南房総には林道がたくさん!

東京から千葉県・南房総に移り住んで半年。こっちの“足”としてホンダCT125ハンターカブを購入して2ヶ月。僕にはどうしても“やりたいこと”があった。

それは「ハンターカブで林道に行く」ということ!

なぜなら南房総は林道の宝庫だから。マップのアプリで検索してみただけでも、僕の家から数km圏内にたくさんの林道があるのがわかる。せっかくハンターカブを手に入れたのだし、近所に林道があるなら行かない手はない。

しかし僕自身は林道ビギナー(バージンではないが)であり、1人で行くのは心もとない。誰か一緒に行ってくれないかな……と思っていたら、同世代のバイク仲間Sさんが最近アドベンチャーモデル(KTM390アドベンチャー)で林道を走るのにハマっていて、南房総の林道にもちょくちょく来ているという。

「南房総をゆるーくトコトコ走るツーリングしない? 林道もちょっとだけ走ってみたいし……」と、あくまで“ユル”を強調して誘ってみたところ、「いいよ!ぜひ行こう〜」と、二つ返事でオッケーしてくれた。そこでもう1人、バイク仲間のYさんを誘う。Yさんは最近、カワサキ250TR(ただしストリートトラッカー的なカスタムマシン)を購入して「南房総ツーリングしようよ」と話していたのだ。

ハンターカブ

初心者におすすめの林道「金谷元名線」

というわけで10月のとある週末、ハンターカブ、KTM390アドベンチャー、カワサキ250TRというタイプも排気量もバラバラな凸凹3台が集合した。集まったのは千葉県富津市の金谷港近くにあるセブンイレブン。ここは高速の出口からも近く、駐車場も広いので集合しやすいのだ。

ハンターカブ

さらにいいのは、コンビニの隣がガソリンスタンドだということ。出発前に満タンにしておけば安心だ。ちなみにハンターカブのタンク容量は5.3リッター。燃費(カタログ値でL/67.2km!)を考えれば1日たっぷり走っても給油の必要はない。うーん、燃費がいいって素晴らしい(^^)

さあ、金谷港前のガソリンスタンドからスタートし、5分も走ると林道の入り口に着いた。林道好きにはかなり有名な(らしい)「金谷元名線」である。ちなみに僕はこの林道入口前の県道237号線はなんども通ったことがあるけど、ぜんぜん気付かなかった……。

金谷元名線看板

林道の入口は富津館山道の「富津金谷」出口を出て1〜2分走った右側にある。

 

金谷元名線は、富津市の金谷から鋸南町の元名までを結んでいる。鋸山をぐるっと巡るようなルートだ。全線フラットなダートなので、林道初心者でも走りやすい道として知られているという。いざ走り出すと、始めは舗装されていたが、数100mで未舗装のダートになる。とはいえまだ砂利道という感じで、道幅も広いのでスピードを出し過ぎなければ余裕をもって走れる。パワーの少ないハンターカブならオフ初心者でも不安はない。

オフロードを走る

いまだに残る台風の爪痕……

林道を上っていくとだんだんと道幅が狭く、カーブもタイトになっていく。しかし10分ほど走ると目の前がパーッと開けて、広い場所に出た。ここは勾配もなく平らなので、林道ツーリングの待ち合わせ場所にもなったりするそう。この日はまだ朝早かったせいか、ほかにライダーは居なかった。バイクを停め、記念撮影だけしてすぐ再スタート。

さらに上っていくと、少しずつ道が険しくなる。といっても聞いていた通り、道はガレ場というほどじゃなく、そこそこフラットなのでのんびり行けば初心者でも不安はない。下りだったら、KTMよりハンターカブのほうが速いかもなぁ……などと思いながら上っていく。

ハンターカブ

途中、木立が途切れたところで、思わずバイクを停めた。山の向こうに海が望める。内房の海だ。こういう場所に気軽に来れてしまうのは、やはりハンターカブならではだなぁ、と嬉しくなる。しかもこの林道が僕のウチから数キロのところにある、というのも嬉しい。もちろん東京都心や横浜からでも、アクアラインなどを使えば1時間15分〜30分ほどでアクセスできるから、わりと気軽に林道ツーリングを楽しめる、という意味でここが人気なのは納得だ。

