関東圏のツーリング・ライダーにとって、伊豆半島はなじみ深いところ。多くの方は伊豆スカイライン(通称:伊豆スカ)を目指すでしょうが、今回はもうひとつの絶景ワインディング、西伊豆スカイラインをご紹介。

西伊豆スカイラインとは

西伊豆スカイライン

 伊豆半島西部、戸田峠(へだとうげ)から達磨山の山腹を通って土肥峠(といとうげ)までを結ぶ県道127号線が西伊豆スカイライン。2004年6月までは有料の観光道路だったが現在は無料。

西伊豆スカイライン
 この道は標高約900m前後の尾根をなぞる全長約11kmの絶景ワインディング・ロードで、駿河湾や富士山などの眺望も素晴らしく、伊豆半島北東部の伊豆スカイラインに比較して交通量が少ないため、快適なツーリングが楽しめます。

西伊豆スカイライン

 ただ単にワインディングが続くってだけじゃなく、道がけっこうアップダウンしているので、スポーティな走りが味わえる点もいいんですよね。上りの右コーナーを抜けたら、下りのタイトな左コーナー、続けて下りの右コーナーから上りのゆるやかな左コーナー……。そんな感じで走れるところが西伊豆スカイラインの気持ちよさ。

西伊豆スカイライン

 いい眺めでしょう!? こんな風景が続くのですから、西伊豆スカイラインに行かない手はない。

 そして終点の土肥峠まで南下したら、そこから続く県道411号線(西天城高原線)でさらに仁科峠まで南下する、というのもおすすめ。というのも、この県道411号線、道の雰囲気や風景がまるで西伊豆スカイラインなのです。
 西伊豆スカイラインの全長は約11kmですけど、この西伊豆スカイラインそっくりな県道411号線で仁科峠まで走ってしまえば、距離は約10kmプラスされて約20㎞の絶景ワインディングとなるわけ。

帰路はフェリーという手も

 西伊豆スカイラインの終点・土肥峠から国道136号線を西に10数㎞進めば、そこは土肥港。この港からは、フェリーが出ています。

駿河湾フェリー

 フェリー名は、駿河湾フェリー。向かう先は静岡市の清水港。
 駿河湾フェリーは、清水港と土肥港を約70分で結んでいます。清水方面にお帰りになるなら、渋滞する沼津の市街地を走って東名道へ向かうより、ずいぶんとラクな移動になるはず。
 2023年4月から運賃が値下げになっていて、旅客運賃は2,300円から2,000円に。バイクの乗船料金は1,600円から1,000円に。つまり現在はバイク1台とライダー1名で、片道3,000円で乗船できるというわけ。
 フェリーは朝から夕方まで1日4便も出ているから使い勝手がいいし、そして何より、ちょっとした船旅気分が味わえて楽しいのです。

駿河湾フェリー

 静岡市清水区の清水港と伊豆市土肥を結ぶこのフェリー航路、実は県道でもあるんですよね。県道223(ふじさん)清水港土肥線。
 フェリーの甲板に標識もあります。天気が良ければ甲板から、駿河湾と富士山の絶景が眺められます。これも駿河湾フェリーのお楽しみ。

世界最大のカニ!

 駿河湾といえば、最深部の水深が2500mと、日本でもっとも深い湾。深海には世界最大のカニ、生きた化石とも呼ばれるタカアシガニが生息しています。

タカアシガニ

 体重は最大で19㎏、脚を広げると幅4m近いものもあるというタカアシガニ。「食べられるものなら食べてみたいなあ」というカニ好きの方もいらっしゃることでしょう。
 はい、食べられます。お財布に余裕さえあれば。
 土肥港から駿河湾沿いに県道17号線を北上すると、戸田(へだ)漁港に到着します。この漁港周辺の飲食店数軒が、タカアシガニを提供しているのです。

タカアシガニ

 旅先では、その土地ならではの食事を楽しむ。これぞ旅めし。ということで筆者も一度だけ食べてみたのですけれども、いいお値段なんですよね、これが。タラバガニやズワイガニよりも高いんじゃないかな。
 何事も経験、あなたも機会があれば、ぜひ!

 

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