がるようなら車体電装の故障が疑われる
新品に交換してもすぐにバッテリー上がりを起こしてしまうような場合はバッテリー寿命ではなく、発電系統や充電系統にトラブルがあることが疑われるので、プロに診断と修理を依頼するのが最も良い方法でしょう。
始動後にエンジン回転を上げて、回転上昇に伴ってバッテリー電圧が14V近くまで上がってくれば、車体の充電、発電系統は健全であると判断できます。しかし、14Vを大きく超えてくると過充電状態となるので、電圧を制御するレギュレーターの故障が疑われます。プロショップに相談した方が良いでしょう。
バッテリーを外す時は必ずマイナス端子から
バッテリーが寿命を迎えて新品交換する際は、作業をプロに依頼することで充電圧の確認なども同時に行ってもらえるので、自分で行うより安心感が高いです。
しかし、緊急時などやむを得ず自らバッテリー交換を行う場合は、手順に注意が必要です。
バッテリーは必ずマイナス端子を先に外し、取り付けはプラス端子から行います。
バイクは車体をマイナスの電気の通り道として使っている(ボディアース)ので、プラス端子を緩めるドライバーが車体に接するとそこで回路ができてショートしてしまうのです。
ヒューズが切れたり、火花が飛んだりすることもあるので、バッテリー脱着の手順を必ず遵守するようにしましょう。
なかなか寿命の見極めが難しいバッテリーですが、2年がひとつの交換目安になります。しかし、それほど乗らないバイクは2年以下でも交換を迎えることもあるので、やはり頼りになるのは定期点検時のプロメカニックの判断となるでしょう。