関東圏のライダーに人気の、奥多摩周遊道路。秩父多摩甲斐国立公園の山々を眺めながら走る全長約20㎞の山岳ワインディングロードは、いつ訪ねてもたくさんのバイクで賑わっています。せっかく奥多摩まで行くのなら、昼食はここでしか味わえない特別なものにしてみては? というのが今回のお話です。

檜原村特産の舞茸がうまい「舞茸天丼」

奥多摩周遊道路

 奥多摩周遊道路を走行中にお昼が食べたい、というのであれば、まずは『ForR』で2022年12月4日に公開した記事「東京の大人気ワインディングロード『奥多摩周遊道路』と天ぷらたっぷり激ウマ丼」でも紹介した、レストラン「とちの実」の「舞茸天丼」はどうでしょうか。

檜原都民の森

 レストラン「とちの実」は、奥多摩周遊道路内にある山岳公園「檜原都民の森」の駐車場から、写真の坂道を5分ほど登ったところにあります。
 お勧めしたい「舞茸天丼」は、檜原村特産の舞茸や野菜をふんだんに使用したもの。

レストラン「とちの実」

 舞茸の巨大な天ぷらがふたつと、大きな海老天が2尾、他にもナス、さつまいも、よもぎなどの天ぷらが、まさにてんこ盛り。
 小皿の刺身こんにゃくも檜原村特産だし、デザートに季節のフルーツもついて1200円は安いというもの。

奥多摩湖畔の老舗「のんきや」

 いやもう奥多摩周遊道路は走り終えたから、帰路で何かいいお店はないかということなら、奥多摩湖の湖畔にたたずむ「のんきや」はいかがでしょうか。
 創業100余年という老舗の自家製手打ち中華そば屋さんです。

のんきや

 お店は階段を上った二階にあり、一階は駐車場です。雨の日なんて、助かりますよ。雨で濡れない一階にバイクを置き、濡れたレインウエアは広げて愛車にかけておけます。そして乾いた状態の服装で、店内へ入れる。
 ふつうのお店だと、入店時に濡れたレインウエアをどうするか、大いに悩むところですが、「のんきや」なら安心。

山小屋風の店内からは奥多摩湖が

 階段を上り、いざ店内へ。するとお店の外観からは想像もつかない、洒落た山小屋のような雰囲気。

のんきや

 壁も天井も木製、テーブルも椅子も木製。大きな窓も印象的です。
 そして店内に漂う、豚骨の匂い。あー、これこれ。「のんきや」のラーメンスープの匂いです。これが食べたくて再訪したのです。

のんきや

 窓の外には、奥多摩湖の眺め。都内のラーメン屋でここより眺望がいいお店って、ないんじゃないでしょうか。
 「のんきや」の最寄り駅は、JR青梅線の奥多摩駅で、徒歩約2時間。タクシーならば約14分。あと6㎞も西へ向かえば山梨県に入るので、「のんきや」は「東京で一番行きにくいラーメン屋」とか、「秘境系のラーメン屋さん」などと呼ばれることもあるようです。
 バイクだから気軽に立ち寄れる、我々ライダー向きのお店です。

のんきや

 メニューを見ましょう。「手打中華そば、手打かけそば、手打ざるそば、手打ざる中華そば」などなど、麺類はすべて手打ち。
 そのほかカツ丼やカレーライスもありますが、ここではやっぱりラーメンが食べたい。ということで「手打チャーシューメン(醤油)」1050円を注文。
 待つこと数分、やってきたのがこれ。

のんきや

 大きくて分厚いチャーシューが5枚も入った、剛速球ど真ん中なチャーシューメンです。

「ラーメンの鬼」も認めた手打ち中華そば

のんきや

 スープは東京風の澄んだ醤油色なのに、鼻に押し寄せるのは豚骨の匂い。人によっては「クサイ」と感じるぐらいの豚骨臭ですから、好みは分かれるかも知れません。
 実際、筆者も初めて味わったときは「なんだかなあ」と感じたものです。けれども食べ進めるうちに、どんどんこの香りと味にハマっていくのです。そして食べ終わるころには完全にトリコ。もう胃袋をつかまれてしまってリピーター確定。
 箸でつかむとホロホロと崩れる自家製チャーシューも、しっかりと味がしみた、満足のいく味でした。

のんきや

 そして、何といっても特筆すべきは自家製手打ち麺!
 麺生地を足で踏んで、コシの強い麺にしているそうですが、そのコシに加えてこのピロピロに縮れた感じが舌やノドに心地よく、絶品。ピロピロのピロとピロの間にはスープもうまい具合にからんできます。
 「のんきや」はラーメン業界の方々にはよく知られたお店で、「ラーメンの鬼」の異名を持つ「支那そばや」創業者の佐野実氏も、著書『オレが唸った一杯』の中で「昔ながらの醤油ラーメンを出す店としては、東京でも屈指の出来栄えだろう」と高く評価しています。
 昔ながらの、という点を追求したいなら、チャーシューメンじゃなくて中華そば(850円)を注文するといいかも。
 中華そばなら、チャーシューメンにはのっていないナルト、海苔、メンマが具に加わり、味もビジュアルも昔懐かしい印象になります。
 ではまた!

【関連記事】
原付2種でも山岳ワインディングは楽しめるのか@奥多摩周遊道路【クロスカブ110】
東京の大人気ワインディングロード「奥多摩周遊道路」と天ぷらたっぷり激ウマ丼
【ROM ゼロスグラブ ヒート2】真冬の奥多摩をブラッとツーリング!

 

 

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事