日帰りツーリングも手軽でいいものですが、泊まりがけだと、楽しみはより深くなる。その晩、旅先ならではの酒の肴で飲めたりしますからね。日中はバイクで気持ちよく走り回り、夕方、ホテルにチェックイン。シャワーで軽く汗を流したら、夜の街へと繰り出す。これがいいんです。今回は高知県高知市での素晴らしき一日をご提案しましょう。
龍河洞スカイラインを駆け上がる!
まずはお勧めの〈走りどころ〉を。
龍河洞(りゅうがどう)スカイラインは、高知県香南市と香美市にある山岳ワインディングロードで、高知県道385号線の一部。この道は、かつては日本三大鍾乳洞のひとつ・龍河洞へのアクセス確保と周辺観光開発を目的に開業された有料道路でした。県道として無料化されたのは1997年のこと。
標高の低い南側から登り始めると、大型の公園墓地やコンビニのある都会的な風景から、一気に森の中へ。
無料化されてから四半世紀も経っていますから、路面状態は最高のコンディションとは言えません。また沿道の木々が大きく枝を伸ばしているため、落ち葉や小枝が路面に落ちていたりも。緑のトンネル区間では慎重に駆け上がっていきましょう。
海を見下ろす山岳ワインディング!
龍河洞スカイラインのお楽しみは、緑のトンネルをくぐり抜けてから。
スタート地点から2㎞ほど進むと、三宝山展望所という見晴らしのいい場所へ出ます。ここはカーブが連続し、走っていてもっとも楽しい区間。
ヘアピンのつづら折りを、右へ、左へ。道は山の稜線へ向かって、ぐいぐいと標高を稼いでいきます。車体を左右に倒しこみながら、下から上へと駆けていく。このライディング・フィールは山岳ワインディングならでは。
この日は朝まで雨だったため、日陰の部分は路面が乾き切っていませんでしたが、完全に乾いていたらもっと気持ちよかったはず。
つづら折りを登り切ったら、コーナーの向こうに土佐湾が広がっていました。雨雲が完全に消えたら、海の色が素晴らしい!さすが南国土佐! 眼下には市街地や各道路も眺められるので、夜景もキレイなのだとか。
龍河洞スカイラインの長さは、約10km。三宝山展望所付近のつづら折りを過ぎると、やがて道は再び緑の中へ吸い込まれていきます。走り切れば、国の天然記念物および国の史跡に指定されている鍾乳洞「龍河洞」に出られます。
街へ降りて高知市内観光
龍河洞スカイラインでワインディングを堪能したら、高知市内へ。まずは高知を代表する景勝地「桂浜」から観光します。
太平洋に面した桂浜は、弧を描く砂浜と松の姿がいかにも日本的で美しい浜辺。坂本龍馬がふるさと土佐の中で特に愛した場所といわれています。桂浜の小高い丘の上には、太平洋の彼方を見つめるように、高さ5m30cmの坂本龍馬像が建っています。
隣接する桂浜公園駐車場の二輪車駐車料金は、1日1回50円(8:30~18:00)。
高知を代表する幕末の志士の像といえば、高知駅前にも坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の3体の像が。こちらは表面にウレタン加工を施した強化発泡スチロール製で、像の高さは台座を含めて約8.3m。建てた当初は期間限定だったそうですが、観光的価値が高まったため、撤去されずにいるのだとか。拝観できるうちに立ち寄っておきましょう。
「ひろめ市場」で旅の夜に乾杯!
市内観光を終えたらホテルにチェックインし、愛車を置いて夜の街に繰り出します。庶民的な料金で、地元の料理をあれもこれもと楽しみたい。にぎやかな店内でカジュアルに飲みたい、というのであれば、お勧めなのがここ。
高知市帯屋町2-3-1、巨大な屋台村「ひろめ市場」です。建物の中には「自由市場」「お城下市場」など7ブロックのイートインスペースがあり、飲食店や鮮魚店、雑貨屋、洋品店などが70店舗ほど営業。
客は各店舗でそれぞれ好きなものを注文し、テーブル席に持ち寄っていただくという、いわばショッピングモールのフードコート的なスタイル。飲食店は、和・洋・中・ジャンクフード、なんでもあります。まずは座席をしっかり確保し、そしてあっちの店で焼き鳥とビールを、こっちの店で刺身を、みたいな感じで自由にオーダー。
高知はカツオの本場ですから、専門店でカツオのタタキも注文。ワラで豪快に焼き上げた正統派スタイルのタタキは、一味も二味も違いました。
ひろめ市場は、午前中から夜まで営業。酒飲みで知られる高知県民ですから、朝から飲んでるお客さんもいたりして。
ひろめ市場は、地元客も観光客も和気あいあい、笑い声の渦巻く自由参加の巨大な宴会場みたいな雰囲気なのでした。
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