夏のツーリングでは熱中症予防のため、こまめな水分補給が大切。林道ツーリングではハイドレーションパックを使うと手軽に水分補給ができますよ、というのが前回のお話。今回はその続きです。

この水筒を活用できないか!?

 数年前からハイドレーションパックを活用し、猛暑の林道ツーリングでも快適に水分補給ができるようになった筆者。ところが残念なことに、安物のハイドレーションパックを買ったがために、水への匂い移りが気になって、気になって……。
 ただ買い直すのもシャクなので、何かひと工夫できないものだろうか。そしてひらめいたのが、これ。

ハイドレーション

 日本のアウトドア用品メーカー・エバニューの「ウォーターキャリー」です。素材は低臭ポリエチレン三層構造のナイロンで、抗菌加工を施した口栓とキャップが雑菌の繁殖を抑え、水を入れると自立が可能。900ml、1.5L、2Lと3タイプあり、筆者は2Lのものをキャンプツーリング用に活用していました。価格は2Lのもので1045円。安いでしょう! ネットだともう少し安く買えます。

ハイドレーション

 水を抜けばペッタンコ、丸めて持ち運ぶこともできます。何よりうれしいのは、匂い移りがほとんどないこと。このウォーターキャリーをハイドレーションパックにできないか? 筆者はそう考えたのです。
 実際、エバニューではこのウォーターキャリー用に、ハイドレーションチューブ(定価2530円)をオプションで用意しています。これを組み合わせれば手軽にハイドレーションパックが完成するわけですが、エバニューのハイドレーションチューブは、ウォーターキャリーを正立の状態で使用するもの。ところが一般的なハイドレーションパックは、倒立なんですよね。

ニコイチで自作してみることに

ハイドレーション

 倒立タイプのほうがいいなあ。キャンプの際、横に駐めたバイクのハンドルにぶら下げれば、水道みたいに使えるもんなあ。ということで、筆者はこれを購入しました。アメリカのアウトドア用品メーカー・プラティパスの「ドリンキングチューブキット(定価1650円)」。本来は、プラティパスのハイドレーションパック「ホーサー」という製品の交換用パーツです。けれどもプラティパスのウォーターキャリーである「ソフトボトル」に取り付ければ、ハイドレーションシステムとして使用できるというもの。
 ネットでいろいろ調べると、キャップのサイズがエバニューと同じらしく、水漏れもない、という製品レビューも!

吊るすための穴をあける

 この「ドリンキングチューブキット」を、すでに手持ちのエバニュー「ウォーターキャリー」に組み合わせれば、倒立式のハイドレーションパックが完成するはず。そう確信した筆者は、エバニュー「ウォーターキャリー」をザック内部に吊るすため、「ウォーターキャリー」の縁に穴をあける作業を始めることに。

ハイドレーション

 使った道具はこれ。正式な名称はなんというのでしょう。バインダーに紙をはさむ際に使用する、紙の端っこに丸い穴をふたつあけるやつ。いま調べたら「穴あけパンチ」というらしい。へー、そうなんだ。

ハイドレーション

 エバニューのウォーターキャリーは、下側の耳の部分がけっこう広いです。なので、穴あけパンチとやらで挟んでパチン! きれいな丸い穴をあけることができました。同じように反対側にも穴をあけます。
 そしてプラティパスの「ドリンキングチューブキット」を取り付けると、じゃーん!

自作ハイドレーションの完成

ハイドレーション

  水を入れて逆さにしてみましたが、キャップのバルブ部分からは水漏れもありません(ただ、しっかりと正確に締め込まないと、バルブ部分から水が漏れます。これはどのハイドレーションパックでもいえること)。ドリンキングチューブの飲み口のゴムを歯で噛むと、飲み口が開いて水が出てきます。そしてそして、水のうまさが段違い! ビニール臭さとは、これでおさらば。こまめな給水は、疲労も低減してくれます。 ドリンキングチューブに取り付けられている黒いプラスチックパーツは、飲み口を襟元や胸元に固定するクリップ。このクリップを、ザックのショルダーハーネスのストラップあたりに取り付ければ、バイクに乗ったままでも簡単に水が飲めます。

ハイドレーション

 ザック内側の背面の上部には、φ4ミリの細引き(アウトドア用のナイロン製の紐)を縫い付けてありますから、自作ハイドレーションにあけた穴に細引きを通し、縛り付けてみました。これで完成、ですね。
 関東はまだ梅雨入りもしていませんが「さあ来い、夏!」って気分です。みなさんも夏の熱中症対策、万全にしてくださいね。ではまた!

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