「洗車をするのが億劫過ぎる…」

マンション・アパート暮らし歴10年を迎える筆者の、切実なる心の声だ。
バイクを複数持っているという事情から車庫を借りている筆者だが、自宅から車庫までは徒歩で2~3分がかかる。そしてもちろん、車庫の周辺に水道の設備はない。

毎回20リットルのタンクを運び、それを少量ずつバケツに移してやりくり。そのうち「もう疲れたよぉ~」なんて悲鳴をあげてしまう。
きっとマンションライダーの誰もが、似たような場面を経験しているのではないだろうか。

…そんな我々の悩みを解決してくれる “救世主的アイテム” が、バイク用品メーカー サイン・ハウスから新登場した。
その名も『SPICERR(スパイサー) ポケッタブル高圧洗浄機 SWU-1』だ!

「高圧洗浄機」という割に、片手で持てるコンパクトサイズ&スタイリッシュなデザインじゃないか。
一体どんな製品なんだ? そして、従来の高圧洗浄機・クリーナーとはどんな違いがあるんだろうか??

充電式のハンディ高圧洗浄機

ジャジャン! 筆者が手に持っているのが、噂の『SPICERR ポケッタブル高圧洗浄機SWU-1』である。ノズルやホースなどが付属し、定価は税込1万2980円だ。

SWU-1を一言で表すならば、「充電式のハンディ高圧洗浄機」。
折りたためば 本体サイズが約W176×H104×D68mm、重さが約800gと聞くと、あまりの小ささに驚く人も多いのではないだろうか。

とにかく操作がシンプルで、誰でも簡単に使えるのが大きな特徴だ。
2リットルペットボトルやバケツから給水をして、弱・中・強の3段階の強さと、0度・20度・傾斜20度・40度・シャワーの5段階のノズルをワンタッチで切り替えながら水を噴射できる。

強さは本体後ろにあるボタンで、ノズルは付属の可変ノズルをカチッと回すだけで簡単に切り替えられるので、水をかけるモノや状況に合わせて瞬時に操作が可能だ。

本体は IPX5※相当の防水性能を持っていて、4時間の充電で14分(強:0度ノズル)〜 30分(弱:シャワーノズル)の使用ができる。(※毎分12.5ℓの水を、2.5~3mの距離から3分間以上散水しても浸水しない程度の防水性能)


疑り深い筆者、実物を触ってみるまでは「本当に洗車が楽になるんだろうか? そもそも使用時間14~30分って時間足りるのかな??」という疑問を持っていた。

…しかし一度洗車に使ってみると、その使いやすさと性能に大満足!
強:0度ノズルで足回りにこびりついた泥を吹き飛ばしたかと思ったら、


弱:40度ノズルで車体全体を優しく水洗いもできる。


濃縮タイプのカーシャンプーを使用したい場合は、付属の洗浄タンクキットに水とシャンプーを入れてセットすることで、泡を噴射できるという嬉しい機能も付いている。


何より筆者が助かったのは、手持ちのバケツやタンクから直接給水して使えること。

「これまでの手間はなんだったんだろう」と思えるほどに、簡単&痒いところに手が届くような放水ができ、おまけに水遊びをしているみたいでなんだか楽しい。洗車にかかる時間とストレスを大幅に減らすことができたのだった。

心配していた14~30分間の使用時間は「適切」とお伝えしておこう。効率的に使えば、2~3台は一気に洗車できるほどの稼働時間であった。

なお、一般的に高圧洗浄機の強すぎる水圧は「コーティングやステッカーが剥がれる」「浸水によって車体にダメージを与える恐れがある」と言われているが、このSWU-1の場合は洗車に適切な水圧で噴射ができる。
「さすがはバイク用品メーカーの製品!」と拍手をしたくなるようなスペックなのだ。

ケルヒャー『OC-3』と比べてみた

ここで気になるのが、「従来の高圧洗浄機・クリーナーとはなにが違うんだろう?」ということ。せっかくなので、実物を使って比較してみることにしよう。

まずはケルヒャーのコードレスマルチクリーナー『OC-3』。

一体型の4リットルタンクと、3時間の充電で15分間放水できるバッテリーを内蔵。本体重量は約3kgと少し重いが、使用中は地面に安定して置けるため、それほど気にしなくてもよいかもしれない。

放水の際は、本体電源を入れたあとノズルスイッチを握りながら押す。


SWU-1で例えると、弱~中:20度ノズルと同程度の強さで水を噴射することができた。
「クリーナー」という名前から想像するよりも水圧が強く、ちょっとした泥汚れぐらいは吹き飛ばせる。洗車するにはちょうどいい性能なんじゃないかな。

