いよいよ冬らしく、気温も一桁台前半の日が多くなってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 僕はROMの電熱グローブ『ゼロスグラブ ヒート』のおかげで快適なウインターシーズンがスタートできてます。さて、2回に渡って紹介してきたレッドバロンの電熱グローブ『ゼロスグラブ ヒート』ですが、3回目となる今回はいよいよ実使用によるインプレッション! …え? いままでの記事は使ってなかったのか!? と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。実際に使ってはいましたが、ちょっと電熱グローブを使うにはまだ気温が高すぎたこともあって、きちっとした着用インプレッションは寒くなってからお伝えしたかったんです!

レッドバロンオリジナル電熱グローブ_ゼロスグラブヒート

バイク用電熱グローブ・ROM ゼロスグラブ ヒート。グローブ本体に加え、充電池2コ、充電器がセットで税込2万1780円。


さて、これまで過去2回の記事のおさらいからスタートすると、グローブ本体に加え、充電池2コ、充電器がセットで税込2万1780円の電熱グローブである『ゼロスグラブ ヒート』。安かろう悪かろうかと思ったら立体裁断などのカッティング技術で仕立てもよく、ウインターグローブとしての基本性能も高くフィット感が良かった。…ところまではこれまで紹介できているので、今回はいよいよ核心部、電熱システムの性能にせまります!

『ゼロスグラブ ヒート』の発熱具合はどう?

レッドバロンオリジナル電熱グローブ_ゼロスグラブヒート

使用方法は簡単。電源ボタンを3秒長押しで起動。それ以降はボタンを1回押すごとに、「セーブ」、「ノーマル」、「ハイパワー」と温度設定が切り替わり、オフにするには再びボタンを3秒長押し。このボタン3秒長押し設定が持ち運び時の誤作動防止機能になっている。


最近はバイク用はもちろんだけど、汎用の電熱グローブなども発売されていたりしてどれを買うか悩むところだが、バイクで使う電熱グローブの選び方でまず重要なのは、“どこが発熱するか?”ということだ。冬バイクに乗っていてツライのは皆さんご存知のとおり指先。あのちぎれるような痛みは苦痛としか言いようがなく、指先が冷たいだけで運転に集中できなくなる。購入する電熱グローブは、きちんと指先が暖かいモデルを選ばないとちょっと残念な結果になりかねない。

また指先を温めるうえでとても重要なことは、“耐久性”だ。電気を流し、その抵抗で発熱するのが電熱ウエアの仕組み。それだけに電気が通電する必要があるのだが、バイクの操作では指先の曲げ伸ばしを頻繁に行うと折り目がついたりと経年劣化が早く、またグリップを握ったり、捻ったりすることで常にテンションもかかることになる。そんな過酷な条件下で断線しないか? それがバイク用電熱グローブには重要となるのだ。

レッドバロンの『ゼロスグラブ ヒート』は、一般的なニクロム線などの電線ではなく、面発熱の“マイクロカーボンファイバー”を発熱体に採用。甲側の指を先までしっかり覆うのでとても暖かい。また指先は体の中でも一番稼働する部位。電熱線では金属疲労や引っ張りによる断線が起きやすいが、『ゼロスグラブ ヒート』は発熱体に折れや曲げに強い“マイクロカーボンファイバー”を使用することで耐久性を高めている。専用品としてバイクならではの用途、条件下でしっかり効果を発揮するような造りになっているのだ。

実際に使ってみると、やはり指先が暖かいのはバイクに乗る上で非常に助かる。僕自身、グリップヒーター付きのバイクにも乗っているけど、残念ながらグリップヒーターもレバーにかけた指までは温めてくれないんだよね。そこへいくと『ゼロスグラブ ヒート』は指先がしっかり暖かい。使用にあたっては一番消費電力が少なく稼働時間が長くなる「セーブ」で走ることが多かったけど、それでも十分暖かいと感じる。確かに常に“熱源”を感じるような発熱量じゃないけど、決して指先が冷たくなるようなことはないし、バッテリーが切れると途端に指先が冷えだして電池切れに気づくぐらいだから効果は相当にある。

次に「ノーマル」にすると、指の甲側に常に“熱源”を感じるようになった。明らかに暖かいと感じるのだが僕の場合ちょっとここまで暖かくなくてもいいかな? と思い、途中で「セーブ」に切り替えることが多い。「ハイパワー」に関しては正直ほとんど使わない。凍えた指先を瞬間的に温めるぐらいならいいのだが、常時使用していると、熱量が高すぎて指先が次第に汗ばんでくる。持続時間も短くなるし、汗ばんだグローブは着脱しにくくて難儀する。

電熱グローブの“実走時”の持続時間は!?

