走り出そうと思ったときにセルスターターの動きが弱々しいと、出先でのバッテリー上がりが怖くて遠くへ出かける気が失せるもの。そんな心配がいらなくなる便利アイテムが実はあるのだ!
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駐輪時につないでおけばバッテリーはビンビンだぜ!
僕はバイクを頻繁に乗り換えるというよりは、1台の新車を買ったら10年、15年とじっくり乗り続けるタイプのライダーだ。そんな乗り方をしているといずれ直面するトラブルが“バッテリー上がり”。バッテリー上がりとは、つまりはバッテリーの能力低下である。携帯電話のリチウムイオンバッテリーや単三型充電池と同じようにバイクのバッテリーも消耗品であり、使い続けていれば遅かれ早かれ寿命を迎える。バッテリーが上がってしまうと、エンジンを始動するためのセルモーターを回す力が得られず、始動できなくなってしまうのだ。
長年、バイクに乗ってきて気づくのは、同じメーカーのバッテリーであっても、車両や乗り方が違えば、寿命もまちまち。2、3年でダメになってしまうこともあれば、5年以上保つ場合も。一番長いと7年保たせたことだってある。
バッテリー上がりの原因はサルフェーション
よく言われていることだが、バッテリーをダメにする一番の要素はバイクに乗らず長期間放置することだ。イグニッションをカットしたとしても、バッテリーをバイクに積んでおくと微弱な電流が流出しており、バッテリーは徐々に消耗していく。2ヶ月、3ヶ月と放置しておくと、バッテリー内部の放電が進みエンジンのかかりが悪くなってしまう。それだけならいいのだが、その状態でさらに長期間放置すると内部の電極板に硫酸鉛と呼ばれる絶縁物質が付着し始める。この現象をサルフェーションといい、このサルフェーションが進行するとバッテリーの電気を溜める能力そのものが低下してしまう。こうなるとバッテリー充電器で補充電しても十分なパワーが出せなくなりセルスターターを回せなくなる。これが世に言うバッテリー上がりの典型的なパターンだ。
このバッテリー上がり、つまりはサルフェーション現象を防ぐにはバッテリーを常に満充電にしておくことが一番いい。というのもサルフェーションを起こす原因は、バッテリー液の中に溶けている硫酸鉛という物質。この硫酸鉛はバッテリーが放電するときに電解液の希硫酸で電極板の鉛が溶かされることで発生し、逆にバッテリーを充電してやると再び、希硫酸と鉛の状態へと戻る。バッテリーを満充電しておけば電解液中の硫酸鉛の絶対量が減り、結果としてサルフェーションが起きにくくなる。
バッテリーの寿命を長持ちさせる秘訣とは?
ならばバッテリーのコンディションを最良に保つには頻繁に乗っていればOKかというと、これがちょっと違うのだ。確かに放置するよりも乗り続ける方がいいに決まっているのだが、頻繁に乗っていてもバッテリーが満充電になっていなければベストとは言えないからだ。
バッテリーは、始動時にセルスターターで電気を大量に使ったら、ある程度の距離を走らないと再び満充電になることはない。しかも、一度出かけたら帰ってくるまでエンジンを切らないなんてことはまずない。帰宅途中にコンビニにも寄れば、最寄りのガソリンスタンドで給油もするハズだ。そうなると必然的にバッテリーを消耗させた状態で帰宅することになる。よほど気を遣わないかぎりバッテリーを満充電の状態で駐輪保管するのは難しい。
僕も四半世紀以上バイクに乗り、大抵のトラブルは経験したから、ある程度バイクの不調・不具合は事前に予測がつくようになった。でもバッテリーの寿命だけはいまだに予測がつけられない。夏も冬も週6日は毎日80kmほど走るような通勤で使っている状況でも、3年くらいするとなんとなくバッテリーが弱り始め、その年の冬に寿命を迎えるバッテリーが大半。そんな経験から、乗る頻度とバッテリーの保ちにはある程度の関係性はありそうだが、劇的に寿命を伸ばすことにはならないことは、汗だくになりながら何度も押しがけしたことで体で覚えた。
つなぎっぱなしでバッテリーの寿命が伸びる『ROM-オプティメート4DUAL バージョン3』
さてそんな“いつ寿命を迎えるか”が読めないバッテリーだが、ある製品を使うようになると劇的に寿命が伸びるようになった。それが今回紹介する“ROM-オプティメート4DUAL バージョン3”をはじめとする常時接続型のフロート式のバッテリー充電器だ。幸い我が家の庭にはコンセントがあることもあり、バッテリー充電器の屋外設置も可能。バイクに乗り終わったらバッテリー充電器に接続してからバイクカバーをかけるクセをつけるようにして早10年以上。劇的にバッテリーの持ちが良くなった。
我が家では4台のバイクを保持しており、どうしても頻繁に乗る車両と時々乗る車両とで出動頻度が異なる。なので使い方としては『ROM-オプティメート4DUAL バージョン3』で一定期間充電したら、次の車両を充電するというふうに充電ローテーションを組んでいる。乗れないまでも、頻繁にバッテリーを満充電にすることで、サルフェーションが発生する隙を与えないという作戦だ。
それに充電のたびにいちいちバッテリー端子を露出させるのも面倒なので、バッ直(バッテリー直接接続)のアクセサリーソケットを各車両に増設しており、そこにシガーソケットタイプのコードで『ROM-オプティメート4DUAL バージョン3』を接続できるようにしている。こうしておけばカバーをかける前にプラグインすれば勝手に充電作業が始まる。
今回のバッテリーは6年目に突入。まだまだイケる!?
この手のフロート式のバッテリー充電器を使い始めて10年以上経つが、確実にバッテリーの寿命が伸びていると感じる。これまで僕の乗り方だと、3年目の冬までだましだまし使って交換する…なんてことが多かった。14年近く乗っているWR250Rは、都合2回ほどバッテリーを換えているが、今載せているバッテリーは2015年に換えたものだから、もう6年近く使っていることになる。流石に頻繁な始動を繰り返した場合には“なんか弱ってきたかな?”と感じることもあるが、まだまだ交換する段階にはきていない。みなさん知ってのとおり、バッテリーは決して安くない買い物だ。3年に一度買い替えていたバッテリーが、約2倍の期間使えるとしたらバッテリー充電器を導入する価値は十分あるのではないだろうか?
なんと今回のバッテリー寿命は6年半のロングライフ!
追記。2022年4月、ついに長年使い続けてきたWR250Rのバッテリーが使い物にならなくなった。状況は、いつも通り走っていたら交差点でエンストして、そのままエンジンがかけられなくなってしまった。目的地であるバイク雑誌編集部のすぐ近くだったので、その場は押して転がし。預けがてら数日バッテリーを充電してもらったが、クランキングできるほどの電圧が復活せず。念の為、出先で購入してきたバッテリーに交換したのだ。という訳で約6年半、ここまでバッテリーが長持ちしたのは間違いなく『ROM-オプティメート4DUAL バージョン3』で日常的に満充電の状態を保ったからだろう。
ROM『オプティメート4DUAL バージョン3』
ROM オプティメート4 クアッド