ツーリングライダーの聖地、伊豆半島! 中でも伊豆市はライダーウェルカムの自治体で、その特色と言えばダート林道が多いこと。伊豆市の主な林道を連載形式で紹介する。
【掲載林道 一覧】
1. 林道 年川線(としかわせん)
2. ゴルフ場外周林道 ※名称不明
3. 林道 達磨山線 支線(だるまやません しせん)
4. 奥の院裏山林道 ※名称不明
5. 林道 土肥中央線(といちゅうおうせん)
6. 林道 上池線(かみいけせん)
7. 林道 滑沢線(なめさわせん)
8. 旧道天城越峠線
5. 林道 土肥中央線(といちゅうおうせん)
【DATA】●延長距離:約13.5km ●ダート区間:約2.3km ●通過時間:40分~ ●走りやすさ:★★☆☆☆ ●絶景度:★★☆☆☆
【概要】大洞山(標高1383m)や鷹ノ巣山(標高672m)といった山々の中腹をトラバースするように延びている舗装+ダート林道。総延長は約13.5kmと長く通り抜けも可能だが、ダート区間は2つしかなく、合わせても2kmほどしかない。なお、交通量が少ないのか、舗装区間であっても大きな落石や落ち葉が多く全く気が抜けない。起点と終点はどちらも国道136号から山中に分け入った所にあり、起点は林道大洞2号線との分岐点も兼ね、さらに上っていくと林道上池線への分岐も現れる。景色の良いところはほとんどないが、緑が多くてのんびり走るには良い道だ。
今回は、林道の中間地点で大雨による崩落があり、通り抜けができなかったので、起点と終点のそれぞれから崩落地点まで走ってみることにした。
起点から約7km先の崩落現場まで舗装路をゆく
まずは起点から。起点は、国道136号の御幸橋(みゆきばし)のたもとで曲がり、そのまま狭い舗装路を上っていた先に分岐点として現れる。なお、御幸橋のたもとはわかりづらく、ついつい通過しがち。しいたけ像の前に立つ「交通安全観音様」(写真下)を目印にするといいだろう。
この分岐点を左に行けば林道大洞2号線となるが、ダートは100mほどしかなく、不法投棄が多すぎて走っていて気持ちのよい道ではないので割愛する。大洞2号線は鷹ノ巣山の山頂へと上っていく道でもある。さて、分岐点を右折すると、土肥中央線となる。上り始めはアスファルトも綺麗だが、徐々に路面のひび割れが目立つようになり、路肩には落ち葉や枝、小石などが目立ってくる。白線の残っている所もあるが、堆積物で路肩の見えない区間も多い。ガードレールが設置された区間もあり、元々はかなり整備された道のようだが、今は少し荒れている印象だ。
勾配のきつい区間はないが、所どころで薄暗く、路肩には大きな岩も転がっていて、少し不安を覚えるような雰囲気もある。緑もうっそうとしていて、本当に好みの分かれそうな林道だ。なお、ゆるやかな坂を上っている途中で、軽トラックとすれ違ったが、わさび農家の方だろうか…。
起点から約2.8kmのところで林道上池線との分岐点(下写真)が現れる。ここを右に入れば上池線となる。上池線はガレ場やヌタ場もある、ちょっとハードなダート林道だ。
起点から7kmほど走ったあたりで少し印象的な上りの直線区間に出くわす。杉並木に囲まれた直線の先に光が射したと思ったら、そこがこの林道唯一の絶景スポットだった。路肩にはクルマも停められそうなスペースがあり、休憩や写真撮影にも最高だ。緑豊かな崖の上に立ち、眼下の山々や駿河湾を楽しんだ。
展望スポットを後にして、山中を右に左に2.5kmほど進むと落石注意の警告標識があった。その通りに路肩には山の斜面から転がってきた岩や太い枝、落ち葉が目立つようになり荒れ放題となってきた。そして、結局一度もダート路面を見ることなく、起点から7kmほどの崩落現場に到着。来た道を戻って、反対側の終点を目指した。