電熱グローブ選びで気になるのは、暖かさはもちろんだけどバッテリーの持ち。どれだけの時間、手を温めてくれるかだろう。『ゼロスグラブ ヒート』の充電バッテリーは、付属の2200mAhバッテリーとオプションの3000mAhバッテリーの2種類。今回、4度〜10度くらいの気温で実際に走行してみたときの持続時間は、「ハイパワー」「ノーマル」に関してはほぼカタログスペック通りだった。「ハイパワー」なら約2時間。「ノーマル」なら3時間というところ。多少、外気温で持続時間に±10分程度の差は出るが概ねそんな印象だった。

逆に驚いたのは「セーブ」モードだ。何度試してもカタログスペックの4時間よりも3〜40分以上長く持続するのだ。気温によっては5時間に届くこともあったからびっくりである。僕的には「セーブ」の温度設定で十分あたたかいと感じるだけに、このモードでより稼働時間が長くなる傾向にあるのは非常にうれしいことだ。

レッドバロンオリジナル電熱グローブ_ゼロスグラブヒート

取扱説明書に記載されている、2200mAhバッテリー(付属品)の各モード時の持続時間。「ハイパワー」は2時間、「ノーマル」は3時間、「セーブ」は4時間持続。

 

僕の場合、どんなに寒くても運転中は「セーブ」の発熱量で十分。指先が凍えなければいいので、1日目一杯走る日帰りツーリングに出る場合にも、朝晩の気温の低いところでONにし、日中は要所要所でOFFにすればなんとか1個のバッテリーで1日保たせられそうである。さらに予備電池をもう一個ずつ買い足しておけば、それで盤石。バイクに乗っている間はいつでも快適環境を確保できるというわけだ。しかも、この『ゼロスグラブ ヒート』には、オプションとして大容量タイプの3000mAhバッテリーも2021年10月に登場している。今回こちらも使ってみた。

レッドバロンオリジナル電熱グローブ_ゼロスグラブヒート

手前が標準装備の2200mAhバッテリー(単品:3,300円)で、奥がオプション設定の3000mAhバッテリー(単品:3,850円)。当然大容量タイプの方がひと回り大きい

オプションの3000mAhバッテリーも使ってみた

当然、単純計算でバッテリー容量が1.36倍に増えるのだから、それだけ持続時間も長くなって便利なのは当たり前。実際に使った印象もそんな感じの伸び具合であるが、我々ユーザーが気になるのは大きさと重さだ。というのも電熱グローブはバッテリーをグローブのカフ部分に収納するのが定番だが、バッテリーが大きくなればそれだけごわつくし、バイクの操作にも影響が出るかもしれない…。

レッドバロンオリジナル電熱グローブ_ゼロスグラブヒート

バッテリーは手のひら側のカフ部分の袋に結線して収納する。写真は2200mAhバッテリー。

 

ただ3000mAhバッテリーも使ってみたが、僕の印象では2200mAhバッテリーとそれほど装着時の印象は変わらなかった。確かに単体で持ったり、比べてみれば3000mAhバッテリーの方が重いし大きいのだが、走り出してしまえばほとんど気にならない。テストにあたっては左右で容量の違うバッテリーを仕込んで走ることが多かったのだが、途中で“どっちが3000mAhバッテリーだったっけ?” と悩むくらいの差しかなかったのだ。

レッドバロンオリジナル電熱グローブ_ゼロスグラブヒート

レッドバロンオリジナル電熱グローブ_ゼロスグラブヒート

上が2200mAhバッテリーを装着した状態で、下が3000mAhバッテリー。写真でみると確かに大きさが違うのだが、装着してしまえばほとんど気にならない。

 

確かに腕時計をしていたりすると装着時に違和感が出たりもするが、それは2200mAhバッテリーでも同じこと。だったら予備バッテリーとして3000mAhバッテリーを購入して、持続時間の長い3000mAhバッテリーを常時使用して2200mAhバッテリーを予備に持っておくのが、ワンデイツーリングにおける快適な使用法ではないだろうか? ちなみに3000mAhバッテリーの場合、「セーブ」モードで使用すると連続使用で6時間を超えるようなデータも取れた。日帰りツーリングならこまめに電源を切れば、3000mAhバッテリー一個で十分1日暖かく過ごせそうだ。この冬は、テストと称していろんなところへ『ゼロスグラブ ヒート』と出かけることになったけど、結構な距離を走ったこともあり、グローブそのものも手に随分と馴染んできた。これはちょっと手放せなくなりそうだぞ!

ゼロスグラブ ヒート
●税込価格:2万1,780 円 ●サイズ:S、M、L、LL

 

【関連記事】


>税抜き価格で2万を切るバイク用電熱グローブ【ゼロスグラブ ヒート 】

>レッドバロンの電熱グローブ使ってみた!【ゼロスグラブ ヒート 】

>レッドバロン製電熱グローブの使い勝手は!?【ゼロスグラブヒート】

>電熱グローブ『ゼロスグラブヒート』の洗い方

>レッドバロンの電熱グローブがモデルチェンジして発売開始!【ゼロスグラブ ヒート 2】

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事