フランス軍のバイカーコートをモチーフにしたジャケット

「今年はとても寒い冬になりました」と天気予報が伝えている。とはいえライディングウェアの進化により寒さをものともせずツーリングに出かけるライダーが増えている。じっさい防寒性の高いものを身に着けていれば、真冬でもかなり快適にライディングすることができる。

防寒ライディングウェアについては雑誌やウェブ、いろいろなところで記事が出ていると思うのだが、ここでは「お洒落で暖かい」ということをテーマに、僕がこの冬、じっさいにヘビロテで着ているウェアを紹介しようと思う。もちろん「お洒落」といっても人それぞれ感覚、好みは違うから曖昧なものではあるが、僕は長年『MOTO NAVI』というバイクとライフスタイルをテーマとした雑誌を作っていて、その中でたくさんのウェアを見たり紹介してきたので、ある程度説得力はもたせられるかな?(わからんけど)

サイドカーコート2

まずはアウタージャケット。ぱっと見た感じはいかにも「バイク用」という感じじゃない。ブランドも有名なライダースウェアブランドのものではない。『Tokyo Motorist(トーキョー・モータリスト)』というブランドの「サイドカーコート」というジャケットだ。じつはこのジャケット、僕が『MOTO NAVI』編集長をつとめていたときブランドとのコラボによりプロデュースしてつくったもので、かつてフランス軍が使っていたバイカーコートをモチーフにしたもの。ふだんのファッションとしても、バイクに乗ったときでも着られるということをテーマとしたので、正直ガチな高機能ライダースウェアほどの防寒性を備えているというワケではない。

サイドカーコート4

前を開ければ大きめのエリを活かしてエレガントな雰囲気になるが、このように閉めればダブルの前合わせにより防寒、防風効果を高めることができる。内側にはジッパーを備えているので走行中の風の侵入も防いでくれる。生地はライトオンスのメルトン(ピーコートなどに使われる生地)の裏に防水の芯地を貼り付けているので、軽量だがかなり暖かいのだ。全体のシルエットは写真のようにゆったりめのAラインで、これが“いかにもバイクウェア”と感じさせず、ミリタリー的にもモード的にも着こなせるポイントだ。

ポイントは両面使いのチンストラップ!

サイドカーコート1

上の写真を見てもらいたい。じつはこのサイドカーコートの特徴は付属の「チンストラップ」。襟にこれを付けることで首元からの風の侵入を防ぐ、つまりネックウォーマー的な役割だ。これはフランス軍のサイドカーコートにも使われていて、これを「カッコいいなー」と思ったことからこのジャケットのアイデアが生まれたのだった。

サイドカーコート

じっさいに着てみるとこんな感じ。もちろんバイクに乗らないときも、こうやって着てもいいと思う。さらにこのチンストラップはメルトン/ナイロン素材のリバーシブルになっているので、裏返して付けることで表情が変わる。

サイドカーコート

ご覧のとおり、ちょっとモードな雰囲気になると思う。このサイドカーコート、僕が関わってつくったのは4年前のこと。じつは僕もしばらくクローゼットにしまい込んでいたのだが、ひさびさに着てみたら「あれ、やっぱこれいいじゃん!」と思い(そういうこと、ありますよね)、この冬絶賛ヘビロテ中なのである。「とはいえもう売ってないだろうな……」と思ってブランドのサイトを見てみたところ、なんと発売当時の定価の35%オフで売ってました。たぶん売れ残ってしまったのだな……(汗) というわけで幸か不幸かまだ買えますので、気になる人はぜひチェックを。

Tokyo Motorist サイドカーコートの詳細→https://www.tokyolife.co.jp/shop/tmstore/010-0175-4263-1705

※2022年2月4日現在、ブラックMサイズのみ在庫ありで、他は在庫なしでした。

サイドカーコート

見た目はヴィンテージ、中身は高機能!なライディングスニーカー

さて、ジャケットの次は足もと。最近はライディング用のブーツ、シューズというのも増えてきたが、こちらも「お洒落で暖かい」という理由から僕が愛用しているのはコレ。

ダイネーゼのシューズ

Moto GPなどのレースでもお馴染み、イタリアは「DAINESE(ダイネーゼ)」の「メトロポリスD-WPシューズ」。見た目はカジュアルなハイカットスニーカーなのだけど、じつはこれがしっかりライディングシューズなのである。ダイネーゼ独自の防水素材「D-DRY」で足を包み込むような袋状の構造で、防水・防風性能を備えている。脱ぎ履きするときにシューレースを緩めたり締めたりする必要はなく、サイドのジッパーを開閉して足をシューズの中に潜り込ませる感じだ。

ダイネーゼのシューズ

まだ雨の中で走ったことがないので防水性能は試せてないのだけど、防風性の高さを実感したのが冬のツーリングで1日走っても足が冷たくならないこと(といっても気温5℃〜10℃ぐらいの場合/もちろん個人差あります)。ライディング中の指先、足先の冷えというのは本当に辛いので、これは本当に助かる。昨今ウェアやグローブには“電熱”という武器があるけど、(知ってる限り)シューズにはないから、そういう意味でもこの防寒性の高さは嬉しい。

防水、防風性だけではなく、くるぶし部分にハードなプロテクションが入っていたり、ソールがガッチリと固かったり(ソールが柔らかくてたわみやすいとギアチェンジなどがしにくかったり疲れやすかったりする。もちろん安全性の面でもマル)、ライディングシューズとしてしっかり考えられたつくりには、さすがダイネーゼだなぁと思わされる。

ダイネーゼのシューズ

そしてこのシューズのいちばんのお気に入りポイントは、見た目が「ふつう」なことだ。ヴィンテージな雰囲気のレザースニーカーで、ダイネーゼのロゴもさりげなく同色で配されている。デニムでもコットンでもレザーでも、あらゆるボトム(パンツ)に似合うだろう。もうひとつ面白いのは、白いソールが最初からちょっとした“汚し”てあること。つまりダメージデニムなどと同じような考えのエイジング加工なんだけど、バイクに乗るときに履いていればずっとピカピカ……というのはあり得ないので、最初からすこーし汚してあるというのは、とても洒落てると思う。

ダイネーゼ「メトロポリスD-WPシューズ」の詳細→ https://www.dainesejapan.com/product/1775213?ColorCode=604

ということで、この冬僕がじっさいに着倒し、使い倒しているモノはこのほかにもあるのだけど、すべて紹介するととても長くなってしまいそうなので、また別の記事で書こうと思う。でもホントは寒いのがすごく苦手なので、早く防寒しなくても気持ちよく乗れる季節になってほしいけど!

 

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