近年のデイトナは、キャンプツーリング用の積載アイテムだけでなくオリジナルのキャンプ用品にも力を入れており、それまでの小川テントとのコラボレーションアイテムに加え、2022年にはオリジナル設計のツーリングテント『ドールルーム』をリリース。……と思ったらモノポールテントの『ワンティピー』や、前室大きな『マエヒロドーム』といった新作テントを矢継ぎ早に発表。なんと今年(2024年)は、既存のテントに接続して前室を広げる変わり種テント『マエヒロシェルター』を登場させた。この最新作の『マエヒロシェルター』を実際に使用する機会に恵まれたので早速レポートさせていただこう!

コンパクトでパッキングもしやすい『マエヒロシェルター』

デイトナアウトドアサプライの2024年新作『マエヒロシェルター』(カラー:フォレストカーキ)。本来は、写真のように既存のテントに接続して使う……のだが、僕はちょっと違う使い方をしてみたいのだ。

デイトナアウトドアサプライの2024年新作『マエヒロシェルター』(カラー:フォレストカーキ)。本来は、写真のように既存のテントの前側に接続して使うモノ……なのだが、僕はちょっと違う使い方をしてみたいのだ。

収納寸法は44×φ10cmとコンパクトで、重さも実測1350gと軽量な『マエヒロシェルター』。収納袋には程よい余裕があり、オプションのポールや追加のペグ&細引き、バグネットなどを一括収納しておける。

収納寸法は44×φ10cmとコンパクトで、重さも実測1350gと軽量な『マエヒロシェルター』。収納袋には程よい余裕があり、オプションのポールはもちろん、追加のペグ&細引きバグネットなどを一括収納しておける。また袋にはパルステープが回されているため荷物の外側にくくりつけてもいい。

 

2024年のモーターサイクルショーデイトナブースで、初めて『マエヒロシェルター』を見た時に閃いてしまった。というのも最近は、コロナ禍の影響もあったがどうにも暑くて夏にテントを張る気が起きず、コンパクトなタープの下で蚊帳を吊って涼しく寝る……そんなキャンプがやりたくなった。

DH-759 シートバッグPROⅡ(Lサイズ)にもぴったり収まる『マエヒロシェルター』。テント本体を持っていかなければ、かなりの荷物が軽くなりそうだ。

DH-759 シートバッグPROⅡ(Lサイズ)にもぴったり収まる『マエヒロシェルター』。テント本体を持っていかなければ、かなり荷物が軽くなりそうだ。

①『マエヒロシェルター』と、②キャンプ用の蚊帳(バグネット)、③ハッチ跳ね上げ用のポール。この3つを基本構成に、天候によってはもしものための④小型のテントも持っていく。

サイズ感はこんな感じ。①『マエヒロシェルター』とオプションの後部用ポール、②キャンプ用の蚊帳(シートゥーサミット:ナノモスキートピラミッドネット/ダブル)、③前方ハッチ跳ね上げ用のポール。この3つを収納袋に入れておき、天候によってはもしものための④小型のテント(ニッピン:IGLOO)も持っていく感じかな。いずれにせよ荷物はかなり少なくて済む。

 

僕の場合、バイクでのキャンプは平地で行うことが多いので山岳用テントのような、防風性や保温性は必要ない……、というかハナから天候などの条件が悪いとわかればそもそもキャンプではない宿泊方法への移行を考えるのでテントを張るのは好条件下のみである。なので風に対する強度や保温性よりも風通しの方が気になるというわけ。夜露やもしもの雨がしのげて、蚊やヒル、ダニなどの害虫から身を守れれば寝床としてはもう十分なのだ。

『マエヒロシェルター』は独立して立てられるテントのフライシートと考えれば話が早い。しかも底部に左右をつなぐテープがあることで設営も簡単。前方のハッチは125cmのポールを組み合わせれば跳ね上げが可能だ。