【起点】国道136号の御幸橋(みゆきばし)のたもとの交差点を曲がる。交差点には信号機はないが横断歩道がある。目印は大きなしいたけ像と観音様だ。写真手前の酷道136号を左に行くと船原峠方面、右に行くと土肥市街方面となる。
【ハイライト動画・起点から崩落現場:約2分】(2021年11月当時)
終点側からはダート区間や広場も走れた
気を取り直して、国道136号に戻る。終点も国道136号からのアクセスとなるが、2か所から入ることができる。ひとつは、御幸橋から150mほど先にある旧道(旧国道136号)との分岐を左へ曲がり旧道に入ってすぐ現れる左カーブ途中(下写真)で右に曲がるルート。
旧道から下写真の狭い道を進むと、迷うことなく土肥中央線の終点へと行ける。
もう一つは、国道136号をもっと上った所にある西尾平トンネルと椎ノ木沢橋の間にあるT字交差点を曲がる(坂道を下っていく)ルートだ。中伊豆・修善寺方面から国道136号で船原峠を越えてきた場合は、ここが最も土肥中央線への近道となる。交差点の写真が真っ暗ですいません…反省。手前の国道136号を左に行くと船原峠・修善寺方向、右に行くと土肥市街へと下っていく。一時停止の標識(裏側が見えてる)の奥に下っていくと土肥中央線への近道だ。
どちらのルートでも、分岐からほどなく舗装路を走ると、橋のたもとの交差点にたどりつく。ここが土肥中央線の終点だ。橋のたもとに青看板も立っている。
さて、ここから約6km先の崩落地点まで走る。橋を渡ってスタートすると、こちらも同じような荒れっぷりの道だ。路肩には堆積物が多く、落石注意の標識も立っている。日陰のせいかシダ植物が多いのも特徴だろう。
終点から600mほど走った所でさっそくひとつめのダート区間が現れた。流れた泥で舗装とダートの境目がわかりにくく少し身構えた。かなりぬかるんでいて、水たまりも多い。路面自体が軟質なので転倒に注意しよう。
小さな滝が見られる橋(ふじかさわはし)の手前でダート区間(約700m)が終わり、また路肩の荒れたアスファルトの舗装区間を進む。長い枝や落ち葉の堆積がひどい。避けていられないので、パキパキと踏みつけながら進む感じだ。
路面のほとんどが落ち葉といった区間を過ぎると、2つめのダート区間(約1.7km)に入った。こちらはぬかるみもほとんどなく、落ち葉の敷き詰められた心地よいフラットダートだ。枝は落ちているものの、勾配もなく走りやすい。
ほどなくすると右手に大きな広場(下写真)が見えた。終点から4kmほどの位置だ。ここも少し開けているが、眼下の街や海を遠望できるほどではない。弁当を食べたり休憩するには最適な広場だ。
ダートはさらに続く。相変わらず、フラットダートでとても走りやすい。日陰となるところには水たまりやぬかるみもあるので、そこだけ避けるように走る。路肩に大きな落石が増えてきたなと思ったら、また舗装路面に切り替わり、そこから数百mで崩落地点の反対側に到達。ピストンする羽目になったが、ほぼ土肥中央線を完走できた。
なお、この崩落現場は2021年内には復旧予定とのことだったので、またあらためて足を運んでみようと思う。
【終点】写真右の橋が林道の入口。左奥の道は国道136号へと駆け上がるような道でつづら折れもある。ここを上っていくと西尾平トンネルと椎ノ木沢橋の間にあるT字交差点に出る(修善寺方面)。写真手前方向に進むと国道136号の旧道に出る(土肥方面)。
【ハイライト動画・終点から崩落現場:約2分50秒】ダート区間の様子あり(2021年11月当時)