レッドバロンがプロデュースするジェット「ROM ZEROSヘルメット」を6か月間使用。基本的にフルフェイスしか被らない筆者が気に入った理由を述べたい!

ポップな箱に入ったスポーティジェットが家に到着

私は根っからのフルフェイス派だ。仕事ではジェット(オープンフェイス)も被るけど、18歳でバイクに乗り始めてから自費で購入したのはほぼフルフェイスのみだし、プライベートでも普段からフルフェイスしか被らない。

理由は、「慣れ」という面が大きいと思う。とにかく顔の前にチンガードがないと落ち着かないというのが最大の理由だ。それに、ライディング中はあまり表情を周囲に見せたくない。自意識過剰なのかもしれないけど、私にとってバイクに乗っている最中は特別な時間。周囲の目を気にすることなく、走りに集中したいのだ(他車との安全面を考えれば、表情や目線がワカッタ方がいいとは思います)。

前置きが長くなったけど本題に入ろう。そんな私の元に、半年前ForRの中の人から「ぜひとも使っていただいてレビューをお願いしたいです!」とヘルメットが送られてきたのだ。

↑家に届けられた、黄色と白のポップなカラーの箱。製品名が大きく書かれている。

 

↑ご開帳。これがROMのZEROSヘルメットだ。正式名称は「MODEL RK-2」。単色はマットブラック(写真)、ソリッドブラック、グラスホワイト、ダークシルバーの4カラー。ツートンカラーは、ブラック×ホワイト、ブルー×ホワイト、ブラック×オレンジの3色だ。サイズ:S 55cm・M 57cm・L 59cm・XL 61cm

 

ROMとは、「RED BARON ORIGINAL MOTORCYCLE GEAR」の略で、レッドバロンのプライベートブランド。コスパに優れた用品を多数展開している。

外観は、まさしくスポーティジェット。各部に設けられたリブラインと、エアダクトが精悍な印象だ。スポーツバイクはもちろん、私の愛車のカブなどクラシック系にも似合う、クセのないデザインと言える。
しかもインナーシールドバイザーが内蔵され、帽体左後部にあるスイッチで開閉可能。あごひものバックルはワンタッチ式で着脱がイージー、と機能性も高い。

 

↑インテークダクトは額の左右に2箇所。2段階式のスイッチは大型でグローブをしていても操作しやすく、オンオフ位置の節度感もしっかりある。

 

↑後部はリブラインが複雑に走り、スタイリッシュ。排気ダクトは上部と両サイドに設置。いずれも常時開放式だ。

 

この装備で、単色は税込1万7600円、ツートンカラーは1万9800円とリーズナブルなのがうれしい。ABS樹脂製の帽体でコストダウンを実現していると思われるが、市販ヘルメットに必要なPSCおよびSG規格はもちろん取得している。エアインテークがややプラスチッキーながら、全体的な質感は十分合格点だろう。

軽やかで、面で支えるホールド感が出色

着用してみると、被り心地に感心した。
筆者は頭のハチが張っており、アライはXL、SHOEIはLがジャストというサイズ感。アライはXLで若干緩めだ。
ZEROSヘルメットではLサイズを選択。頭部全体を面でしっかりホールドし、どこにも違和感がない。もう少し詳しく書くと、頬の圧迫感があまり強くなく、後頭部をしっかり包み込んでくれるのがいい。

さらに特筆すべきは軽さだ。単体重量はLサイズで約1400g(筆者測定、個体差あり)。インナーシールドバイザーとワンタッチバックルを採用したジェットとしては平均的な重量だが、重量バランスがいいせいか被ってみると実に軽い。

マジメな話、被っているのを忘れて、そのままコンビニに入ってしまったほどだ(よい子はマネしてはいけません笑)。

↑軽さと包み込むようなホールド感が素晴らしい。筆者の場合、メガネもスルッと装着できた。もちろんメガネをかけたままインナーシールドバイザーをオンにできる。

操作感が軽く、使い勝手のいいインナーバイザー

走行中は、風が口元と鼻先を避けて頬に抜ける。フルフェイスでは味わえない爽快感が楽しい。周囲の音はそれなりに聞こえるものの、100km/h走行でも不快な風切り音や、帽体のブレはなく、安定感がある。

ベンチレーションもこの価格帯にしては十分。走行風を直接感じるのではなく、負圧で熱気を吸い出すタイプでムレにくい。帽体内部に設けられた縦方向のレールと内装の立体構造もムレの軽減に一役買っているようだ。

↑内装はあごひもカバーを含めてフル着脱式。外側から見える部分にパンチング付きの合皮をあしらうなど質感も高い。いずれも、この価格帯では珍しい。

 

↑内装を外した状態。風が抜けやすいように、緩衝材にレール状の溝が深く刻まれている。頭頂部にたまる湿気を排出しやすい構造だ。

 

そしてインナーバイザーの使い勝手が抜群にいい。バイザーを直接動かす直動式より動きが軽いスプリング式のため、サンバイザーをオフにする際、スイッチを軽く押すだけでシャキンとバイザーが上がる。個人的に「表情を見せたくない」と前述したが、ジェットでもバイザー付きなら問題ナシだ。

↑帽体左後部にあるレバーを操作して内蔵バイザーを開閉できる。オフにする際はレバーを押すだけで瞬時にクリアな視界に。急なトンネルなどで暗所を走る際も安心だ。

 

↑頻繁なヘルメットの着脱も苦にならないワンタッチ式バックル。立ち寄り先で写真を撮る機会が多いツーリング取材でも便利だった。ベース部や軸など要所に金属が使われ、信頼性も高そうだ。

 

↑あごひもにはヘルメットロック用の金属リングを完備。ワンタッチバックル式のヘルメットではこれが装備されていない場合もあるが、さすがだ。

 

軽さも相まって、とにかく長時間被っていても疲れにくい。おまけに顔も隠せる。そのため半年間、バイクに乗る際は自然とZEROSヘルメットに手が伸びていた(笑)。もちろんテストをしたかったのもあるが、特に街乗りやちょっとした買い物なんかでは気軽なZEROSヘルメットを使う率がほぼ100%だったのだ。

スピーカースペースがもっと広ければさらにうれしい

不満があるとすれば、スピーカーを後付けするスペースが狭いこと。耳元の空間はしっかり確保されており、薄いスピーカーなら問題ないかもしれないが、筆者手持ちのスピーカー(厚さ12mm)だと耳がキツかった。最近流行している、耳元のパッドを外してスピーカーが入る構造に変更してくれるとうれしい。ただし、このような凝った仕様にすると、もっと価格が上がる可能性があるので、この点はトレードオフかもしれない。

いずれにせよ、フルフェイス好きが日頃から使ってしまうほど、気軽で使い勝手が高いZEROSヘルメット。高速ランや気合の入った走りの時はフルフェイス、普段使いにZEROSという使い分けをしていきたいと思う。それにしても、隙がない造りながら、税込2万円を切るプライスは良心的。コスパが高いため、最初のヘルメットにもオススメできる一品だ。

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