『マエヒロシェルター(カラー:サファリ)』は独立して立てられるテントのフライシートと考えれば話が早い。しかも底部のテープで左右がつながっていることで設営も簡単。前方のハッチは125cmの補助ポールを用意すれば跳ね上げ設営も可能だ。

インナーテントがないぶん荷物はコンパクトになるというわけ。寒かったり、雨が降ってきたり条件が悪くなった場合は、内部に小型のシングルウォールのテントを設営してもいい。

インナーテントがないぶん荷物はコンパクトになるというわけ。寒かったり、雨が降ってきたり条件が悪くなった場合は、内部に小型のシングルウォールのテントを設営するのもいいだろう。

内部にテントを張ってもチェアやテーブルを置いてくつろぐスペースは確保可能。まぁ、狭ければそもそもの使い方である小川張りをすればいいのだが……。

内部にテントを張ってもチェアやテーブルを置いてくつろぐスペースは確保可能。まぁ、狭ければそもそもの使い方である小川張りをすればいいのだが……。

『マエヒロシェルター』とバグネットだけで寝る快感!

僕が『マエヒロシェルター』とやってみたかったのは、バグネットを吊り下げてそこで寝るというキャンプスタイル。平地のバイクツーリングはもちろん、カヤック旅など暑いところでキャンプすることが多いので、“正直インナーテントはいらないんだけどなぁ……”なんて思っていたところに『マエヒロシェルター』が登場したので願ったり叶ったりなのだ。

『マエヒロシェルター』のセンターにはフックがあり、バグネットやランタンを吊り下げられるようになっている。

『マエヒロシェルター』のセンターにはフックがあり、バグネットやランタンを吊り下げられるようになっている。

ブーツやヘルメットなど、夜露で濡らしたくないものを置いておくスペースも十分確保でき、雨天時には『マエヒロシェルター』中で着替えたりの作業も可能。雨天時は、最後に『マエヒロシェルター』を畳む段取りを組めば、極力荷物を濡らさないでパッキングが完了する。

ブーツやヘルメットなど、夜露で濡らしたくないものを置いておくスペースも十分確保でき、雨天時には『マエヒロシェルター』中で着替えたりの作業も可能。荒天下では最後に『マエヒロシェルター』を畳む段取りを組めば、極力荷物を濡らさないでパッキングが完了できる。

 

早速、バグネットを吊り下げて寝てみると、これがなんだか思いのほか具合がいい。『マエヒロシェルター』とバグネットのキャンプスタイルでは、普通のテント泊では得られない解放感があるのだ。

前後が空いている『マエヒロシェルター』はとにかく風が通り涼しく、しかもハッチを跳ね上げていたことで、ゴロリと寝転べば、跳ね上げたハッチの脇から星空が見える。それにこれは実際に体験してもらわないとわからないことだと思うけど、外界との境が曖昧になるのか虫の声や風が木々を揺らす音がいつもより大きく聞こえる。『マエヒロシェルター』とのキャンプでは自然により近づけるような解放感が味わえるのだ。

しかも、このスタイルなら旅の荷物はずいぶん少なくなるというのだから、ちょっとこの『マエヒロシェルター』+バグネットのキャンプスタイルはヤミツキになりそうだ。

テント泊とは全く違う解放感が味わえる『マエヒロシェルター』+バグネット泊。害虫が少ないことが前提条件になりそうだが、この解放感はちょっとやみつきになりそう!

テント泊とは全く違う解放感が味わえる『マエヒロシェルター』+バグネット泊。蚊やアブ、ヌカカなどの害虫が少ないことが前提条件になりそうだが、この解放感はちょっとクセになりそう!

 

MAEHIRO SHELETER
●価格:2万1780円 ●素材 外幕:20Dリップストップナイロン/シリコンPU(耐水圧3000mm)/ポール:アルミ合金A7001 ●本体サイズ: 330×280×160cm ●収納サイズ:44×φ10cm/ポール:42cm ●重量:約1.35kg ●カラー:フォレストカーキ/サファリ

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