内蔵のタンクでは水が足りない場合は、付属のホースでの給水も可能。

使用後はノズルをタンク下に収納することもでき、使いやすさにおいてはまったく不満がないように感じた。

…ただし、水の強さを調整することは不可。そして放水角度を調整するには別売りのノズルを購入する必要があり、さらにはノズルを取り外して交換する手間もある。

内蔵タンクに水を入れたまま持ち運んで、出先でちょっとだけクリーナーを使いたい…という方にとっては、OC-3が使いやすいかもしれないな。

ダイソー『加圧式霧吹き』と比べてみた

続いては、お値段なんと税込110円の爆安アイテム、ダイソーの『加圧式霧吹き(ペットボトル用)』。

本体とストローがセットになっている製品で、園芸用品売り場に並んでいることが多い。使用するには、2リットルサイズのペットボトルを自前で用意する必要がある。

放水の際は、水を8分目ほどまで入れたペットボトルをセット。本体後部に付いているポンプを動かし、ペットボトルの内部に空気を送り込む。

ペットボトルが空気でパンパンになったら、準備は完了。

本体上部のボタンを押すと…空気に押されてブシューッと水が噴き出る仕組みだ。

ノズルのしめ込み量によって、水の角度は0度からシャワーまで調整が可能。完全無電源で放水できるので、車庫や屋外に置きっ放しでもOKなのは、SWU-1やOC-3と比べると使い勝手がよいと言えるだろう。

ただし水量・水圧ともに非常に弱いため、洗車用途での使い勝手は微妙である。

実際に洗車をしようとすると、加圧式霧吹きは細かいパーツに水をかけるにとどまり、大部分はバケツなどで水をかける必要があるだろう。

ケルヒャー『K 3 サイレント』と比べてみた

最後に…おそらく多くの読者の皆さんが気になるのは「ケルヒャーの高圧洗浄機とはどう違うんだろう?」ということではないだろうか。
残念ながら製品が手元にないため、直接の比較は難しいのだが…実は筆者、過去の記事にてケルヒャーの高圧洗浄機『K 3 サイレント』で身体に水をかけられた経験がある。


したがって本記事では、SWU-1で筆者の身体に水をかけることで、両者の違いを間接的にレポートさせてもらうことにしよう。

ちょっと怖いが、これもForR読者の皆さんのため。勇気を出して実験台とならせてもらおうじゃないか!(筆者は特別な訓練を受けています。よい子はマネをしないでください)

まずは強:40度ノズル。
最初なのでかなり構えていたのだが、水をかけられた瞬間に「あれ? 当たってるよね??」と聞いてしまったほどに優しいフェザータッチだ。

ゲリラ豪雨の中をバイクで走った方がよっぽど辛いぐらいで、目の前でかけられない限り危険はないだろう。(実際に至近距離から手に直接水をかけた際は、ギリギリ痛くない程度の刺激を感じました)

続いては強:20度ノズル。
水が当たっていることは伝わるのだが、まったく痛みを感じずまだまだ余裕だ。

なによりK 3と比較すると圧倒的に水量が少ないため、水で身体を押される感覚がまったく違うことに気が付いた。
K 3の時は滝行のようだったが、SWU-1は水道に繋いだホースの先をつぶし、ビューッと浴びているぐらいのイメージ。至近距離で肌に直接浴びれば痛いのだが、少し離れてレインウェア越しに浴びればむしろ気持ちいいぐらいの感覚であった。

最後は強:0度ノズル。
ここまで余裕だったため油断をしていたところ…「イテテテッ!」と思わず声が出た。

水量が少なく衝撃は少ないのだが、細く鋭い水が身体をバチバチと刺激してくる。ピンポイントに1カ所だけを狙い撃ちできる分、痛みという点においてはK 3よりも強いぐらいだ。

…しかし何度も言うようだが、水量がまったく違う。高圧洗浄機としての威力自体は、圧倒的にK 3が上と言えるだろう。

総合して考えると、やはりケルヒャーの高圧洗浄機の強みは圧倒的な水量と水圧。広い箇所を一気に掃除する場合や汚れがしつこい場合はK 3またはその他の高圧洗浄機、気軽に使いたい場合や(洗車のように)適度な水圧があればOKという場合はSWU-1、というイメージで選ぶとよいかもしれない。

この使いやすさは新感覚かも!?

洗車や比較を通しての正直な感想は「こんなに気軽で使いやすい高圧洗浄機、今までなかった!」ということ。
難を挙げるならば「充電時間が長い」「本体電源スイッチがないため暴発することがある」という2点だが、それを加味しても素直にオススメしたい製品であった。

記事中ではバイクの洗車に使用したが、その後自宅玄関まわりの掃除にも使用してみたところ、これまた大満足。
バケツにくんだ水を、窓のサッシやエアコンの室外機の上など狙い通りの場所にピンポイントで放水。まるで水鉄砲で遊んでいるように掃除が楽しく簡単に感じられた。

他にも植木への水やりやアウトドア用品のお手入れなど、活躍の場は無限にあるだろう。
「高圧洗浄機が欲しいけど、大きいのは邪魔だな…」なんて悩んでいる方は、是非検討してみてはいかがだろうか?



【製品情報】

ブランド:サイン・ハウス
商品名:SPICERR ポケッタブル高圧洗浄機 SWU-1
価格:12,980円(税込)
内容:
・本体×1
・5in1ジェットノズル×1
・洗浄タンクキット×1
・給水ホース×1
・ホースクリップ×1
・USB Type-Cケーブル×1
・ペットボトルコネクター×1

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事