林道の看板

ふたたび開けた場所が現れる。ここには金谷元名林道の開通の碑が。ここはこの道の頂上付近で、距離的にもほぼ中間地点にあたるのだけど、ここから先(元名側に至る道)は2年前に南房総を直撃した台風の影響で通行止めになっている。だから現在、この林道は抜けることができず、ここで折り返してまた金谷側にもどるしかないのだ。

林道ツーリング風景

林道開通の碑の前で記念撮影。

 

日本未発売、レアなハンターカブに出逢う

さて、じつは我々が折り返し地点に着いたとき、先客が…。

ハンターカブとクロスカブ

なんとハンターカブとクロスカブのペア。どちらもグリーン系のカラーで思わずガン見してしまった。なぜなら、ハンターカブのこのグリーンのカラーは、最近タイで発売されたのだが、まだ日本では売っていないのだ。でもめちゃめちゃカッコいい。それにしてもなぜここに??

林道にて

2台のカブのオーナーに思わず声をかけたところ、二人は仲間で、千葉の松戸方面から下道を走って南房総まで来たとのこと。2台ともほどよくカスタムされていてイケてる。気になっていた「グリーンのハンターカブがなぜ?」と尋ねてみると、なんと! タイで販売されているモデルを輸入したのだという。んー、すごい……(じつはこのツーリングの3日後、日本でも2022年1月20日からこの「パールオーガニックグリーン」が発売されると発表された)。

せっかくなので“カブ主”3人で記念撮影をさせてもらい。こんな連帯感が生まれるのも、カブならではの楽しさだ。それにしてもグリーンのハンターカブ、いいなあ。いやいや、クロスカブもいいなぁ……。

林道でハンターカブ

記念碑の広場で折り返し、ふたたび林道の入口まで戻る。行きは誰ともすれちがわなかったが、帰りは上っていく何台ものバイクとすれ違った。この日は天気もよく、ツーリング日和だったので、林道を楽しみに来たライダーも多かったようだ。家からも近いので、空いていそうな平日にまた来てみよう、と思った。

大山千枚田

山から海へ。南房総ツーは楽しい!

林道を楽しんだ後は、現地在住の僕のガイドにより「南房総トコトコツーリング」へ。まずは保田から長狭街道を走り、大山千枚田へ。山の斜面を利用した棚田の風景は観光スポットにもなっている。

大山千枚田

朝は晴れていたが、お昼前になり少し雲が出てきた。だが気温はまだ暖かく、モトクロスジャージや軽めのジャケットだけで十分なぐらい。交通量が少なく、信号もほとんどない南房総の山あいの道をのんびり走るのが最高に気持ちいい。ほどほどのパワーしかないハンターカブは、4速のギアをフルに使いアクセル全開で走れるから楽しいのだ。

MUJIカフェ

お昼は鴨川市が設置し、無印良品が運営する「みんなみの里」で。MUJIカフェのお洒落なランチ。素朴な感じのメニューでボリューム満点というわけではないが、おじさんにはこれぐらいがちょうどいいのだ(笑)。

南房総の海を背景に

ランチを済ませたあとは、長狭街道を進み、鴨川で外房に出る。左手に海を眺めながら和田、千倉、白浜と海沿いを走る。房総半島最南端の野島崎灯台を過ぎたあたりで内陸に入り、館山へ。

だんだん雲行きがあやしくなってきたのと、週末は東京方面へ戻るアクアラインの渋滞が酷いので、少し早めに解散することに。夕方になる前に、富津館山道の富浦インターチェンジで「じゃあ!」ということになった。

東京から南房総へは、高速道路を使えば1時間半でアクセスできるので、半日ツーリングも可能。山あり、海ありだからもちろん1日たっぷり楽しむこともできる(お勧めは道が空いている平日だけど)。ぜひバイクで出かけてみてください!

 

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