なんかいまウエストバッグが来てるらしいよ

ウエストバッグってご存じでしょうか? ファッション的には1990年代に一大ブームがありまして、当時20代だった私も愛用しておりました。で、実はそのウエストバッグが、いま地味に流行しつつあるようなんです。

ファッションアイテム的にはウエストポーチという名称なんですが、ちょっと前に流行ったサコッシュブームからのカウンター的な評価がなされているようで、サコッシュはブラブラしてしまって、結局実用面ではいまひとつと評価されてしまったとのこと。

▲ライダーのバッグと言えばリュックが定番。写真はレッドバロン「ROM ツーリングザック」


こうした体に密着させるようなバッグ類というのは、リュック(デイパック)、ショルダーバッグ、ショルダーポーチ(女性用)あたりが定番だったのですが、90年代以降はショルダーバッグからの派生形としてメッセンジャーバッグやポストマンバッグ、ボディバッグやサコッシュ(元は自転車用)などが同時発生的に巷にあふれました。

ちなみに、ウエストバッグの斜め掛けも90年代からということなので、90年代はこうしたバッグ類が多種多様に展開された時代なんですね。バイク用品で言えば、ヒップバッグやホルスターバッグなんてものも登場し、もちろん現在でもラインナップされています。

で、サコッシュからのウエストバッグという流れはアウトドアスポーツのなかでも見られるようで、本家の自転車、登山・トレッキング、釣りなんかでもウエストバッグが改めて評価されつつあるようです。

そんな流れとは関係なくウエストバッグが欲しい

で、ですが、このような世の中の流れとは一切関係なく(笑)、個人的にいまウエストバッグがほしくなったので、その理由や使い勝手などについて紹介したいと思います。あくまでも主観全振りなので参考になるかはわかりませんが、気楽に読んで頂けると助かります、ハイ。

シートバッグとリュックの相性が悪すぎた

▲リュックの重みが上半身にずしっとのしかかります。この状態での長距離走行はムリですね…


90年代以降、私が愛用していたのはリュックでした。荷室どころか荷台がないことも珍しくないバイクですが、リュックさえあればカテゴリーやデザインを問わず荷物を携行できたからです。

ところがどっこいですよ。ホンダCBR1100XXスーパーブラックバードに乗るようになってから、ちょっとこれはいかんなということになりました。

▲リュックをシートバッグに乗せてしまうとラクですが、ハンドルに手が届かず… 前傾姿勢の悲しい性ですね


どういうことかと言いますと、リュックとシートバッグの相性が悪すぎたんですよ。上の写真を見てください。前傾姿勢の状態で重たいリュックを背負うと当然体が疲れやすくなりますから、これまでリュックはシートバッグに乗せるというのが基本スタイルだったのですが、これができないんですよ。乗せてしまうとハンドルに手が届かないんです…。

無理やりリュックをシートバッグに乗せようとするなら、リュックのショルダーベルトをゆるゆるにするしかないのですが、これでは旋回中にリュックが横にズレ落ちる可能性があって危険です。

貴重品や小物だけでも身につけたい…

まぁ、荷物が多い場合はシートバッグに加えてサイドバッグも使うとして、それでも貴重品など身につけておきたい小物くらいはなんとかしたいわけです。ポケットに全てを収めることはできませんから、大きすぎないバッグを探していく過程でウエストバッグについても改めて検討したわけです。

職業柄、ひと通りのバッグ類は所持しているので、様々な小さめのバッグを身につけて、一般道から高速道路までを実際に走ってみました。

<検討したバッグ類と試走の結果>
①サコッシュ/走行風で浮く浮く…。高速道路では首にめり込んだりでムリ
②ボディバッグ/微妙にデカい。走行中ずり落ちてきて脇腹の位置で留まってウザい
③ホルスターバッグ/小さめならアリかも。ただしデザイン選びが難しいし歩いている時に多少の違和感あり
④ウエストバッグ/風の抵抗や重さも感じずに着用感もしっくりくる。厚みが薄くて小さめならベスト!

ウエストバッグなら何でもいいわけではない

▲シートバッグと腰の間のわずかなスペースに収まるのが理想ですが…


このような理由からウエストバッグに決定したのですが、注意点もありますね。ウエストバッグなら何でもいいというわけではなくて、サイズ感にはかなりこだわったほうがいいなと…。その理由は、大きすぎるとシートバッグに当たったり、腰や肘の動きを邪魔するということです。

▲背面側のメッシュ素材もポイントになります。これだけで夏場の快適性が大きく変わってきます


タンデムシート上のシートバッグと腰の間のわずかなスペースに収まらないとウエストバッグを横にずらさないといけなくなりますが、これは想像以上に不快でした。

アップライトポジションのネイキッドやアドベンチャーといったバイクなら問題ないでしょうけど、前傾姿勢のバイクだと肘と干渉する可能性もあります。旋回中の腰回りの違和感が大きくて個人的にはNGでした。

▲見た目はきれいですが、スポーツ走行のように上半身を大きく動かすような走り方をすると腰の動きを妨げたり肘がバッグに当たったりします


ウエストバッグにも様々なサイズがありますが、具体的には容量は3L以下、厚み(奥行)は10~13cmくらいの細めのものでないと使えない感じです。なお、これくらいのサイズなら各用品メーカーからもラインナップされているので、好きなデザインや機能が選べると思います。

薄くて小さくて多機能なウエストバッグ

そんなこんなで、いま私が使っているウエストバッグはNANKAI「ライディングモードウエストバッグ BA-508」です。容量は2.6Lで厚みは12cm、外側に大型ポケットを2つ備えていますがボテッとした印象はありません。

▲メイン気室には間仕切りがあって、気室内を2つに分けて使うこともできます。背面側にはポケットが2つあって小物の整理がしやすい構造です


デザインは、90年代から受け継がれるような機能優先のもので、ドローコードやカラビナなど便利な装備を備えています。

▲ドローコードはグローブや小物を挟んでおくのに便利です

 

▲なんだかんだ言ってもあると便利なカラビナです。バイクのカギを通しておけばなくす心配もありません


BA-508は上面がクリアポケットになっていて、5.5インチまでのスマホを収納できます。雨が降ってきたのでスマホを濡らしたくないなんて時は、クリアポケットにさっと収納して、インカムでナビの音声案内を聞きながら時おりルートを確認するという使い方が便利です。

▲上面のクリアポケットにスマホをしまい、メイン気室内のモバイルバッテリーから電源を供給すれば電欠の心配もありません

 

▲体への装着はバックル1か所のみでOK。シンプルイズベストです


なお、ウエストバッグはロケ取材でも使っていますが、渓流釣りでもとても使い勝手が良かったです。すぐに取り出したいものはジャケットのポケットに詰め込むよりもウエストバッグに分散整理しておいたほうが効率が良いですね。

▲渓流釣りでも大活躍でした。すぐに取り出したいものを優先して収納してあります

 

▲ルアーケースや虫よけスプレー、さらには熊撃退スプレーも入れていました


いかがだったでしょうか。ウエストバッグが90年代から廃れずにラインナップされているのは、ライダーにとって使いやすい装備だからに他なりません。皆さんもぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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